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【ゾンビランドサガ】星川リリィは人気男の娘アイドルになれるか? 検証まとめ #ゾンビランドサガ
リリィの死の遠因は「ピーターパン症候群」?
8話で提示されたリリィの死因は「髭による精神性ショック死」という、かなりトリッキーなものでした。
自分に髭が生えたことにショックを受け、それによって死亡……この事実を聞いた二階堂サキ(にかいどう さき)は笑っていましたが、実際シリアスに受け取るには無理がある内容で、ギャグの一環という印象ですね。
ただ、この死因は「方々に配慮された結果」と解釈している視聴者が多いようです。
8話では、リリィが子役として数々の番組に出演し、その疲労で衰弱している様子が描かれていました。
この描写から、本当は過労による衰弱が主な原因だけど、子供の過労死をアニメで扱うのは問題だし父親の罪が大き過ぎるから「髭にショックを受けて死んだ」というわかりやすくあり得ない死因にして、「お察し下さい」というスタンスをとった……と解釈されているみたいですね。
実際、この解釈には十分な説得力があります。
しかし、リリィというキャラクターを考慮した場合、もう一つの見解を加えることができます。
それはピーターパン症候群です。
ピーターパン症候群とは「大人になっていなくてはならない年齢なのに、精神的に大人になっていない男性」を指す言葉です。
心理学・精神医学における正式な病名ではありませんが、広く一般に知られています。
リリィは享年12歳で大人と言える年齢ではないので、厳密にはピーターパン症候群には該当しませんが、8話で死亡する直前に「大人になんかならんもん」と連呼するなど、ピーターパン症候群と同様の状態だったことが示唆されています。
ピーターパン症候群は、「大人になりたくないという子供の甘え」や「いつまでも今のままでいたいというモラトリアム的な心理」が原因とは限りません。
近親者からの過保護に対する依存、母親への過度な愛情、過度なストレスからの逃避などを原因とする説もあります。
リリィは早くに母親を亡くし、その分父親からは溺愛されていました。
また、同年代の子供がまず経験することのない多忙でストレスは相当溜まっていたと思われます。
このことからも、リリィがピーターパン症候群だった可能性は極めて高いと言えるでしょう。
ピーターパン症候群を疑う理由はもう一つあります。
リリィの母親です。
8話では既に亡くなっているリリィの母親の写真が描写されていましたが、その容姿は「星川リリィ」の姿とそっくり。
恐らくリリィは母親に自身の理想像を重ねていたと思われます。
母親の理想化も、ピーターパン症候群の特徴の1つなのです。
つまり、リリィはピーターパン症候群であり、病的なほど「大人になること」への強い拒否感を抱いていたと考えられます。
山田たえ(やまだ たえ)以外が自我を取り戻した2話では、ゾンビになった自分に誰もが戸惑う中、リリィだけはゾンビ化した自分を鏡で見て嬉しそうにしていました。
恐らく「ゾンビならこれ以上肉体的に成長しない」と悟り、喜んだのでしょう。
そんなリリィにとって、髭という大人の証が自分の身体に生じたことは「自身の全否定」も同然。
アイデンティティの崩壊です。
それが強烈な拒否反応となり、精神性ショック死に繋がったのかもしれません。
ピーターパン症候群は決して死に至る病ではありません。
直接的な死因はあくまでも精神性ショック死です。
ただ、そこに至った理由には過労だけではなくリリィ自身の抱えていた不幸な問題も含まれていたのではないでしょうか。
「男の娘」はリリィの数ある魅力の1つ
前述したように、リリィが男の娘となった背景には「大人になりたくない」という強い願望と、母親の理想化が基盤にあったと思われます。
決して付け焼き刃の男の娘キャラではなく、リリィなりの人生観に基づいた属性です。
男の娘はどうしてもイロモノとして扱われてしまう属性ですが、リリィの登場によって男の娘に対するアニメファンの見方も変わってくるかもしれません。
ただ、だからといってリリィが男の娘アイドルとして受け入れられるという保証はありません。
普通の女の子とアイドルが全然違うように、「男の娘キャラ」と「男の娘アイドル」では求められるものが全く異なります。
特にアイドルの場合、女性であることを大前提として好きになる人が大半なので、男性である時点で異物感を抱かれてしまうのが実情ではないでしょうか。
それでも、前例はいます。
『きらりん☆レボリューション』の天川いずみ、『プリパラ』レオナ・ウェストがそうですね。
リリィたちは作品のファンから受け入れられ、アイドルとしてもちゃんと認知されています。
マイナーな属性ではありますが、受け入れられる土壌はあるのです。
よって、リリィが男の娘アイドルとして人気者になり、その人気が今後も定着するかどうかは、リリィのアイドルとしての適性が鍵を握ります。
まず容姿ですが、この点は全く問題ありません。
フランシュシュではリリィの次に若いのは16歳の水野愛(みずの あい)なので、リリィはグループ唯一のロリキャラ。
そこの需要はリリィに集中します。
次に声。
リリィの担当声優である田中美海さんはロリボイスに定評があり、しかもキャラになりきりつつ高い歌唱力を発揮する実力派の声優さん。
昭和のアイドル・紺野純子(こんの じゅんこ)の歌唱力が話題になりましたが、リリィもかなり上手いです。
ライブでのパフォーマンスも上々ですね。
自分のキャラをしっかりと発揮している印象で、体格面の不利を努力でカバーしているところも魅力的です。
特に4話の宴会場ライブで見せた「だーい!」の時の笑顔は破壊力抜群でした。
他のフランシュシュとの絡みが多いのも、アイドルアニメのキャラとしては大きなプラスポイント。
6話で愛に、11話で源さくら(みなもと さくら)に当たられてしまう不憫なところも、それはそれで愛らしさに繋がっています。
男の娘アイドルであることは、リリィ最大の特徴です。
ただ、魅力という点に関しては、あくまでその中の1つに過ぎません。
リリィには、アイドルとしての魅力が他にもたくさんあるからです。
『ゾンビランドサガ』のアイドルはそれぞれ独特のストーリー性を持っているのが魅力ですが、リリィはその筆頭と言えます。
男の娘であることより、男の娘となった背景にスポットが当たれば、リリィは必ず人気男の娘アイドルとして定着できるでしょう。
まとめ
リリィの存在は、ハチャメチャだけど実は丁寧に作り込まれたアニメであるゾンサガの象徴でもあると思います。
リリィがフランシュシュにいる意義は果てしなく大きく、それは他のどのメンバーでも補えるものではありません。
今後もいろんな歌とダンスで、また他のメンバーとの掛け合いで、リリィ独自の魅力を発揮して欲しいですね!
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