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Nov

【呪術廻戦】虎杖悠仁の徹底検証!主人公失格の真相

(画像引用 : Amazon)

アニメ、原作ともに盛り上がっている『呪術廻戦』の主人公、虎杖悠仁を大特集!
ストーリーが進むにつれて彼が「主人公失格」の烙印を押されている理由と、その正当性について徹底的に検証します!

虎杖悠仁(いたどり ゆうじ)キャラクター概要


(画像引用 : Amazon)

『呪術廻戦』に登場する男性キャラクターで、本作の主人公。
仙台の杉沢第三高校一年に通っていたオカルト研究会所属の高校生でしたが、特級呪物「宿儺の指」を飲み込み宿儺の器となった事で状況が一変。
呪術規定によって死刑を宣告されるも、現代最強の呪術師・五条悟の提言によって「宿儺の指20本全て取り込むまで生かしておく」という処置となり、宿儺の指を探すため呪術高専東京校に転入しました。

髪型はツーブロックで、赤みがかった薄茶色ですが染めているのではなく地毛との事。
身長は高校生の平均より少し上。
筋骨隆々ではないものの、体脂肪率は1ケタで研ぎ澄まされた肉体の持ち主です。

私服は動きやすくラフな格好を好み、特にパーカーが多いものの好きという訳ではなく取捨選択の結果。
パーカー付き制服も本人の意向ではなく五条が勝手に要請した結果ですが、当人は気に入っているようです。

基本的には前向きで明るく、非常に人懐っこく人見知りは一切しないタイプ。
陽キャ陰キャ問わず誰とでも円滑にコミュニケーションを取る事ができ、初対面の相手にもフレンドリーに接する一方、相手の態度に応じて距離感を変える器用さと優しさも持ち合わせています。
真面目で責任感の強い性格ですが優等生という訳ではなく、18歳未満でありながら特に罪悪感もなくパチンコに興じる事も(祖父の影響)。

呪術師になる前から人間離れした運動能力を有し、徒競走や投擲などあらゆる分野で世界記録を凌駕するほど。
その身体能力の高さとは裏腹に呪力操作は素人の為、瞬発力に呪力が追い付かず打撃の際には遅れて呪力が流れ込む事になり、それを「逕庭拳」として自身の技としました。
耐久力、生命力、格闘能力も極めて高く、肉弾戦では味方陣営でも屈指の実力を持っています。

反面、呪術に関する才能はなく呪力操作に関しての経験不足も著しいため、術式も武具に呪力を纏わせる技術もなし。
ただしメンタルは強靱で、上の立場にいる人間や異形の相手に対しても一切怯まず堂々としています。

担当声優は榎木淳弥(えのき じゅんや)さん。

アトミックモンキーに所属している声優。
2010年より本格デビュー、初のメインキャラとなった『カードファイト!! ヴァンガードG』綺場シオン役で注目され、『アイドルマスター SideM』舞田類、『刀剣乱舞-ONLINE-』堀川国広といったキャラを演じた事で人気声優の仲間入りを果たしました。
代表作は虎杖悠仁、フーゴ(ジョジョの奇妙な冒険)、堀川国広、舞田類、乾青宗(東京リベンジャーズ)、麻中蓬(SSSS.DYNAZENON)など。

カタルシスを与えられない主人公


(画像引用 : Amazon)

まず初めに声を大にして伝えたいのは、虎杖悠仁というキャラクターは決して不人気ではないという事実です。
2023年10月時点において、『呪術廻戦』は公式人気投票を三度実施していますが、一回目では見事1位に輝き、2回目やや落としたものの3位、3回目では1ランクアップして2位になっています。
特に本作の象徴的キャラでもある五条悟に2勝している事実は、虎杖が如何にファンから愛されているかの証と言えるでしょう。

そんな虎杖に対し、主人公としての資質に懐疑的な声があがるようになったのは2022年頃。
それ以前にも多少はそういった声も見受けられましたが、特に目立つようになったのはこれくらいの時期からです。
死滅回游編に入って以降ですね。

この時期になってこういった声が多くなった最大の理由は、カタルシスの欠如だと思われます。

見せ場自体が少ないという点も勿論ありますが、少なくとも渋谷事変の前までは常に主人公らしく描写されていました。
心身共に順調な成長を見せ、自己犠牲をも厭わず他者の為に奮闘し、挫折しながらも前へ突き進んで行く姿は、主人公に相応しいカッコ良さに満ちていました。

