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Dec

【スターオーシャン セカンドストーリー】リメイク大成功! 好評の要因は「愛」?


(画像引用 : Amazon)

2023年にリメイクされ好評を博している『スターオーシャン セカンドストーリー』を大特集!
SOシリーズの歩みと現状、今回リメイクが成功した理由など、様々な観点からSO2を語り尽くします!

SOシリーズの頂点がデフォルメキャラのままフルリメイク


(画像引用 : Amazon)

1996年以降、25年以上にわたって続いている人気RPG『スターオーシャン』シリーズにあって最高傑作の呼び声高い『スターオーシャン セカンドストーリー』
そのフルリメイク版となる『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』が2023年11月2日に発売され、好評を博しています。

何故、このリメイク版が令和の時代に受け入れられたのか。
その検証を行う前に、まずSOシリーズおよびSO2の歴史について軽く触れてみたいと思います。

SOシリーズの特徴はファンタジーとSFを融合した世界観と、RPGでありながらアクション性を有しているバトルシステム
特に宇宙の様々な星を舞台としたSF要素の強い世界観は、それまで『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といった人気RPGの多くが中世ヨーロッパを髣髴とさせる雰囲気のファンタジー世界を舞台としていた為、大きな個性としてユーザーから受け入れられました。
またアクションバトルに関しても、それまでのRPGはターン制のバトルが大半たった為、ほぼ同時期に誕生した『テイルズ』シリーズと共に新たなバトルシステムとして好評を博しました。

一方で、スーパーファミコン用ソフトとして発売された1作目『スターオーシャン』は、実はそれほど大きなヒットにはなっていません
これには明確な理由があって、SO1が発売された1996年は既にプレイステーションやNINTENDO64といった次世代機の普及が急速に進んでいた時期。
それに対し、スーパーファミコンはピークを過ぎてソフトの販売タイトル数も前年の半分以下になっていた為、スーパーファミコン用ソフトにユーザーの関心が余り向いていなかったのです。

しかしプレイした人達からは確かな評価を獲得し、前作から2年後となる1998年にプレイステーション用ソフトとしてSO2が発売されると、前作を遥かに上回る勢いで広がり、大ヒット作となりました。

SO2の高評価はそれだけが理由ではありません。
1の20年後を描いた続編ながら、世界観およびストーリーは遥かに壮大なものとなり、バトルシステムも1の形式を受け継ぎつつ戦闘フィールドに奥行きを持たせ自由度が大幅にアップ。
男主人公のクロード、女主人公のレナを選択できる「ダブルヒーローシステム」、個性豊かなキャラクターの掛け合いをアドベンチャーゲーム的な会話方式で行う「プライベートアクション」の強化、アイテムクリエーション(アイテム生成)など豊富なやり込み要素の新設など、前作を大きく上回るスケールのRPGになった事で新規ファンを多数取り込む事が出来ました。

その人気もあってメディアミックスも盛んに行われました。
当時隆盛期だった月刊少年ガンガンでコミカライズが連載され、2001年にはテレビアニメも放送。
4コママンガ劇場などのアンソロジーコミックも多数発売され、こういった別メディアの展開もあって知名度を更に上昇させました。

売上は『スターオーシャン6』よりも好調! その理由は?


(画像引用 : Amazon)

シリーズ屈指の人気作とあって、SO2はこれまで数多くのハードに移植されています。
2008年にはキャラクターデザインの変更をはじめ内容を幾つか変更したリメイク版『スターオーシャン2 Second Evolution』をPSP用ソフトとしてリリース。
2015年にはPS Vita、PS3、PS4でプレイできるダウンロード版も発売しました。

つまり、今回の『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』は2度目のリメイク
にもかかわらず話題になったのは、前回のリメイクと少し事情が異なるからです。

前回は携帯用ゲームのPSPでのリメイクとあって、キャラクターデザインや声優陣の変更こそあったものの、グラフィックの劇的な向上やシステムの大きな変更はなく、バージョンアップ感は薄めでした。
しかしPS4、PS5、Nintendo Switch用ソフトとして開発された今回のSO2Rは、最新の技術を駆使した3Dで描かれているリアルな背景、現代の水準で洗練されたバトルシステムを搭載。
「新たに生まれ変わったSO2」という印象をより強く持たれるリメイクとなり、1990年代にオリジナル版プレイした世代から「こんなに進化したんだ!」と注目を集める事になりました。

そしてもう一つの大きな特徴が、そのオリジナル版を最大限に尊重している点です。

背景は3Dなのに対し、キャラクターはドット絵を用いほぼ2頭身にデフォルメしたグラフィックを採用。
つまり、現代のゲームの中にオリジナル版のキャラ達が入り込んだようなゲームデザインになっているのです。

もしキャラも3Dモデルで等身を大きくしていたら、より現代のゲームっぽくなっていたでしょう。
ただ、そうなると進化を感じるよりも「違うゲームになってしまった」という感情を強く与えてしまいます。
キャラ描写をオリジナル版に限りなく近くした事で、昔SO2をプレイした人が「SO2が帰ってきた」と感じられ、懐かしさを覚えられるようになっています。

加えて、立ち絵も各キャラ毎に「新規ビジュアル」「Second Evolutionのビジュアル」「オリジナル版のビジュアル」の3種類が用意されています。
これによって、昔のイメージそのままにプレイする事も、最新のイメージでプレイする事も可能。
更にキャラクターボイスも『Second Evolution』以降のキャスト陣のボイス、オリジナル版キャストのボイスを選択可能で、オリジナルキャストに至っては新規収録まで行われています。

