行動も大体ヤンキー

ヤンキーの行動理念はかなりアバウトです。
あまり物事を深く考えず、ウダウダと悩むこともなく、直感で物事を決めます。
その経験値からか、ヤンキーには妙に鋭いところがあり、野生の嗅覚と言わんばかりに相手の心を見透かします。

また、外見だけでなく行動も派手さを好み、祭りなどのイベントも大好き。
一本気の性格であることが多いため、筋の通らないことはしない印象です。
面倒臭がりで学校をサボるのにも躊躇しない一方で、一度親や教師から説得されて登校するようになったら以降は休まなくなる、といった感じですね。

吉田さんは修学旅行前まではサボりの常習だったようです。
しかし旅行後は特にそういった描写はなく、毎日登校していると思われます。

何故サボらなくなったのかは、作中では言及されていません。
これは特別誰かに言われてそうしていると言うよりは、修学旅行で知り合いが増えたことで学校に行く意味を見出せたのではないか……と推察できます。
本来なら最もサボりの対象になる体育祭でも、もこっち達と組んでの騎馬戦が予定されていたからか真面目に参加していましたし（もこっちは遅れたため騎馬戦は別の生徒と組むことになりましたが）、一度は不参加を決めていた打ち上げもゆりの説得に応じて参加していましたので、可能性は高いと思われます。

こういった義理堅さはまさにヤンキー。
陰キャとは対照的に、ネガティブなことを考えないので行動が早く、お礼もしっかり言えるところも含め隙がありません。

ヤンキーらしくないところは……？

作中でもこっちが吉田さんをヤンキーと揶揄するシーンはほとんどが偏見によるものですが、客観的に見ても吉田さんのヤンキーっぽさは否定できません。
では、逆にヤンキーらしくない面はあるのでしょうか？

例えば、通っている学校はどうでしょう。
明言こそされていませんが、もこっちや吉田さんの通う原宿教育学園幕張秀英高等学校は青学を目指す生徒がいるくらいなので、進学校であることはほぼ間違いありません。
それもそこそこレベルの高い学校だと思われます。

そんな高校で落第せずに3年までしっかり進級できている吉田さんは、何気に勉強ができる子なのです。
これはヤンキーらしくありませんよね。

ただ、12巻のあとがきによると、イッコ先生の高校時代にはご自身よりも成績の良かったヤンキーがいたそうで、その実体験が基になっているのなら、正しいヤンキー像とも言えます。
実際、人間関係を大事にするヤンキーは案外周囲に勉強を教えてくれる人がいたりするものです。
幾らヤンキーでも留年は嫌でしょうし、いざとなったら人一倍根性を見せるのもヤンキーならではなので、「進学校で進級できるヤンキー」は矛盾しません。

一つ、ヤンキーっぽくない部分があるとすれば、吉田さんが友達の2人にもこっち、ゆりちゃん、真子を紹介していない点でしょうか。
ヤンキーはつるむのが好きなので、新しい友達ができたらすぐに紹介しがち。
しかし遠足の際に遭遇した時も、特に紹介することなく別れていました。

もっとも、「やべー奴」と思っているもこっちを大事な友達に紹介したくない、明らかに人見知りのゆりを紹介するのは抵抗がある、真子だけ紹介すると色んな意味でヤバい……といった理由かもしれませんが。

まとめ

これはもうヤンキーと言うしかないですね。
もこっちの見解は概ね正しいと言えるでしょう。
そんな何処に出しても恥ずかしくないヤンキーの吉田さん相手に噛みついたこみなんとかさんのメンタルは普通じゃないと思います。

それはともかく、吉田さんは確かにヤンキーですが、誰彼構わずキレている訳ではありません。
今江先輩の件も言い方こそ荒いですけど、撥ね水から守るなど行動は終始優しく生真面目なものでしたし、自分が何かされない限りは憤らない人です。
卒業式の時に智貴が見ていただけで「何ガンつけてんだ？」と因縁ふっかけていたのは……良いこと（今江先輩に挨拶できずにいたもこっちの背中を押した）をした直後なので、照れ臭さを覆い隠すため必要以上に虚勢を張るという心理状態だったんだと思います……多分。

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