渋谷事変においても因縁の相手である真人と戦い、一度は追い詰められるも再起。
敵味方ともに黒閃を連発する大激闘の末、彼を追い詰めました。

普通の作品なら、ここで虎杖が真人を倒してエピソードは完結です。
散々悪役らしいムーブを続けていた真人を虎杖が倒す事で、それまでの鬱憤を晴らし大きなカタルシスを読者に与える。
これこそが主人公の本来の役割と言えます。

しかし虎杖は真人にトドメを刺す事が出来ず、彼は「偽夏油」こと羂索によって呆気なく吸収されてしまいました
虎杖は主人公の役割を果たせず、大きな見せ場を奪われたまま渋谷事変は完結へと向かいます。

このような展開は、これが初めてではありません。
虎杖は基本的に敵を倒す機会が少なく、スカッとした勝利自体が極めて稀。
章ボスを倒したのは呪胎九相図の壊相・血塗くらいですが、これも野薔薇との共闘かつ後味の悪い勝利だった為、カタルシスの伴う勝利は皆無と言っても過言ではありません。

見せ場が少ない主人公は少なからず存在します。
例えば『HUNTER×HUNTER』のゴンは作中であまり強い方ではない為、全体を通して見ると決して目立った戦いは多くありません。
しかしその少ない見せ場で強烈なインパクトを残していたり、周囲からその素質を大いに認められていたりと、主人公らしい印象は至る所で残しています。

それに対し虎杖はインパクト自体が殆どなく、人柄の良さやコミュ力の高さ、宿儺の器としての激レア感は描写されていますが戦闘面における才能や突出したスキルのようなものは全くと言って良いほど言及されていません。
その為、どれだけ虎杖視点で物語が描かれようと、「こいつが物語の中心にいる」という印象を持つ機会はなく、その結果「主人公失格」という評価が下されてしまっています。

また、2021年に作者の芥見下々先生が「渋谷事変終了時点で全体の6~7割、あと2年くらいで完結するつもり」と発言した事も影響していると思われます。
そこまで物語が進んだにもかかわらず、読者にカタルシスを与えるどころか見せ場すら殆どない状況となれば、「主人公なのに……」と呆れられてしまうのは仕方のない事。
更に芥見先生が虎杖というキャラを「苦手」と表現した事も、「作者に敬遠されているキャラ」という印象に繋がり、ますます主人公らしさから遠ざかってしまったのかもしれません。

物語終盤でも「主人公らしい戦闘」を見せられていない?


(画像引用 : Amazon)

物語が佳境を迎えている状況に関連して、虎杖の戦力としての立ち位置も主人公失格の理由として挙げざるを得なくなりました。

バトル作品の主人公は必ずしも味方陣営の最強格である必要はありませんが、その場合は成長した事をファンに印象付ける必要があります。
『鬼滅の刃』の竈門炭治郎『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のベル・クラネルはその典型です。
『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリックのように、純粋な強さよりも「創意工夫で勝つ力」「生き残る力」を印象付ける事によって主人公らしさを構築しているケースもあります。

これらの主人公と比較すると、虎杖の戦闘面における描写はやはり主人公らしくないと言わざるを得ません。
前述したカタルシスの無さや見せ場の少なさは勿論の事、単純に勝率でも決して高いとは言えず、しかも勝った相手の多くはボス級ではありません。
成長自体はしていますが、元々身体能力の高いキャラがその方向で伸びているだけなので、戦闘スタイル自体に変化が無い分、読者・視聴者目線で成長を感じ辛くなっています。

実際問題、虎杖の立ち位置と印象は序盤と終盤でどれくらい変わっているのでしょうか?

