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Jul

【るろうに剣心】リメイク記念! るろ剣の歩みを徹底解説します【2023夏アニメ】


(画像引用 : TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』公式サイト https://rurouni-kenshin.com/)

2023年夏よりリメイク版アニメが放送される『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を大特集!
連載当時の人気、90年代に放送されたアニメ、物議を醸したOVA、現在の状況など『るろ剣』の全てをご紹介します!

ジャンプ黄金期に現れた新感覚時代劇


(画像引用 : Amazon)

1990年代、週刊少年ジャンプは掲載作品の大半が大ヒット作という豪華過ぎる漫画雑誌で、当時の子供達にとってはバイブルに等しい存在でした。
そんなジャンプ黄金期真っ直中の1994年、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』は連載をスタートさせます。

やがてジャンプの看板作品となり、シリーズ累計発行部数7200万部の特大ヒットを記録する本作ですが……実は即座に連載が決まった訳ではありません。
連載開始前に二度の読み切り掲載を経ています。

最初に『るろ剣』の世界観が描かれたのは、1992年発売「週刊少年ジャンプ増刊号 1992 Spring Special」に掲載された『戦国の三日月』という読み切り作品です。
作者・和月伸宏先生のデビュー作でもあるこの作品は、戦国の世を駆け抜ける飛天三剣流の使い手・比古清十郎が一心太という少年と出会い、彼の発奮を促され相思相愛の女性、奈津姫を奪還するお話。
本作で描かれた比古清十郎は『るろ剣』の同名の人物とは別人ですが、本作がるろ剣ワールドの始まりなのは間違いありません。

その同年、今度は「週刊少年ジャンプ増刊号 1992 Winter Special」に読み切り『るろうに -明治剣客浪漫譚-』を掲載。
こちらは現在パイロット版という位置付けになっていて、『るろ剣』本編とは設定が異なります。

この読み切りが好評を博し、翌年には『るろうに』の2作目が週刊少年ジャンプ本誌に掲載されます。
原作の前日譚のような位置付けで、ジャンプ読者にも好評だったため1994年19号からの連載開始が決定しました。

・週刊少年ジャンプ1994年19号 掲載作品

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 和月伸宏
ドラゴンボール 鳥山明
SLAM DUNK 井上雄彦
幽☆遊☆白書 冨樫義博
キャプテン翼 ワールドユース編 高橋陽一
とっても!ラッキーマン ガモウひろし
NINKU -忍空- 桐山光侍
こちら葛飾区亀有公園前派出所 秋本治
BØY -ボーイ- 梅澤春人
DRAGON QUEST -ダイの大冒険- 稲田浩司・三条陸
ジョジョの奇妙な冒険 荒木飛呂彦
地獄戦士魔王 刈部誠
新ジャングルの王者ターちゃん♡ 徳弘正也
ろくでなしBLUES 森田まさのり
ボンボン坂高校演劇部 高橋ゆたか
影武者徳川家康 原哲夫・隆慶一郎・會川昇
D・N・A² ~何処かで失くしたあいつのアイツ~ 桂正和
翠山ポリスギャング 甲斐谷忍
地獄先生ぬ~べ~ 岡野剛・真倉翔
王様はロバ~はったり帝国の逆襲~ なにわ小吉

 

当時は『ドラゴンボール』『スラムダンク』『幽遊白書』が三本柱と呼ばれ、絶対的な人気を誇っていた時代。
ジャンプ発売翌日の毎週火曜日は教室中がジャンプ作品の話題で持ちきりになっていた為、新連載のるろ剣に対しても当時の子供は熱い期待を寄せていました。

しかし、連載開始から20週以上が経過しても、るろ剣の掲載順は下位が定位置となっていました。
当時の子供にとって時代劇は「古臭いもの」という印象で、逆刃刀でのバトルもピンとこなかったようで、上記の強力な連載陣に割って入るのは容易ではなかったのでしょう。

