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22

Jul

ヤングジャンプ史上最強の連載陣はいつ? ヤンジャン黄金期をまとめてみた


(画像引用 : Amazon)

週刊ヤングジャンプは40年以上の歴史を持ち、これまでに『キングダム』『東京喰種』『かぐや様は告らせたい』など多数のヒット作を生み出してきた青年誌の代表格。
その中でも特に連載陣が充実していた「黄金期」は果たしていつなのかを検証します!

ピーク時は200万部超! 社会人の愛読書だった1990年代


(画像引用 :『まんだらけ』公式サイト https://order.mandarake.co.jp/order/)

ヤングジャンプの創刊は1979年5月17日で、最初は週刊ではなく隔週の発売でした。

当時既に大人向け、青年向けのマンガ雑誌は少なからずありましたが、それでも「マンガは子供の読むもの」というイメージを覆すには至らず、週刊少年ジャンプをはじめとしたメジャなー少年誌ほどの知名度はなかったようです。
週刊ではなく隔週だったのも、そういった市場の情勢に合わせてまずは様子見……という判断だったと推察されます。

そんな状況下で産声を上げたヤンジャンですが、創刊号の時点でかなり濃いメンツを揃えています。
当時既に人気漫画家の地位を確立していた本宮ひろ志先生が、ヒット作『俺の空』の続編となる「刑事編」を執筆。
更に、当時既に大ベテランだった手塚治虫先生、永井豪先生と小池一夫先生のタッグ、『巨人の星』の川崎のぼる先生……など錚々たるメンバーが集い、軌道に乗った事で1981年に週刊化を果たしました。

この頃に人気を博していたのは『わたしの沖田くん』という大学生のラブコメディでした。
ラブコメというと中高生の恋愛を描く作品が当時も今も主流ですが、青年誌という事で対象年齢を意識し、敢えて大学生の恋愛を描いたと思われます。
この作品の成功は以降の連載陣にも影響を与えたようで、その後も専門学校の生徒の青春を描いた『ネコじゃないモン!』、ちょっとエッチな『みんなあげちゃう』、女教師と生徒の禁断の恋を描いた『いとしのエリー』など、少年誌よりも対象年齢が高めの「大人のラブコメ」といった作品が多くなっていきました。

そんな流れの中で、ラブコメ路線とは全く違うヒット作が生まれます。
1985年に連載を開始した『孔雀王』です。
本作は退魔師を主人公とした異能力バトル漫画で、少年誌では表現できない宗教やエログロといった要素を描写し、人気を博しました。

この孔雀王のヒットでヤンジャンの読者層は一気に広がりを見せ、人気雑誌となっていきます。
そして1988年には、ゴマフアザラシのゴマちゃんでおなじみ『少年アシベ』の連載を開始。
本作はテレビアニメ化され子供から絶大な人気を獲得し、その親世代にまで人気が波及し、一大ブームを巻き起こしました。

「大人の恋愛」「ダークなバトルアクション」「ほのぼの日常系」という全く異なるジャンルのヒット作を擁し、ヤンジャンは更に飛躍を遂げます。
1988年には発行部数が200万部を突破し、青年コミック誌のトップランナーとして多くの漫画好きから愛読される雑誌となりました。

そして1994年、新たなメガヒット作が誕生します。
創刊号からずっとヤンジャンを支えて来た本宮先生の『サラリーマン金太郎』です。

本宮先生は、破天荒な主人公がその胆力と仲間との絆で成り上がっていくストーリーを得意としていますが、本作はまさにその集大成とも言える作品。
暴走族の元ヘッドが腐り切った大手企業を中から改革し上り詰めていくという物語が、1980年代に不良漫画を読んで育った世代に刺さり爆発的ヒットを記録しました。
本作は1999~2000年にテレビドラマ化され高視聴率を記録するなどメディアミックスの成功もあって、シリーズ累計発行部数は3500万部に達しています。