フルリメイクを謳って過去の名作を現代に蘇らせた作品は多々あります。
ですが、ここまでオリジナル版に敬意を示し、オリジナル版をプレイしたユーザーに心を寄せたリメイクはこの作品が初めてでしょう。
まさに「神リメイク」と言えるゲームになっていて、この点が大きな話題を生みネット上でも沢山取り上げられました。

その結果、SO2Rの初週売上は2022年発売のナンバリングタイトル最新作『スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE』を上回る事態に。
シリーズ一番人気とはいえ、二度目のリメイク作、それもドット絵を用いたゲームが最新作を超えるのは異常事態で、これも制作スタッフの愛が生んだ奇跡と言う以外にないでしょう。

SO3のリメイクはある?


(画像引用 : Amazon)

SO2Rの好結果は喜ばしい事ですが、逆を言えば最新作の『スターオーシャン6』は二度目のリメイク作にすら及ばないという見方も出来ます。
事実、スターオーシャンシリーズの歴史は必ずしも栄光ばかりではなく、寧ろ挫折の方が多いと言っても過言ではありません。

1作目『SO1』の売上が23万本だったのに対し、2作目の『SO2』は国内で72万本、海外も含めると109万本を売り上げました。
2作目でここまで伸びるケースは珍しく、ここから一気に新時代の国民的RPGになれるだけのポテンシャルはあったと思われます。

しかし、ここからスターオーシャンシリーズ苦難の道が始まります。

SO2のメディア展開もあってか、その後新作が中々出ないまま2000年代に突入。
2001年にようやくSO2の後日談となる外伝作品『スターオーシャン ブルースフィア』がリリースされる事になりましたが、それまで据え置きゲーム機だったのに対し、このタイトルはゲームボーイ用ソフトとして開発・発売されました。

ゲーム自体の出来は良く、評価する声は少なくありませんでした。
ただ、外伝とはいえSO2と関連ある作品にもかかわらずプラットフォームを変えた事、当時既にゲームボーイからゲームボーイアドバンスへ時代が移り変わり始めていた事から、ついて行けるユーザーはかなり限られてしまい、売上はSO1の半分程度に留まりました。

ナンバリングタイトルの新作『スターオーシャン Till the End of Time』が発売されたのは、その2年後となる2003年。
SO2から実に5年も経過しており、折角SO2で生み出した良い流れも既に途絶えつつありました

そしてこのSO3がシリーズの分水嶺にもなりました。

元々2002年発売予定でしたが、品質向上を理由に延期。
にもかかわらず、いざ発売されるとゲーム序盤のイベント戦でフリーズが発生する致命的バグをはじめ、非常に多くのバグがある事が判明してしまいます。
これによってユーザーの信頼を大きく失ってしまいました。

加えて、このSO3の後半には「スターオーシャンの世界は全てシミュレーター『エターナルスフィア』の中の世界」という事実が判明します。
要するに極めて高度なAIによって作り出された世界で、その住民もプログラミングによって生み出された生命体という事になります。
乱暴な言い方をすれば、スターオーシャンとは作中作の物語で、『エターナルスフィア』というオンラインゲームの中の世界……という訳です。

この事実は単にSO3がそういう世界観というだけでなく、SO1やSO2もゲームの中の物語に過ぎなかったという事を意味します。
当然、それらのゲームをプレイして来たユーザーは激怒。
スターオーシャンシリーズへの信頼とブランド力は大きく低下し、それ以降の『スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-』『スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-』といったナンバリングタイトルも評価は低く、シリーズとしての人気はSO2をピークに右肩下がりとなってしまいました。

ただ、SO3は致命的な問題が幾つかある一方で、高評価された面も少なくありません
特に当時は少なかった3Dフィールドでのバトルは爽快感と臨場感が素晴らしく、絶賛する声も多くあがっていました。
人気キャラクターも多く、上記の展開以外のストーリーも概ね好評で、スターオーシャンシリーズを躓かせた戦犯ではあるものの、欠点さえなくせば良作となり得るだけのポテンシャルはあります。

そんなSO3ですが、これまでリメイクは一度も行われていません
バグの修正や新要素を加えたディレクターズカット版は発売されましたが、それ以降20年にわたって手つかずのまま。
SO1やSO2が何度も移植・リメイクされている事を考えると、やはりスタッフの間でも戦犯である事は重く捉えられているのでしょう。

それでもSO2のリメイクが好評だった事を踏まえ、SO3のリメイクに踏み切る可能性はないとは言えません。
ストーリーの根源を変える事は出来ないでしょうが、AIが現実の生活にどんどん入っている現代ならば、当時よりは受け入れられる筈。
SO3の評価を上げる事がシリーズ全体の評価の底上げにも繋がると思われ、リメイクする価値は十分にあると言えます。

まとめ

コンシューマのRPGは3Dモデルで普通の等身のキャラが当たり前になった現代、ドット絵&2~3頭身のグラフィックで成功した意義は大きいと思います。
今後もこの方向性で、懐かしさと技術の進歩を同時に感じられるようなリメイク作品が続々出て来そうですね!
この神リメイクを実現したスタッフ陣ならSO3のリメイク&再評価も夢じゃないと思うので、そちらも是非実現させて欲しいです!

 

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