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往年の人気エロゲー30選! 1992~2002年を代表する美少女ゲームまとめ
(画像引用 : Amazon)
美少女ゲームの黎明期~黄金期の始まりとされる1992~2002年に発売されたエロゲーの中から、特に名作と名高い30作品をピックアップ!
アニメ化され大ヒットした超有名作から、知る人ぞ知る高評価作品まで、当時大人気だったエロゲーを振り返ります!
同級生
(画像引用 : Amazon)
まだWindows95も発売されていない1992年、パソコン用ゲームは最大容量1.44MBしか入らないフロッピーディスク(FD)にデータを詰め込んで発売していました。
そんな時代にFD9枚組という異例のボリュームで発売されたのが、この『同級生』です。
本作は、街の中を移動して女の子と遭遇し会話しながら仲を深めていくマップ探索型のアドベンチャーゲーム。
ゲーム性の高い作品は余りなく、あくまでエロい絵を見る事が最大の目的だったエロゲー業界にあって、このシステムは極めて画期的でした。
テキスト量は現代の水準と比べると少ないですが、当時としては各ヒロインのエピソードもかなりしっかり用意され、シナリオを担当した蛭田昌人さんが書くテキストは主人公をユーモアに溢れつつ格好良く、ヒロインを可愛く個性的に描き、当時の水準としては突き抜けたレベルのエンタメ性を見せていました。
キャラクターデザインは『卒業 ~Graduation~』という人気ゲームを手掛けていた竹井正樹さんで、そのヒロインの美麗さもあって本作はあらゆる意味で規格外の美少女ゲームとなり爆発的ヒットを記録。
この業界に一大革命を起こしました。
1年半後に発売された『ときめきメモリアル』も本作の影響を色濃く受けており、「エロゲー」「美少女ゲーム」は勿論「恋愛ゲーム」の始祖とも言えるレジェンド作品です。
1995年には続編『同級生2』が発売され、こちらも大ヒット。
特にメインヒロインが妹キャラ(実際の妹ではない)だった事が大きなトピックとなり、ヒロイン人気は前作を更に凌ぐものとなりました。
野々村病院の人々
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『同級生』の爆発的ヒットによって徐々にエロゲー業界へ有力なクリエイターが集まるようになってきた1994年。
その『同級生』を手掛けたelfの新作として発売された本作は、推理アドベンチャーとエロゲを融合させたゲームです。
これまでのエロゲよりもストーリーや謎解きに力を入れ、サスペンスとエロの相性の良さもあり人気を博しました。
特に1996年リリースのセガサターン版が人気で、当時はエロゲからコンシューマへの移植は成功例が余りありませんでしたが、本作の大ヒットによって流れが一変。
サターンへ次々と人気美少女ゲームが移植されるようになりました。
DESIRE
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1994年に『DESIRE 背徳の螺旋』のタイトルで発売された本作は、蛭田昌人さんと並ぶエロゲー黎明期のカリスマ、菅野ひろゆきさん(当時は剣乃ゆきひろ名義)がシナリオを担当。
無人島に建造された研究施設「デザイア」を舞台に、ジャーナリストのアルバートとその恋人で技術主任マコトの2人の視点からデザイアの謎に迫る物語が展開されます。
当時からそのドラマティックなストーリーとラストは高く評価されていましたが、1997年に田島直さんをキャラクターデザインに迎えリメイクしセガサターンに移植したところスマッシュヒットを記録。
このサターン版によって本作の知名度は大きく上昇しました。
闘神都市Ⅱ
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当時のエロゲー業界は『同級生』のelf、『ランス』のアリスソフト、『きゃんきゃんバニー』のF&C(カクテルソフト・フェアリーテー)の勢いが凄まじく、その中でもelfが一歩抜けた状態でした。
そんな中にあって「東のエルフ、西のアリス」と言われるまでにアリスソフトを大きくした要因の一つが本作です。
1990年に発売された『闘神都市』も人気作ではありましたが、その続編である本作はストーリー、ボリューム、設定、システムいずれも大幅に進化し、特にストーリーの中核を担う「闘神大会」終了後の展開はまさに怒涛の一言で、エロゲー初とも言える規模の超大作RPGとして唯一無二の存在となりました。
20年の時を経てニンテンドー3DSでリメイクされた事からも、本作に魅入られた人が多かった事を表しています。
EVE ~burst error~
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Windows95が発売された1995年、パソコン業界には当然のように革命が起こりましたが、エロゲー業界はその対応に追われる日々で、まだ表層的には大きな変化はありませんでした。
そんな中発売された本作は、私立探偵・天城小次郎と捜査官・法条まりなの2人を主人公としたサスペンス。
単に2つの視点で物語を描くだけでなく、それぞれの視点を切り替えながら物語を進行して事件の真相を曝いていく複雑な構成になっていて、菅野ひろゆきさんによるのスリリングなストーリーに多くのユーザーが虜となりました。
PCでは『DESIRE』より後のリリースですが、セガサターンでのリリースはこちらが先。
サターンユーザーも本作に魅了され大ヒットを記録し、某雑誌の読者企画ではセガサターンソフト歴代1位に選ばれています。
この結果は『異世界おじさん』でも取り上げられ話題になりました。