サラリーマン金太郎の大ヒットによって、一時は200万部を切っていたヤンジャンの発行部数は再び上昇し大台に復帰しました。
この時期が最初の黄金期と言えるでしょう。

・週刊ヤングジャンプ 1996年43号連載陣

ハートボイルドパパ(山口譲司)
サラリーマン金太郎(本宮ひろ志)
X〈クロス〉(梶研吾・井上紀良)
マイホームみらの(桜木雪弥)
私立T女子学園(竹田エリ)
高校鉄拳伝タフ(猿渡哲也)
和田ラヂヲのここにいます(和田ラヂヲ)
C(きたがわ翔)
おっとり捜査(小手川ゆあ)
てっぺん(小成たか紀)
HEN(奥浩哉)
超格闘伝説 あした輝け!(高橋幸二)
えっち(仙道ますみ)
ぼくのマリー(竹内桜)
のぞみウィッチィズ(野部利雄)
君だけをみつめてる(七瀬あゆむ)
魚CRY(小池一夫・片山誠)

GANTZが牽引! 読者層が大きく変わった2000年代


(画像引用 :『まんだらけ』公式サイト https://order.mandarake.co.jp/order/)

サラリーマン金太郎を擁した1990年代中盤~後半のヤンジャンは長期連載作品が多くなり、連載陣がやや固定化の傾向にありました。
その為、よく言えば安定、悪く言えばマンネリという状態が続き、停滞期を迎える事になります。

その状況を打破したのが、『リアル』『GANTZ』です。

リアルは、週刊少年ジャンプで『スラムダンク』を連載していた井上雄彦先生が車椅子バスケを描いた意欲作。
前年にモーニングで『バガボンド』の連載を開始していた為、毎週掲載という訳にはいきませんでしたが、スラムダンクと同じバスケを題材とした本作は圧倒的な注目を集め、3巻の時点で初版100万部を達成するなどコミックスも大ヒットとなりました。

GANTZは、死亡した主人公が謎の部屋に転移し理由もわからず「星人」と呼ばれる敵との戦いを強制されるという、デスゲームの要素を含んだバトルアクション。
最大の特徴は、メインキャラと目されていた登場人物がいとも容易く惨殺され、物語から退場してしまう点。
孔雀王に代表されるエログロ路線はヤンジャンの主流の一つですが、このGANTZは過去にないほど刺激的で強烈なインパクトを残す作品となり、多くのコアなファンを獲得しました。

2000年前後にリアル、GANTZという主力作品を得たヤンジャンは、そこから一気に攻勢に出ます。
週刊少年ジャンプで連載していた『キャプテン翼』の続編をヤンジャンに招き、ジャンプで人気作を手掛けた桂正和先生、梅澤春人先生、森田まさのり先生の新連載を開始。
かつてジャンプを読み、社会人になった世代を狙い撃ちするような戦略を立て、その全てをヒットに結びつけました。

誌面が賑やかになった事で、新連載陣にも注目が集まるようになります。
2005年に『LIAR GAME』、2006年には『嘘喰い』『ハチワンダイバー』が連載を開始し、人気作へと成長。
更には箸休め的な存在だった4コマ漫画『B型H系』をも人気を集め、アニメ化まで果たす事になりました。

この時期のヤンジャンはかなり意欲的な雑誌作りが特徴で、非常に幅広い作風の人気作が集まっています。

・週刊ヤングジャンプ 2007年26号連載陣

ZETMAN(桂正和)
B型H系(さんりようこ)
TOUGH(猿渡哲也)
LIAR GAME(甲斐谷忍)
犬のジュース屋さんZ(おおひなたごう)
カウンタック(梅澤春人)
リアル(井上雄彦)
ハチワンダイバー(柴田ヨクサル)
カッパの飼い方(石川優吾)
仮面ティーチャー(藤沢とおる)
GANTZ(奥浩哉)
キングダム(原泰久)
べしゃり暮らし(森田まさのり)
華麗なる食卓(ふなつ一輝)
嘘喰い(迫稔雄)
キャプテン翼 GOLDEN-23(高橋陽一)
MONACOの空へ2 ALAS ~輝ける翼~(野部利雄)
ワルボロ(ゲッツ板谷・花岡暁生)
夜王(倉科遼・井上紀良)
メリーちゃんと羊(竹田エリ)
SIDOOH/士道(髙橋ツトム)
カジテツ王子(向浦宏和)
いぬばか(桜木雪弥)
この恋は実らない(武富智)
孔雀王 曲神紀(荻野真)

