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May
シャアの恋愛観、そして最後まで忘れられなかったララァの存在 〜『逆襲のシャア』を中心に〜
なぜシャアはララァを忘れられなかったのか
では、なぜシャアはそこまでララァを特別視しているのでしょうか。
『ジ・オリジン』によると、シャアとララァは運命的な出会いを果たしています。
とある集団に囚われていたララァをシャアは連れ去り、シャアは自分の命を顧みず、ララァを守り抜きました。
また、ララァは生まれ持ってして身につけていたニュータイプの直感力によって、殺されそうになったシャアを助けたというのも大切なエピソードです。
その後、ララァはシャアを慕うようになり、恋仲に発展。ララァはジオン軍に入軍し、シャアのサポートとして活躍していました。
おそらくシャアにとって初めての恋人であり、自分のことを真っ先に考えてくれる女性を心の支えとしていたのは明らかでしょう。
しかし、その一方でアムロとも通じ合っていたという事実があります。
アムロもニュータイプの素質があり、ララァとは直感レベルで通じ合っていました。
まだその才能を開花できていなかったシャアにとっては嫉妬の対象ですし、地球連邦軍のパイロットということもあり、シャアはアムロを敵対視していました。
そんな中、エルメスに搭乗したララァは、アムロに倒されそうになったシャアをかばい、惜しくも戦死。このことはシャアはもちろん、アムロにとってもショックの大きい出来事でした。
以来、打倒アムロに燃えるシャアは一年戦争を通し、時には反地球連邦軍のエゥーゴに合流し、アムロと共闘したこともありますが、その思いは変わらず、『逆襲のシャア』で最終対決となりました。
シャアにとって最大の頼りとして思いを寄せていたララァを失ったことは、かなり辛い経験でしょうし、ララァを殺したのがアムロというところにも憎しみが募り、比例してララァへの思いが強くなったのではないでしょうか。
シャア「今の私にはガンダムは倒せん。ララァ、私を導いてくれ……」
(引用元:『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』)