転機となったのは、四乃森蒼紫の登場です。

それまでは主人公の緋村剣心をはじめとしたメインキャラ達の顔見せ回や、小悪党との戦いといった地味な話が続いた為、剣心の見せ場はあってもストーリー上の山場はなく、やや淡白でした。
そんな中、初めてと言っていい強敵の登場、しかもイケメンキャラという事もあり、読者からの注目度が一気に上昇します。
剣心と蒼紫が直接対決する頃には掲載順も大きく上昇し、多少の上下動はあったものの5番以内に入る機会が増え、「古臭くなくスタイリッシュな新感覚時代劇」として周知されると共に、ジャンプの新たな人気作品になっていきました。

三本柱終了後の看板作品に


(画像引用 : Amazon)

るろ剣が頭角を現す少し前の1994年夏、三本柱の一角だった幽白が連載を終了します。
更に翌年にはドラゴンボール、その翌年にはスラムダンクが連載を終え、最高で653万部を記録したジャンプの発行部数は減少に転じていきました。
三本柱を失っでもなお多くのヒット作を抱えていたジャンプですが、やはり看板作品が相次いで終わった喪失感は計り知れないものがあったようで、一時は『金田一少年の事件簿』『GTO』を擁した週刊少年マガジンに部数で抜かれるなど、少年誌No.1の称号を失いつつありました。

そんな冬の時代とも言える1990年代中盤から後半にかけて新たな看板作品としてジャンプを支えたのが、この時期のるろ剣です。

1995年のるろ剣は石動雷十太との戦いで幕を開けます。
ただ、この雷十太という敵キャラは蒼紫と比べると小物感が際立っていて華にも欠け、当時の読者からもあまり支持されていませんでした。(余談ですが、雷十太はあまりにも小物過ぎて逆に覚えられていたらしく、ネット普及後は主にネタキャラとして人気者になっています)
それが作品人気にも反映され、この頃の掲載順位はかなり乱高下していました。

しかしその後、再び読者をワクワクさせる新たな敵が登場します。
元・新選組三番隊組長の斎藤一です。
実在する人物をモチーフとしていながら、「悪・即・斬」という信念、「牙突」という必殺技を持つ彼は非常に漫画的かつ魅力的なキャラとして描かれ、牙突のシンプルでつい真似したくなる構えもあって、あっという間に読者のハートを掴みます。

そんな斎藤と剣心との戦いを機に、るろ剣人気は再び上昇。
そして両者の戦いの直後、ついにあの男の存在が示唆される事になります。

志々雄真実の登場です。

るろ剣の本編は「東京編」「京都編」「人誅編」の三編に区分されますが、その真ん中の京都編に該当するのが、この志々雄真実を最大の敵とした大長編エピソード。
序盤から「謎の優男(瀬田宗次郎)による大久保利通の暗殺」「剣心と薫の別れ」「左之助と斎藤の殴り合い」「蒼紫の再登場」と立て続けに読者を興奮させる怒涛の展開が続き、京都編の導入が終わる事には掲載順も上位で固定されるようになりました。

そして本格的に京都編の物語が始まり、志々雄直属の特攻部隊「十本刀」の登場によってジャンプ王道とも言える主人公勢vs最強軍団という子供でもわかりやすい構図となり、ファン層の広がりと共に人気も爆発。
その最も勢いのある時期にアニメの放送もスタートし、るろ剣は一気にジャンプの看板作品へと上り詰めました。

アニメの視聴率はオリジナル展開後に低迷


(画像引用 : Amazon)

1996年にスタートしたアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』はゴールデン枠での放送となりました。
ただ、視聴率においてはやや苦戦を強いられていたようです。

今ではアニメと言えば配信でどれだけ多くの人に視聴されるかが重要ですが、1996年当時はネットによる配信はなく、Blu-rayどころかDVDもない時代でした。
よってアニメの人気を測る指標は配信実績や円盤セールスではなく、テレビの視聴率のみ。
ジャンプの看板作品という事でドラゴンボール、スラムダンク、幽白と同じくらいの数字を期待されていましたが……実際の数字はかなり下回っています。

・90年代ジャンプアニメ平均・最高視聴率

平均20.5%・最高27.5% ドラゴンボールZ
平均17.6%・最高24.7% 幽遊白書
平均17.0%・最高19.1% こち亀
平均15.6%・最高20.3% まじかるタルるートくん(朝放送)
平均15.3%・最高21.4% スラムダンク
平均14.6%・最高19.7% ドラゴンボールGT
平均13.3%・最高20.3% ドクタースランプ(再アニメ化)
平均12.6%・最高22.1% 忍空

