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【ゾンビランドサガ】紺野純子という平成の終わりにひょっこり現れた昭和アイドル #ゾンビランドサガ
『ゾンビランドサガ』フランシュシュのメンバーで誇り高き昭和のアイドル・紺野純子についてまとめました!
内気で自虐的な性格ながら、圧倒的にパワフルな歌唱力と高い意識でグループを支える彼女の魅力や名シーンを余すことなくお届けします!
紺野純子(こんの じゅんこ)キャラクター概要
『ゾンビランドサガ』のメインキャラクターの1人で、アイドルグループ「フランシュシュ」の一員。
1964年9月2日生誕、1983年12月9日没(享年19歳)。
身長155cm、体重40kg、スリーサイズは80(B)/55/84。
髪型はショートボブで、後ろ髪の一部を長く伸ばし二つ結びにしています。
普段の服装はワンピース型のセーラー服です。
生前は1980年代前半のアイドルブームを牽引した人気アイドルでしたが、佐賀のコンサート会場に向かう途中、飛行機事故によって死亡。
ゾンビとして蘇り、なし崩しのうちに巽幸太郎(たつみ こうたろう)が結成したフランシュシュのメンバーとして活動することになります。
常に敬語で話すなど礼儀正しく、物静かで内向的な性格。
しかしアイドルのことに関しては強い信念を持っており、「ステージの上からファンを魅了するのがアイドル」という昭和当時のアイドル観を絶対と考えているため、ファンとアイドルの距離が縮まった現状には拒絶反応を示しています。
フランシュシュ内では元平成アイドルの水野愛(みずの あい)と足並みを揃える機会が多い一方、アイドル観の違いから衝突することも。
真面目な性格同士気が合うのか、源さくら(みなもと さくら)とも仲良くしているようです。
メンバーで唯一自我の戻らない山田たえ(やまだ たえ)からは妙に目を付けられており、頻繁に追いかけ回されたり噛みつかれたりしています。
アニメの担当声優は河瀬茉希(かわせ まき)。
昭和のアイドルは孤高
AKB48が頭角を現した2010年以降「いつでも会えるアイドル」が普及し、現代のアイドルは握手会などのイベントでファンと接するのが常識化しています。
AKB48以前の平成アイドルも、今ほど頻繁ではないものの握手会を普通に行っていました。
では、昭和のアイドルはどうだったかというと……当時もファンとの交流イベントは行っていたようです。
しかしその価値観は現代とは全く異なり、例えば握手会に関しては「デビュー前やデビュー直後の新人が名前を売るために行うもの」という考えが一般的。
特に、グループよりもソロアイドルの方が隆盛を極めていた1980年代前半やその前の時代においては、アイドルが神格化されていたこともあり「ファンと直接交流するのは格下のやること」と認知されていたと思われます。
当時は「手を伸ばせば届きそうな存在」「クラスで3番目に可愛い子くらい」といった身近さが売りにはならず、テレビやコンサートにおけるパフォーマンスのクオリティがそのままアイドルとしての評価に直結した時代。
作曲者が先生と呼ばれ、厳しい指導が一般的だったため、レッスンも相当過酷なものだったと推察されます。
当時のアイドル道とは、すなわち修羅の道だったのです。
紺野純子は、そんな「アイドル=崇拝の対象」が当たり前の昭和という時代に、たった1人で人気アイドルへと上り詰めた人物。
そのアイドルとしての矜持は、作中の至る所で垣間見えます。
「ゾンビアイドルとして佐賀を盛り上げろ」と高唱する巽や、アイドル未経験の素人ながら取り敢えずやってみようとするさくらたちに対し、アイドルの厳しさや難しさを知る純子は、生前に平成のトップアイドルユニット「アイアンフリル」でセンターボーカルを務めていた愛と共に、当初から否定的な立場を取り続けていました。
アニメ3話「DEAD OR LIVE SAGA」では、付け焼き刃の練習でライブを行うことに対し「アイドルは徹夜でどうにかなるものじゃない。それにそんな即席のもの、お客さんに見せるべきではありません」と述懐。
その後、あらためてフランシュシュとして活動することを決意してからも、歌と踊りだけでファンの心を掴むべく自分もメンバーも厳しく律しようと理想を高く掲げていました。
そして第6話「だってセンチメンタル SAGA」では、純子の昭和アイドルとしての価値観と現代のアイドル事情とのギャップがクローズアップされることになります。
地道な活動が実を結び、フランシュシュにもついにファンが付き始め、はじめてのチェキ会が開催されることになった日。
ファンと気軽に接し一緒に撮影するという現代のアイドルが当たり前にやっている行為を、純子は「これのどこにアイドルがあるんですか!?」「あんな破廉恥な真似、私はしたくないです」と拒絶します。
そんな純子の姿勢に異を唱え、昭和のアイドル観を「時代遅れ」と糾弾した愛と一触即発の事態になってしまいました。
アイドルとは孤高の存在であり、実力のみでファンを魅了する仕事と主張する純子。
いかにファンに知ってもらえるか、身近な存在になれるかが大切と訴える愛。
昭和のアイドルと平成のアイドル、両者ともその時代に求められたアイドル像を最前線で担ってきた同士だけに、どちらも紛れもない正解であり、お互い引くことはできません。
しかしフランシュシュがアイドルとして活動するのは昭和ではなく現代。
九州最大級の野外ロックフェス「サガロック」にフランシュシュが参加すると決まった後も、純子は自分に居場所はないとレッスンに出ず引きこもってしまいます。
そんな彼女を説得したのはプロデューサーの巽でした。
7話「けれどゾンビメンタル SAGA」において、彼は純子の個性とアイドル観を全面肯定しつつ、「この時代に昭和アイドルの矜持をもって活動するその姿をメンバーやファンたちに見せてやれ」と説きます。
サガロックへの出発当日、純子はフランシュシュへの再合流を決意。
巽と他のメンバーが乗るワゴンを身を挺して止め(轢かれてしまったのはご愛敬)、「私は昭和のアイドル! 紺野純子です!」と鬼気迫る表情で宣言し、時代に迎合することなくありのままの自分として同行することを伝えました。