その成功から以降も様々な続編が作られましたが、菅野さんは関与しておらず軒並み低評価。
しかし2019年にコンシューマで発売された正統続編『EVE rebirth terror』は非常に高い評価を得て、更にその続編まで制作・発売されています。
下級生
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歴史的ヒットとなった『同級生』の新シリーズとして1996年にリリースされた恋愛シミュレーションゲーム。
『同級生』同様にマップ探索型のゲームで、基本的なシステムも踏襲しています。
一方でアルバイトによってお金を貯めてプレゼントを購入できたり、任意のタイミングでエッチに持ち込めたりと、エロゲーとしてのゲーム性をより深めた作品になりました。
もう一つの大きな変更はキャラクターデザインで、本シリーズは門井亜矢さんが担当。
その爽やかで垢抜けた絵柄は万人に好まれ、本作の大ヒットに大きく貢献しました。
なお2004年に続編も発売されましたが、今回の主旨とは異なる作品の為ここでは割愛します。
痕
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1996年1月に発売された『雫』に続き、その僅か半年後に発売されたLeafのビジュアルノベルシリーズ第2弾。
街中で起こる謎の猟奇殺人と主人公の血筋を巡るサスペンスで、一つのシナリオをクリアする事で選択肢が増え物語の全貌が明かされる構成、そしてヒロインである柏木四姉妹の可愛さが好評を博しました。
狂気をテーマとした『雫』が口コミで話題になり始めた頃に本作が発売され、その相乗効果でLeafは一躍新進気鋭のメーカーとして注目を集めるようになり、『雫』と本作の脚本を手掛けた髙橋龍也さんも人気シナリオライターとして名前が挙がるようになりました。
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO
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C’s Wareで『DESIRE』『EVE』を手掛けた菅野ひろゆきさんがelfに移籍し、彼の指揮によって制作された超大作アドベンチャーゲーム。
パラレルワールドの概念をシステムに落とし込んだ「Auto Diverge Mapping System」によって何度も並行世界を行き来しながら、アイテムを駆使して物語の謎を解き核心に迫るSFファンタジーです。
そのシステムだけでなくストーリーやキャラ描写も秀逸で、エロゲーの一つの到達点として現在も語り継がれています。
菅野さんはその後elfを辞め、自身でゲーム会社を立ち上げ『不確定世界の探偵紳士』『ミステリート ~不可逆世界の探偵紳士~』、『十次元立方体サイファー ~蒼き月の水底~』などの作品を生み出しましたが、残念ながら2011年に若くして逝去しました。
『シュタインズ・ゲート』に多大な影響を与えた事でも知られ、その縁で2019年にシナリオをそのままにリメイクされ、テレビアニメ化まで実現。
過去の名作エロゲの中では最も若い世代に馴染みある作品かもしれません。
鬼畜王ランス
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1989年よりスタートし、アリスソフトの看板作品として長らく愛されたランスシリーズは、同一の主人公およびキャラクター群で物語を継続していく一方でシステムは作品毎に大きく変えるという珍しいタイプのシリーズ作。
そんな人気シリーズの外伝として発売された本作は、従来の主人公ランスが冒険するRPGではなく、ランスが王となって世界統一を目指す地域制圧型シミュレーションとして制作・発売されました。
恐ろしい数のキャラクター、とてつもなく膨大な世界設定、数多のルートに枝分かれしていくシナリオとエンディング……など規格外のボリュームとなった本作は、「遊べるエロゲ」という観点で言えば現在まで未だ並ぶ作品なしと言えるほど圧倒的で、本作とYU-NOが同時期に出た1996年末はエロゲ愛好家にとって忘れられない時期になったと思われます。
またアリスソフト自身にとっても本作は高すぎる壁となり、以降ランスシリーズの開発は長らく停滞する事になりました。
それでも2002年に『ランス5D -ひとりぼっちの女の子-』で再起動し、以降数々の名作を生み続け、2018年発売の『Rance X -決戦-』をもって無事完結しました。
To Heart
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『雫』『痕』に続くLeafのビジュアルノベルシリーズ第3弾として1997年に発売。
サスペンスだった過去2作とは打って変わり、本作は沢山のヒロインが登場する王道の学園恋愛アドベンチャーゲームとなりました。
そのギャップや過去2作の好評から非常に前評判が高く、いざ発売されると爆発的なヒットを記録。
本作の成功によってLeafは一気にトップクラスのエロゲーメーカーとして認知されるようになりました。
この作品の最大の特徴は、漫画やラノベのような設定や属性を持つヒロインを多く配置している点にあります。
幼なじみや委員長といった王道キャラから、メイドロボや超能力者というエロゲーの学園ものでは当時殆ど見られなかった設定を持つヒロインも登場し、バラエティ豊かなキャラクター群を構成。
更にメイドロボのマルチのシナリオは非常に感動的で、いわゆる「泣きゲー」の原点とも言われています。
本作の成功はエロゲー業界に大きな影響を与え、以降ポップな雰囲気+泣かせるストーリーの美少女ゲームが量産される事になりました。