平均12.2%・最高16.0% るろうに剣心

平均11.3%・最高14.0% 地獄先生ぬ~べ~
平均10.9%・最高16.2% みどりのマキバオー
平均10.9%・最高13.4% ジャングルの王者ターちゃん
平均*9.9%・最高11.9% ダイ大
平均*9.8%・最高14.0% ラッキーマン
平均*7.9%・最高14.1% キャプテン翼J
平均*6.4%・最高*7.9% 花さか天使テンテンくん
平均*6.1%・最高*9.4% CITY HUNTER ’91(深夜)
平均*5.7%・最高*8.7% 遊☆戯☆王
平均*4.5%・最高*6.3% D・N・A2
平均*4.4%・最高*7.0% キン肉マン キン肉星王位争奪編(朝)
平均*2.1%・最高*3.0% 封神演義(朝)
平均*1.4%・最高*2.6% BØY(深夜)

ほぼ同時期に放送されていた『ドラゴンボールGT』『ドクタースランプ』は過去の看板作品ですが、それさえも大きく下回る結果に。
『忍空』『ぬ~べ~』『みどりのマキバオー』と同じくらいの数字です。
原作人気を考慮すると、この視聴率は失敗と言われても仕方ないでしょう。

では最初から低迷していたかというと、決してそうではありません。
初回視聴率は13.2%と微妙な数字でしたが、その後は徐々に上げ、1997年上半期までは多少の上下動はありつつも15%前後で推移しています。

しかし1997年10月から放送枠を移動し、水曜から火曜になった頃に流れが大きく変わります。
火曜日に移って以降は10%を超える事がほとんどなくなり、一桁を連発するようになってしまいました。

ただし、枠移動が直接的な低迷の原ではありません。
ちょうど枠移動前のラストで京都編が完結し、移動後は人誅編ではなくアニメオリジナルのエピソードで展開しており、それが大きな原因になったと考えられます。
ハッキリ言ってしまえば、アニオリのストーリーが評価されなかったという事です。

ただ、当時のスタッフも好きこのんでアニオリを選んだ訳ではないと思われます。
原作の京都編が完結したのは1997年6月で、アニメがほぼ原作に追い付いている状態でした。
よって、苦肉の策でアニオリ展開を入れたと考えるのが妥当です。

結局、アニオリ後は視聴率が回復する事なく、94話で放送は終了。
事実上の打ち切りと言われています。

このように、るろ剣の連載当時のアニメ化は必ずしも成功とは言えない結果に終わっています。

賛否両論の人誅編&OVA展開


(画像引用 : Amazon)

アニメの方は期待を上回る事が出来なかったるろ剣ですが、原作は順調に看板作品としての人気をキープし続けます。
京都編は総じて人気が高く、十本刀が集結した第九十七幕~京都編エピローグの第百五十一幕の間、掲載順はただの一度も5位を下回る事はありませんでした。

その人気は人誅編に突入しても変わらず、上位をキープし続けます。
ただ、少年誌の王道展開だった京都編とは対照的に、人誅編のエピソードは「剣心の妻で彼が殺めてしまった雪代巴の弟である縁が現れ、復讐のため剣心に挑んでくる」という陰鬱とした内容。
この暗い展開についていけず、ここで読むのをやめた読者も一部いたと思われます。

更に人誅編の中盤、ここまで本作を追いかけて来た読者を震撼させる驚愕の展開が待ち受けており(重大なネタバレにつき内容は省略)、読者によってはここで心が折れたという人も少なからずいたようです。
一方で、看板作品でありながらジャンプらしくない長編エピソードを描いた事を賛美する声もあり、賛否両論のまま人誅編は完結。
週刊少年ジャンプ1999年43号をもって、るろ剣は連載を終えました。

この号はるろ剣の最終回と同時に、この後ジャンプの看板作品の1つとなる『NARUTO』の連載第1回が掲載された号でもあります。
更に、和月先生のもとでアシスタントをしていた事もある尾田栄一郎先生の『ONE PIECE』のテレビアニメが始まる直前
そんな次世代の看板作品たちにバトンタッチし、るろ剣は無事その役目を終えました。