物語冒頭はただ能力が高いだけの一般人でしたが、この時点で既に人類最強クラスの身体能力を備えています。
勿論、呪術師の中に加われば最下層ですが、それでも「物語序盤」「一般人としては規格外」「まだ成長前」というハードルの低さもあって、期待のルーキーくらいの立ち位置と言えるでしょう。
ファンの印象も同じようなものだったと思われます。

その後物語は進み、呪力のコントロールの為に映画鑑賞を行うなどの修行がスタート。
しかしそれが戦闘能力の向上と成長にどれだけ繋がったかは、わかりやすくは描写されていません。
少なくとも「修行の成果が出た!」と明言されるようなシーンは皆無です。

一方、七海建人および東堂葵との出会いは確実に虎杖を成長させました。
ナナミンには呪術師としての心構えや有り様、東堂からは戦闘指南と狂おしいまでの愛情を叩き込まれ、黒閃の発生も経験し、ファンの目線からも彼のランクが大きく上がった事を確認できました。
この時点では、間違いなく主人公に相応しい立ち位置にいたと言えます。

しかし折角成長したにもかかわらず、それを発揮するようなシーンが中々出て来ません。
壊相・血塗との戦いは文句なしの勝利ですし、彼らは特級呪霊相当の力を持っていましたが、ファン目線ではポッと出の格下という印象が拭えず、二対二だった事もあって虎杖の成長を感じられる戦いとまでは言えませんでした。

その後の渋谷事変では幾つかの戦いに勝利したものの、脹相には敗北。
この脹相との戦いによって、虎杖の立ち位置が大きく後退したように思われます。

脹相は壊相・血塗の兄であり、実力的にも格上。
特級呪霊の中でも頭一つ抜けた漏瑚、花御と共闘していた事もあり、強敵という認識はファンの間にもありました。
それでも、まだ真人という更なる強敵であり宿敵が待ち構えている中、ここで敗北するというのは肩透かしとも言える結果です。

しかもメカ丸の助太刀によって自身の土俵に引っ張り込んだ上での完敗。
更に言えば、戦闘中に致命傷を負った事でこの戦いを最後と覚悟し五条解放を仲間に託し、悲壮な覚悟で戦った末に敗れる……という主人公とは到底思えないような負け方をしてしまいました。

この脹相戦、そしてトドメを刺せなかった真人戦が続いた事で、「これが主人公の戦闘か?」と思わせてしまったのは間違いないでしょう。
その結果、かなり多くの読者に主人公失格という印象を持たれてしまったのだと推察されます。

このように、虎杖の立ち位置と印象は交流会編までは上げていたものの、そこがピークで以降は横ばい、渋谷事変後半からは明らかに下がっています。

更に渋谷事変以降は虎杖よりも遥か上の実力を持つ乙骨憂太、九十九由基、秤金次が参戦、脹相も味方に加わり禪院真希が覚醒、逆に実力的に下の野薔薇が離脱した事で、味方陣営内の相対的な実力順ではかなり下がった印象さえ受けます。
『幽遊白書』も終盤の魔界統一トーナメント編で主人公の浦飯幽助より遥かに強いキャラが多数登場しましたが、あれはあくまで競う相手であり、仲間内での相対的な立ち位置は変わっていません。
終盤でここまで実力的に下の方となると、猛者しか残っていない終盤で主人公らしいバトルが出来るとは到底思えず、虎杖に対するファンの期待値は底まで落ちてしまう事になりました。

どうすれば主人公らしくなれる?


(画像引用 : Amazon)

では、ここから虎杖が主人公としての輝きを放つ為には、どのような事が必要となるでしょうか?

最も簡単なのは、宿儺や羂索といったラスボス級の撃破
しかしこれだけ力の差が開いている状況で取って付けたようにパワーアップして倒しても納得できるファンは少ないでしょうし、主人公補正を極度に嫌う『呪術廻戦』の作風からしてもまずあり得ません。
ここは「主人公らしい主人公」から一旦離れて、「呪術廻戦の主人公」という観点から彼の主人公像を模索していきます。

一般論として、主人公に望まれる要素は主に「①問題の解決」「②物語の決着」「③テーマの昇華と回答」です。

①は作中で起こった事件を解決に導く事で、バトルもので言えば主にボス級の撃破を指します。
②はストーリーの収拾をつけるという意味で、戦いに勝利するだけでなく「ヒロインを救う」「歪んだシステムの破壊と再生」など作品によって様々な着地があります。
③はその作品が主題としていた事を具体化し、それに対して答えを出す事を意味します。

これを『呪術廻戦』に照らし合わせると、①は宿儺や羂索の撃破なので無理
②は世界の救済と呪術師の再生ですが、これも宿儺らを倒さなければ成し得ない事なので同じ意味となります。
そうなると、唯一虎杖が果たせそうなのは③という事になります。