大ヒット作連発! 3本柱が猛威を振るった2010年代


(画像引用 : Amazon)

2000年代後半から2010年にかけて、ヤンジャンに新たな主力作品が誕生します。
10年以上、2023年現在もヤンジャンの王者として君臨し続けている『キングダム』です。

本作は古代中国の戦乱の世を舞台とした、壮大なスケールの大河ロマン。
そして同時に、ヤンジャンの歴史を総括したような作品でもあります。

信念を曲げず、仲間との絆を大切にして上へ行くという主人公像は、かつてのサラリーマン金太郎と共通しています。
戦略性に富んだ合戦や各国の思惑が交差する物語は、LIAR GAMEや嘘喰いで繰り広げられた頭脳戦にも通じ、史実とあって人気キャラでも関係なく死ぬシビアな世界観はGANTZを髣髴とさせます。
これまで長年ヤンジャンを愛してきた人にとって、キングダムはその集大成とも言える作品だったのかもしれません。

キングダムの一強時代に突入するかと思われた2010年代のヤンジャンですが、その巨星と引かれ合うように、新たな大ヒット作が誕生します。
『東京喰種』『テラフォーマーズ』です。
ダークファンタジーの金字塔として海外からも絶大な支持を得た東京喰種と、GANTZの流れを汲み主人公サイドにいつ死者が出るかわからない緊張感溢れるバトルが人気を博したテラフォーマーズは、共に巻割(巻平均)100万部を突破する勢いを見せました。

加えてキングダムも、2010年代にバラエディ番組で特集を組まれた影響で更に飛躍的なヒットを記録。
かつてジャンプが『ドラゴンボール』『スラムダンク』『幽遊白書』を輩出したように、この時代のヤンジャンも『キングダム』『東京喰種』『テラフォーマーズ』の3本柱が牽引し、広い世代に絶大な人気を誇る雑誌となりました。

またこの3本柱以外本にも、全く違う方向性のヒット作が生まれます。
『干物妹!うまるちゃん』はきらら系の雑誌で連載していても不思議じゃないほどゆるふわな日常コメディで、殺伐とした作品が多いこの時期のヤンジャンにとっては格好の癒やし枠となり、人気を獲得。
アニメ化も成功を収め、印象に残るヒット作となりました。

・週刊ヤングジャンプ 2014年3号連載陣

東京喰種トーキョーグール(石田スイ)
テラフォーマーズ(橘賢一・貴家悠)
キングダム(原泰久)
ボクガール(杉戸アキラ)
かくりよものがたり(藤崎竜)
幕末紅蓮隊(本宮ひろ志)
ハマトラ(北島行徳・小玉有起)
嘘喰い(迫稔雄)
源君物語(稲葉みのり)
極黒のブリュンヒルデ(岡本倫)
ZETMAN(桂正和)
干物妹!うまるちゃん(サンカクヘッド)
べしゃり暮らし(森田まさのり)
モングレル(村瀬克俊)
サイクロプス少女さいぷ~(寅ヤス)
サムライソルジャー(山本隆一郎)
へ~せいポリスメン!!(稲葉そーへー)
ねじまきカギュー(中山敦支)
ニポンゴ(空えぐみ)
ハチワンダイバー(柴田ヨクサル)
WxY(マドカマチコ)
パープル式部(フォビドゥン澁川)※読み切り
イノサン(坂本眞一・安達正勝)

ラブコメブーム再来! 雰囲気が一変した2020年代


(画像引用 : Amazon)