ただ、ここで完全に完結……とはなりませんでした。
人誅編も終盤に差し掛かった1999年2月、OVA「追憶編」の発売を開始。
このエピソードは剣心が妻の巴と出会い、永遠の別れを経て人斬り抜刀斎が「不殺」を誓うまでのストーリーが描かれています。

とはいえ、このストーリーは原作で描かれたものではなく完全なアニオリ。
キャラデザも演出もテレビシリーズとは大きく異なり、シリアスな純時代劇風の作品になっている為、あくまで少年漫画として描かれていた『るろうに剣心』のイメージとはかけ離れた内容になっています。

更に2001~2002年には、この方向性をより極端にした形で原作完結後のif世界を描いた「星霜編」を展開。
原作の回想シーンを膨らませて制作した追憶編とは違い、アニメスタッフの独断に近い形で剣心たちの陰惨な未来が描かれた事に一部のファンは激昂し、物議を醸しました。

実写化で大ヒット! るろ剣旋風再び


(画像引用 : Amazon)

ジャンプ誌上での連載を終え、2002年にOVA展開も一区切りついた事で、るろ剣は現役のコンテンツではなく「過去の大ヒット作」「レジェンド作品」という枠に収まる事になります。
和月先生が2003年より『武装錬金』をスタートさせ、アニメ化も果たした事で、るろ剣は過去のものというイメージがより強くなりました。

それ自体は時代の流れとしてごく当たり前の事。
とはいえ、るろ剣を愛し続けたファンにとっては寂しい事でもあります。
2011~2012年に京都編をリメイクするというコンセプトのOVA「新京都編」を発表しましたが、あくまでアニメ化15周年プロジェクトの一環であり、発展性のある出来事ではないという印象は拭えませんでした。

しかし、るろ剣は意外な形で世間にカムバックを果たします。
実写映画化です。

人気アニメの実写化自体は、遥か昔から頻繁に行われていました。
特に1990年代はマガジンがその手法によって漫画やアニメとは全く違うファン層を獲得する事に成功し、一時はジャンプを追い抜く勢いを見せました。
一方でジャンプはあまり実写化には積極的ではなく、一部の作品が実写化される事はあっても、ヒットに結びつくような話題作にはなりませんでした。

ですが2006年公開の『デスノート』が大ヒットした事で風向きが変わり、ジャンプも実写化に注力するようになります。
2008年に放送されたドラマ『ROOKIES』も高視聴率を記録し、既に完結していた原作のコミックスが飛ぶように売れるなど、かなり大きな波が生まれ始めていました。

その流れもあって、時代劇という事で比較的実写と相性が良いるろ剣に白羽の矢が立ったようです。

とはいえ、発表当時はファンからも然程歓迎はされていませんでした。
漫画・アニメの実写化はコスプレ感が露骨に出るなどの映像的な問題、僅か2時間前後にストーリーを詰め込まなければならないため嫌でも駆け足&カット祭りになるという問題を常に孕んでいるため失敗例も多く、るろ剣もそうなるのでは……という不安の方が強く出てしまっていたのです。

そんな中、大友啓史監督・佐藤健さん主演で2012年に公開された『るろうに剣心』は、「和」を感じさせる映像美や本格的な殺陣など劇場映えする要素をふんだんに盛り込んで好評を博し、30億円を超える興行収入を記録
その好調を受け続編も制作され、2014年には京都編を2部作で実写化し、2作合計で約100億円という爆発的ヒットとなりました。

この実写映画化の大成功によって「るろうに剣心」の名前は若い世代にも浸透します。
その人気を受け、2017年にはジャンプスクエアで本編の正統続編となる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』の連載も開始し、1巻から大ヒット。
これによって、名実共にるろ剣は過去のヒット作ではなく現役の人気コンテンツへと返り咲きました。

旧版&リメイク版のスタッフ、キャスト、主題歌は?

