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Jun
【るろうに剣心】剣心と雪代巴の関係について解説とThe Beginningの見どころを原作に基づいてまとめみた!
剣心の知られざる過去が明らかに
「The Beginning」での剣心は、前作までの飄々としたながらもどこかほっとする優しさや雰囲気は、一切ありません。
原作ですと長州藩の傾奇者、高杉晋作(安藤政信)が倒幕目的で新設した奇兵隊へと参加した剣心は、桂小五郎(高橋一生)によって剣の実力を見いだされ、血風渦巻く動乱の京都へと身を投じていきます。
そして時は元治元年(1864年)。「緋村抜刀斎」と志士名を変えた剣心は、飛天御剣流の卓越した剣術で、徳川幕府側の要人を暗殺し続けていくのです。信じた正義のためとは言え、暗殺稼業を繰り返す日々は笑顔さえも奪い、次第にその面持ちも変えていくほどです。
理想の平和な世界と現実の自分との狭間に揺られ、日々葛藤を募らせる剣心。だけど心の中に秘めた想いだけは変わりません。「誰もが安心して暮らせる新時代を作りたい」。この信念だけが、剣心を突き動かしている唯一の原動力になっているからです。
雪代巴との邂逅
日々繰り返される「緋村抜刀斎」の裏稼業は次第に幕府側にも知れ渡ると同時に、危険視されることになります。そしてとうとう闇に紛れて暗躍していた「緋村抜刀斎」の存在が露見するときが訪れてしまいます。
待ち伏せされた剣心は、幕府側の影の刺客と死闘を繰り広げます。剣心と同様に歴史の表に出ることはない手練の刺客との闘いの末剣心は辛勝しますが、その現場に雪代巴が居合わせてしまうのです。原作だと、アクロバティックな戦いを繰り広げるそのシーンが、どう表現されるのかも非常に楽しみなところです。
雪代巴との生活が、剣心を変えていく
惨劇と血の雨を目撃して気を失った雪代巴を、一時的に長州藩士が常駐する旅籠に連れ帰る剣心ですが、そこから奇妙な共同生活がスタートします。帰る場所がないからと旅籠で働く雪代巴に、剣心は振り回されながらも少しずつ欠落した感情を取り戻していきます。
「緋村抜刀斎」の存在が幕府側にも周知され、内部に内通者がいる可能性も捨てきれない状況下で剣心は、雪代巴の存在に警戒しつつ、それでも「天誅」という名の暗殺を繰り返していきます。
「このままずっと、人を殺め続けるつもりですか?」原作でも映画でも、とても印象的な雪代巴のこのセリフ。雪代巴の言動に剣心は少しずつ狂い始めた心が、元に戻りつつあることを自覚していくのです。
「今のあなたには狂気を押さえる鞘が必要ですから」そう言う雪代巴の言葉に、剣心は次第に雪代巴に心が惹かれていくことに気づき始めます。
「どんなことがあろうと、君だけは絶対に斬ったりしない」原作では、絞り出す様に自分の気持ちを吐露した剣心のこの言葉が、とても印象的でした。「The Beginning」でどのように表現されるのか、見どころのひとつだと思います。
剣心と雪代巴は互いに惹かれながら少しずつその気持ちを確かめていきますが、それでも幕末という時代は無情にも、さらに逆らえない大きな渦の流れの中へと、多くの人を巻き込んでいきます。
元治元年6月に起こった有名な池田屋事件。新撰組の奇襲で多くの過激派維新志士たちの命を奪ったこの事件を境に、剣心たちの情勢にも大きな変化が訪れます。狂気に身を任せた長州藩とそれを迎え撃つ幕府軍がついに衝突して、元治元年7月に禁門の変が勃発してしまいます。
剣心たちを始め多くの維新志士もその闘いに身を投じますが、7倍近い幕府軍の前に力及ばず長州軍は敗れ、京都の町もその戦火で、多くの家々が焼かれてしまいます。
激動の時代の波に揺蕩い、幸せの意味を見つけ出す
15歳になり元服した剣心は、逃げ落ちる桂小五郎(高橋一生)の勧めに従い、京都の外れにある農村に身を隠し、雪代巴と共に暮らし始めます。
幼い頃に親を亡くし、師匠である比古清十郎(福山雅治)との飛天御剣流の厳しい修行に明け暮れていた剣心は、雪代巴との何気ない日常の営みに、朧げにしか見えていなかった「安心して暮らせる新時代」とは何か、守るべき幸せの本当に意味を知ることになります。
だけど激動の時代は、幸せな暮らしに長い時間を与えてくれませんでした。長州藩の内通者の発覚。そして着々と進んでいく「緋村抜刀斎」の抹殺計画。原作だと「闇乃武」という幕末の隠密方が登場し、剣心の抹殺を企てますが「The Beginning」ではどのような展開になるのでしょうか。
巴の告白と決意
巴の弟である縁が剣心らの暮らす家を訪ねることから、物語はさらに大きな動きを見せ始めます。
原作ではここで巴の秘密も明らかになります。巴は剣心に殺害された亡き許嫁の復讐から、剣心の殺害計画に身を委ねていたのです。だけど剣心との隠遁生活で育んだ何気ない日々の思い出は、巴の暗く荒んだ気持ちも確実に変えていました。
巴はその秘密を言い出せないまま、だけど自分の身の上を吐露すると、剣心は優しく受け入れます。
「この目に映る人々の幸せを一つ一つ守ること」飛天御剣流がいかに無敵な剣術でも、時代を切り裂き変えることなんてできないと悟った剣心は、今後の自分のルーツでもある、ひとつの答えにたどり着きます。そして、巴に自分の気持ちを伝えるのです。
「君が動乱の中で一度は失ってしまった幸せを、今度こそ俺が守り抜いてみせる」滅多に見せない巴の笑顔と共に交わしたその約束は悲しいことに、守られることはありませんでした。何故なら、巴は翌日ただ一人で、剣心を狙う刺客の本拠地へと向かうからです。
そして再び動乱の渦へ
剣心を密かに狙う刺客の本拠地についた巴ですが、自分が囮として利用されていたことに気がつきます。必死に抵抗を試みるも、巴は囚われの身となってしまいます。一方剣心は、刺客の誘いに我を忘れ、巴の救出に向かいます。
さまざまな刺客の襲撃とその罠は剣心の体力と五感を少しずつ奪っていきます。死闘の末辿り着いた剣心を待ち受ける刺客との、最後の戦い。それを目にした巴の取った行動とは。そして左頬に刻まれた十字傷の悲しい秘密がとうとう明らかに……。
原作を知っている人でも、決して叶わなかった二人の約束の末路に、思わず息を飲むことでしょう。
「るろ剣」の実写版シリーズは非常に評価が高く、漫画やアニメの世界観を壊さずに、バトルシーンなど限りなく忠実に再現されています。「もし飛天御剣流が実在したならこうなったかも」と、るろ剣ファンも納得の作品です。
「The Beginning」ではどんなアクションで表現され、どのようにアレンジが施され結末へと向かうのか……。公開順には「The Final」が先ですが、その起因となる「The Beginning」。
もしまだ「The Final」を上映している映画館があれば、「The Beginning」→「The Final」の時系列順で鑑賞しても楽しめると思います。
【るろうに剣心】雪代縁について解説とThe Finalの見どころを原作に基づいてまとめみた!