絶対的な3本柱が牽引した2010年代のヤンジャンですが、原作者の病気療養の為テラフォーマーズが連載不能状態となり、東京喰種も2018年に完結を迎えた事で、2010年代末にはキングダム一強状態となります。
過激でダークな「大人のバトルアクション」が減る一方、日常ものやラブコメ作品が増えた事で、以前の路線を好んでいた読者からは「ヤンジャンはヌルくなった」という声が聞かれるようになりました。

しかし掲載作品の傾向が大きく変わった事で、ヤンジャンに新たな風が吹きます。
その新時代の牽引役となったのが『ゴールデンカムイ』『かぐや様は告らせたい』です。

ゴールデンカムイは、明治末期の北海道を舞台としたサバイバルアクション。
アイヌの金塊を手に入れる為、各キャラが謀略を巡らして戦いに興じる物語です。
本作もまたヤンジャンの系譜である「大人のバトルアクション」に含まれますが、これまでの作品とは違いコメディ要素や遊び心も多分に含まれている点が大きな特徴と言えます。

かぐや様は告らせたいは、恋愛で頭脳戦を展開するというラブコメディ。
ただ、そのテーマそのものよりも各キャラの掛け合いや関係性の変化に人気が集まり、ヤンジャンの系譜である「大人のラブコメ」というよりは単純に時代を代表するラブコメとして認知されています。

この2作品が新たな看板となり、ヤンジャンは徐々に時代に即した連載陣へと生まれ変わっていきます。
ダークな作品よりもユルい日常コメディや恋愛作品が増え、一方で『少年のアビス』のような人の心の闇を描いたような作品も生まれ、そのコントラストが特徴の一つとなりました。

そして2020年、新時代の看板候補作品が誕生します。
『ウマ娘 シンデレラグレイ』【推しの子】です。

人気ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』のコミカライズであるシンデレラグレイは、キャラ萌えとは程遠い圧倒的な熱量でレースを描き、ウマ娘を知らない読者からも支持を集めます。
かぐや様の作者、赤坂アカ先生が原作を務める【推しの子】は、転生を題材とした復讐劇という新機軸で注目され、いずれも早い段階で人気作となりました。

【推しの子】は2023年にアニメ化され、大ヒットを記録。
今や看板候補ではなく明確な看板作品として、2020年代のヤンジャンを支えています。

・週刊ヤングジャンプ 2020年44号連載陣

ゴールデンカムイ(野田サトル)
キングダム(原泰久)
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(赤坂アカ)
かぐや様を語りたい(G3井田・赤坂アカ)
久保さんは僕を許さない(雪森寧々)
君のことが大大大大大好きな100人の彼女(野澤ゆき子・中村力斗)
BUNGO -ブンゴ-(二宮裕次)
九龍ジェネリックロマンス(眉月じゅん)
GANTZ:E(花月仁・奥浩哉)
僕、いますよ。(本宮ひろ志)
【推しの子】(横槍メンゴ・赤坂アカ)
ふたりぼっちのオタサーの姫(クール教信者)
MoMo -the blood taker-(杉戸アキラ)
スタンドUPスタート(福田秀)
ジャンケットバンク(田中一行)
ウマ娘 シンデレラグレイ(久住太陽・杉浦理史・伊藤隼之介・Cygames)
可愛そうにね、元気くん(古宮海)
貧々福々ナズナさま!(稲葉そーへー)
シャドーハウス(ソウマトウ)
少年のアビス(峰浪りょう)
ジュピタリア(梶山昊頌)
メイド・イン・ひっこみゅ~ず(サンカクヘッド)
スナックバス江(フォビドゥン澁川)

まとめ

単純な掲載作品の豪華さでは、3本柱が圧倒的だった2010年代が一番充実していて、黄金期って感じがします。
でも、GANTZを筆頭に色んなタイプのマンガが2000年代も捨てがたく、中々一番は決めきれませんね!
皆さんはどの年代のヤンジャンが一番好きですか?

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