(画像引用 : TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』公式twitter https://twitter.com/ruroken_anime)

旧版から約25年が経過している事もあって、リメイク版るろ剣のスタッフおよびキャスト陣は一新されており、現在最前線で活躍している人達によって制作されています。
ただ、旧版のスタッフやキャストが既に一線を退いているかというと、必ずしもそうではありません。
むしろ近年になって代表作を塗り替える勢いで活躍している方もいます。

そんな錚々たる顔ぶれを、ここでまとめてご紹介します。
まずは1996~1998年に放送された旧版のスタッフおよびキャストから。

監督:古橋一浩
シリーズ構成:なし
脚本:島田満、菅良幸、岸間信明、横手美智子、面出明美、十川誠志、古橋一浩
キャラクターデザイン:浜州英喜 → 室井ふみえ
ゲストキャラクターデザイン:石井邦幸
美術監督デザイン:坂本信人 → 萩原正己
色彩設定デザイン:横井正人 → 松本真司
撮影監督:枝光弘明 → 沖野雅英
音楽:朝倉紀行
編集:瀬山武司
アニメーション制作:スタジオぎゃろっぷ → スタジオディーン

緋村剣心:涼風真世
神谷薫:藤谷美紀
明神弥彦:冨永みーな
相楽左之助:上田祐司
高荷恵:土井美加
四乃森蒼紫:安原義人
斎藤一:鈴置洋孝

OPテーマ:
「そばかす」JUDY AND MARY(1~38話)
「1/2」川本真琴(39~82話)
「君に触れるだけで」CURIO(83~95話)

EDテーマ:
「Tactics」THE YELLOW MONKEY(1~12話)
「涙は知っている」涼風真世(13~27話)
「HEART OF SWORD ~夜明け前~」T.M.Revolution(28~38話、43~49話)
「the Fourth Avenue Café」L’Arc~en~Ciel(39~42話)
「It’s gonna rain!」BONNIE PINK(50~66話)
「1/3の純情な感情」SIAM SHADE(67~82話)
「ダメ!」和泉容(83~95話)

古橋一浩監督はアニメーター出身ですが、その後演出家に転向し、1990年のOVA『らんま1/2 熱闘歌合戦』から監督になりました。
その後、1993年よりテレビアニメも手掛け、るろ剣がテレビシリーズ2作目の監督作品となっています。
OVAシリーズでも全て制作指揮を執り、追憶編や星霜編だけでなく新京都編でも監督として手腕を振るうなど、実に15年もの間アニメのるろ剣を作り続けてきた方です。

その古橋監督、るろ剣以外でもめざましい実績を残しています。

1999~2001年には『HUNTER×HUNTER』、2010年からは『機動戦士ガンダムUC』シリーズを手掛け、2022年からは『SPY×FAMILY』の監督となっています。
特にSPY×FAMILYの1期は自らシリーズ構成も手掛け、本作の世界的なヒットに大きく貢献しました。

90年代、00年代、10年代、そして20年代と四つの年代で人気アニメを支えた古橋監督は、日本を代表するアニメ監督の一人と言えるでしょう。

脚本を担当した方は大勢いますが、いずれも錚々たる顔ぶれです。

島田満さんは『ドラゴンボール』をはじめ80年代~90年代の超有名作品に幾つも参加している有名脚本家で、2010年代も『リトバス』『リトルウィッチアカデミア』などのアニメでシリーズ構成を担当するなど長年活躍していました。
菅良幸さんも『スラムダンク』『聖闘士星矢』のシリーズ構成を手掛けるなど、ジャンプの人気アニメを支えた一人として知られています。

横手美智子さんは現代のアニメファンの間でも有名な脚本家で、近年も『高木さん』『おにまい』など数多くの作品でシリーズ構成を担当しています。
十川誠志さんは『GTO』『テニプリ』『BLEACH』などの脚本家として知られ、追憶編の脚本も担当しました。

アニメーション制作は66話までをスタジオぎゃろっぷ(現ぎゃろっぷ)、67話以降をスタジオディーンが手掛けています。
京都編終了直後に制作も変わり、心機一転となったようです。

剣心の声を担当した涼風真世さんは声優ではなく、元宝塚歌劇団月組トップスターで女優としても大活躍していた方。
本職でないにもかかわらず、新京都編やゲームなど後年まで担当し続けました。
薫役の藤谷美紀さんも声優ではなく女優さんですね。

