霜月美佳の存在が緩和剤に？

出典 : Amazon.co.jp

2期以降、『PSYCHO-PASS』には朱の対となる存在が登場します。
霜月美佳（しもつき みか）です。
登場は1期からでしたが、本格的に物語に絡んでくるのは2期からです。

美佳は公安局刑事課一係に新人監視官として就任。
学生時代は成績優秀で、かつて身近な人物が殺されてしまう悲劇に見舞われ、18歳という若さで監視官になった極めて優秀な人材……と、朱と共通する点が幾つもあります。

しかし性格や性質は朱とは正反対。
潜在犯は即排除すべきという極端な思想を持っており、自分に対する自信が非常に高く、しかし責任を背負うプレッシャーには弱く極力回避しようとします。
典型的な「他人に厳しく自分に甘い」人間で、マニュアル通りには動かない朱への反発心は強く、彼女に責任を押しつけようとする態度もしばしば見受けられます。

朱が人間的な強さの象徴だとすれば、美佳は弱さの象徴。
シビュラを嫌悪する朱と、シビュラに忠誠を誓う美佳という意味でも、両者は対極の存在です。

その美佳は功名心の強さや前述したような責任を背負えない弱さから、朱に対し露骨に嫌な態度を取ります。
「主人公への嫌悪を露骨に態度で示すキャラ」も視聴者から嫌われやすい性質の鉄板なので、彼女も例外なく（制作陣の狙い通り）不人気キャラとなりました。

一方、その美佳の存在によって救われているのが朱です。
美佳が朱に嫌味を言う度に、美佳にヘイトが溜まり相対的に朱はまともに見えますし、味方をする視聴者も増えます。
万能キャラが嫌われやすい理由の1つである「感情移入がし難い」という点が、これによって軽減されているのです。

また、万能キャラの主人公は周囲のキャラから過剰に持ち上げられやすいものですが、美佳が強い反発を見せるため、他の人物から高い評価を得ていても相殺され、持ち上げられている感はありません。

美佳が朱の傍にいることで、朱の嫌われやすさが緩和されていると見なすことができます。

まとめ

ここまで1期と2期で変わったキャラはそうそういないと思います。
ファンが戸惑うのも無理ないですよね。
でも成長後の朱にも弱い部分はあって、そこを記憶の中の狡噛で補っているのは印象的でした。

3期でも朱の活躍に期待しましょう！