本作におけるテーマは「呪い」です。
呪いは人間から流れ出た負の感情で、その呪いが具現化し意志を持ったのが呪霊であり、その呪霊に対抗する為の呪術の源である「呪力」もまた負の感情。
つまり本作は人間の負の部分同士の戦いが描かれています。

人の手を離れて進化した呪いと、人間が体内に宿している呪い。
そのどちらの力がより強いのか……それが本作の主題であると定義するならば、その回答を導き出す事が主人公としての役割となります。

虎杖の最大の特徴は「宿儺を取り込んでも暴走せず制御できる器」であり、宿儺を消滅させられる手段となり得る事。
宿儺は死後もその肉体が特級呪物となるほどの呪いの塊で、例え現世で倒しても何処かにその肉体の切れ端が残っていれば、それが再び呪物化していく事はあり得ます。

天使の登場によって「宿儺を完璧に消滅させられる唯一の存在」ではなくなりましたが、現在の戦いの後に宿儺の肉片が残っていたと判明した場合、彼の存在は極めて重要となります。
「呪術師にとって宿儺への数少ない対抗策」であるのと同時に、「宿儺を再び受肉させる手段」でもあるからです。
漏瑚のように宿儺が存在している方が都合の良い者にとって、虎杖は常に切り札となり得る存在なのです。

羂索は虎杖の器としての役割は終わったと言っていましたが、それでも「新時代の台風の目」と位置付け、呪いの連鎖をもたらす存在と見なしています。
それはつまり、虎杖が生きている限り宿儺を巡る争いは終わらないという意味でしょう。
宿儺を消したい勢力、宿儺にいて欲しい勢力、どちらにもトリガーとなり得る存在なのです。

呪いが人間の負の感情である以上、これは未来永劫決してなくなりはしません。
故に、呪いの在り方をどうしていくのかが本作のテーマであり、虎杖は自分の存在をもってそこに答えを出す事が③を満たす条件と言えるでしょう。

宿儺と共に消える事で呪いの連鎖を断ち切るのか、自分自身を呪いの制御装置として世界に活用させるのか。
その答えを戦況が生み出した結果ではなく、虎杖自身が決断して形にする事で、彼は真の意味で『呪術廻戦』の主人公になる事が出来るでしょう。

虎杖の名言・迷言集(~渋谷事変)


(画像引用 : Amazon)

主人公失格と言われつつも、主人公らしい言動は非常に多い虎杖。
そんな彼の名言・迷言をまとめました!
なお、アニメ2期で放送される「渋谷事変」までの範囲からの選出です。

感謝はしてる!! でも勘弁してくれ!! あの時俺は正気じゃなかった!!

交流会終了後、脈絡なく現れた東堂から逃亡する際に発した台詞。
「Thank you so much 東堂(ベストフレンド)!!」とまで言ってしまった以上、それは通りませんね。

命の価値が曖昧になって大切な人の価値まで分からなくなるのが俺は怖い

例え悪人であっても、一度殺してしまうと「殺す」という選択肢が自分の生活に入り込み、命を「奪えるもの」と認識してしまう。
そうなる事で失うものが大きいと危惧する虎杖は、学はないかもしれませんが決してバカではないでしょう。

このままじゃ俺は ただの人殺しだ

自分の中の宿儺が行った大量殺人を、自分の行為として苦しむ虎杖。
肉体と魂のどちらが優位かというテーマにも踏み込んだ葛藤と言えます。

俺 ナナミンの分までちゃんと苦しむよ

今際の際に「後は頼みます」と託してきた七海に対し、苦悩と葛藤の末に出した結論。
呪術師として何を背負っているのか、背負うべきなのかを知った虎杖は、また一つ成長した筈です。

 

まとめ

既存の主人公の定義にさえ拘らなければ虎杖は凄く良いキャラで、人気投票上位なのも納得ですが、やっぱりスカッと敵を倒すシーンが圧倒的に少ない点はネックですよね。
近年は主人公が最強になる作品ばかりではないので、彼が宿儺・五条と同等の強さになる必要はないと思いますけど、やっぱり一目置かれるような存在にはなって欲しいです。頑張れ!

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