弥彦役の冨永みーなさんは『アンパンマン』のロールパンナ役で知られていた声優さんで、現在は亡くなった鶴ひろみさんからドキンちゃんを受け継いでいます。
サザエさんのカツオ役も受け継いでおり、国民的アニメの重要なキャラを担っている方ですね。
他のジャンプアニメでは、『ダイ大』1作目のマァムや『ぬ~べ~』の美樹を担当しました。

左之役の上田祐司さんは、現在はうえだゆうじ名義で活躍されている声優さんです。
『ポケモン』のタケシ役があまりに有名ですね。
90年代には他に『機動戦艦ナデシコ』の主人公テンカワ・アキトなどを演じました。

土井美加さんは『超時空要塞マクロス』のヒロイン、早瀬未沙役でおなじみ。
蒼紫役の安原義人さん共々、現在も現役で活躍しています。
鈴置洋孝さんは2006年に病気で亡くなっており、以降は成田剣さんが受け継いでいました。

主題歌はヒット曲の宝庫で、特に最初のOP曲となった「そばかす」はミリオンセラーを達成。
リリースから25年以上経った現在も、カラオケで頻繁に歌われている人気アニソンとなりました。

そのそばかすと同等、或いはそれ以上にるろ剣のテーマソングとして人気なのが川本真琴さんの1/2
どちらの曲もるろ剣の内容とは全く合っていない歌詞ですが、OP映像を上手く曲に合わせた事もあって、当時の視聴者にとって思い出深い曲になったようです。

ED曲で有名なのは「1/3の純情な感情」ですね。
視聴率が低迷する中でもこのED曲は大ヒットを記録し、その印象深いタイトルもあって現在も人気の高いアニソンです。

続いて、2023年夏より放送されるリメイク版のスタッフ・キャスト陣です。

監督:山本秀世
シリーズ構成:倉田英之
キャラクターデザイン:西位輝実、内田陽子
美術監督:齋藤幸洋
色彩設定:篠原愛子
撮影監督:髙津純平
音楽:髙見優
編集:長谷川舞
アニメーション制作:ライデンフィルム

緋村剣心:斉藤壮馬
神谷薫:高橋李依
明神弥彦:小市眞琴
相楽左之助:八代拓
高荷恵:大西沙織
四乃森蒼紫:内田雄馬
斎藤一:日野聡

OPテーマ:
飛天 Ayase×R-指定

EDテーマ:
切っ先 Reol

山本秀世監督は『ストライク・ザ・ブラッド』の監督として有名で、ジャンプアニメは『新テニスの王子様』も手掛けています。

シリーズ構成の倉田英之さんは『俺妹』『神のみ』など様々なラブコメ作品を手掛けていましたが、近年は『メイドインアビス』などコメディ以外の作品がメインです。
シリアス、コメディ両方の要素を持つるろ剣には最適の人材ですね。
西位輝実さんと内田陽子さんは共に『呪術廻戦』の主力アニメーターで、今後のアニメ界を担う存在として期待されています。

アニメーション制作はライデンフィルムが担当。
ウルトラスーパーピクチャーズの子会社として設立され、近年では『東京リベンジャーズ』のようなビッグタイトルも手掛けており、規模もかなり大きくなっています。

二代目の剣心役に抜擢された斉藤壮馬さんは、大手81プロデュース所属の人気声優。
2014年より演じている『ハイキュー!!』山口忠役でブレイクし、以降も鶴丸国永(とうらぶ)、九条天(アイナナ)、葵ひなた&ゆうた(あんスタ)、夢野幻太郎(ヒプマイ)、千切豹馬(ブルーロック)など女性が好むアニメを中心に活躍しています。
結婚発表の際にも大きな話題になりました。

薫役は、こちらも人気声優としておなじみの高橋李依さん
『このすば』めぐみん、『リゼロ』エミリア、高木さんなど数多くの人気キャラを演じ、2023年には【推しの子】の星野アイ役で高い評価を得ています。

弥彦役の小市眞琴さんは『デレマス』の結城晴で有名な声優さん。
ボーイッシュな声が得意で、『世界最高の暗殺者』主人公ルーグの子供時代など、少年役を数多く演じています。
左之役の八代拓さんは柏木翼(Mマス)など女性向けアニメで人気を博し、近年は様々な作品で主演やメインキャラを担当している人気声優です。

恵を演じるのは大西沙織さん。
『冴えカノ』の英梨々、『ダンまち』のアイズなど様々な作品でヒロインを演じ、近年はそれに加え『ウマ娘』のメジロマックイーンという代表作となる役を得ています。

蒼紫役の内田雄馬さん、斎藤役の日野聡さんも説明が不要なほどの有名声優ですね。
内田さんは伏黒恵(呪術廻戦)、日野さんは煉獄杏寿郎(鬼滅の刃)と、ジャンプアニメの大人気キャラでもお馴染みです。

最初のOP曲は、YOASOBIのAyaseさんと人気ラッパーのR-指定さんがタッグを組んだ「飛天」に決定。
ED曲はReolさんの「切っ先」です。

何クールの放送になる? 北海道編のアニメ化は?


(画像引用 : Amazon)

リメイク版るろ剣は、2023年7月7日よりノイタミナ枠での放送が決まっています。
連続2クールの放送が告知されているため、取り敢えず夏~秋の放送は確定。
その後はノイタミナ枠で『うる星やつら』の2期が放送される予定になっているので、一旦2クールで終了という形になるようです。

かつての人気作品のリメイクは、原則としてラストまでアニメ化する事が前提です。
全28巻のるろ剣が2クールで完結できるはずもなく、2024年以降にも放送されるのは確定的と言って良いでしょう。

では、合計で何クールの放送になるのでしょうか?

旧版は2クール(24話)の時点で6巻まで映像化されました。
東京編の終盤、斎藤が出てくる手前までですね。
恐らくリメイク版ではこれより少しペースを上げ、最初の2クールで東京編までの映像化になると思われます。

そうなると、残りは京都編と人誅編。
普通に考えれば、京都編で2クール、人誅編で2クールの計6クールという事になるでしょう。

ただ京都編は8~18巻、人誅編は18~28巻と、どちらも約10巻分のボリューム。
東京編(1~7巻)と同じ尺となると、やや駆け足になると予想されます。

とはいえ、全37巻のダイ大が100話(約8クール分)で原作エピソードを殆どカットせず丁寧に作られていた事を考えれば、全28巻を6クールで作れば十分良いアニメになる筈です。
多くのアニメファンに失敗と言われている『封神演義』のリメイク版は全23巻を2クールで作っており、こういった暴挙に出ない限りは問題ないでしょう。

問題なのは、いつ完結するかです。

ライデンフィルムの従業員数は200余名と、アニメ制作会社の中ではかなり多い方です。
ただ、前述したダイ大をはじめ多くのジャンプ作品を手掛けている東映アニメーションや、毎週コナンやアンパンマンを作り続けているトムス・エンタテインメント、ドラえもんやクレしんなどで知られるシンエイ動画のような最大手という訳ではありません。
既に東リベなどのシリーズ作も抱えている中、短期間で6クールの制作を行うのは不可能と思われます。

よって、ラストの人誅編が放送されるのは早くても2025年、遅ければもっと後になると予想されます。
それでも京都編で打ち切り……という事にはならない筈なので、そこは心配無用です。

もう一つ気になる事と言えば、正統続編である北海道編のアニメ化です。
前述したように、リメイク版が恐らく6クールで放送される事になると思うので、そこから更に……となると、ちょっと難しいかもしれません。
北海道編も単体でアニメ化できるくらいには売れていますが、知名度ではどうしても90年代時の連載分が強く、それ以降が後回しになるのは仕方ないところです。

もちろん、リメイク版が大ヒットすれば自然と北海道編のアニメ化も企画されると思いますが、現時点では確定していないと思われます。

まとめ

スラムダンクの大ヒットもあって、同じジャンプ看板作品のるろ剣も俄然注目度が増してきましたね!
実写映画も大ヒットしていて、90年代にはまだ生まれてもいなかった世代にも知られている作品だけに、この再アニメ化でまた大きなブームになりそうです!

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