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Mar

【SPY×FAMILY】国民的アニメになれるのか? 令和最強コンテンツを徹底解剖


(画像引用 : Amazon)

今や日本を代表するアニメの一つとなった『SPY×FAMILY』。その令和最強コンテンが今後「国民的アニメ」という称号を得られるかどうかを徹底検証!
誰もが知っていて、老若男女から愛されるアニメになれる可能性をあらゆる角度から探ります!

国民的アニメの条件とは?


(画像引用 : Amazon)

2022年に待望のアニメ化が実現し、多くの視聴者が夢中になった『SPY×FAMILY』
各メディアが実施した年間アニメランキングで軒並み1位を獲得するなど、その評価は非常に高く、2022年を代表するアニメとなりました。
更にその名声はアニメ界隈に留まらず、2022年の全トレンドの中でもトップクラスの実績を残しています。

・『SPY×FAMILY』2022年ランキング実績

ねとらぼ調査隊「2022年一番面白かったアニメ」1位
みんなのランキング「2022年アニメ人気ランキング」1位
ViVi「2022年に流行ったアニメランキング」1位
AT-X「アニメランキング2022」3位
Yahoo!「検索大賞2022」アニメ部門1位、声優部門1位
サイバーエージェント「2022年Z世代ヒットトレンドランキング」1位
TikTok「流行語大賞2022」コトバ部門 1位
Google「2022年検索ランキング」2位
日経トレンディ「2022年ヒット商品ランキング」21位
YouTube「2022年の流行語大賞」ノミネート

国内でこれだけの評価を得ている上、中国の動画共有サービス「ビリビリ動画」では脅威の7億再生を記録するなど海外でも不動の人気を獲得。
今やSPY×FAMILYは日本を代表するアニメの1つとなったのは間違いありません。

そうなってくると、次の関心事はこの作品が「国民的アニメ」と呼ばれる存在になれるかどうかです。

国民的アニメという言葉は、ピクシブ百科事典やニコニコ大百科などで独自のページを設けられ、各メディアでも度々使用されるなど、既に広く一般化されています。
ピクシブ百科事典で「国民に広く知れ渡る、国民的な人気、知名度のある人気アニメ」、ニコニコ大百科では「その国の子供から大人にまで広くに知られ、愛され続けるアニメ」と定義付けられているように、知名度の圧倒的な高さと幅広さが条件と言って良いでしょう。

では、どのようなアニメが国民的アニメと呼ばれているのか。
幾つかのメディアが投票を行っているので、その結果を見てみましょう。

・株式会社CMサイト調べ「令和の国民的アニメ人気ランキング」

1位 サザエさん
2位 ドラえもん
3位 名探偵コナン
4位 ONE PIECE
5位 ちびまる子ちゃん
6位 それいけ!アンパンマン
7位 ルパン三世
8位 ポケットモンスター
9位 ドラゴンボール
10位 クレヨンしんちゃん

・みんなのランキング「国民的アニメランキング!」

1位 ドラえもん
2位 クレヨンしんちゃん
3位 名探偵コナン
4位 ポケットモンスター
5位 ドラゴンボール
6位 それいけ!アンパンマン
7位 星のカービィ
8位 ONE PIECE
9位 ルパン三世
10位 ちびまる子ちゃん

・アキバ総研「国民的アニメ人気投票」

1位 名探偵コナン
2位 忍たま乱太郎
3位 はなかっぱ
4位 サザエさん
5位 ONE PIECE
6位 ポケットモンスター
7位 ドラえもん
8位 クレヨンしんちゃん
9位 妖怪ウォッチ
10位 ドラゴンボール

この全ての投票でTOP10に入っているのは『サザエさん』『ドラえもん』『名探偵コナン』『ONE PIECE』『ポケットモンスター』『ドラゴンボール』『クレヨンしんちゃん』です。
2つ入っているのは『ちびまる子ちゃん』『それいけ!アンパンマン』『ルパン三世』ですね。

これらの作品に共通しているのは、現在も新作アニメが制作され、テレビで放送されている点です。
つまり、圧倒的知名度に加え長期的に現役コンテンツである事が国民的アニメという認知に繋がっていると言えます。

果たしてSPY×FAMILYがこれらの作品に並び、国民的アニメの仲間入りを果たせるのか
これからじっくりと検証していきます。

原作は累計発行部数2900万部のメガヒット


(画像引用 : Amazon)

前述した国民的アニメ10作品のうち、8作品はマンガ原作のアニメです。
それらの作品とSPY×FAMILYの累計発行部数を比較してみます。

・国民的アニメの原作マンガ累計発行部数

5億1000万部 ONE PIECE(国内のみで4億1000万部)
3億0000万部 ドラえもん(国内のみで2億5000万部)
2億7000万部 名探偵コナン(国内のみで1億4900万部)
2億6000万部 ドラゴンボール(国内のみで1億6000万部)
0億8600万部 サザエさん
0億5800万部 クレヨンしんちゃん
0億3250万部 ちびまる子ちゃん
0億1000万部 ルパン三世

0億2900万部 SPY×FAMILY

「最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ」としてギネス認定された『ONE PIECE』をはじめ、どの作品も原作が大ヒットしている事がわかります。
上位4作品に関しては海外でも大ヒット。
いずれも数十年という年月をかけてロングセラーになっているマンガばかりで、作者が既に亡くなっている作品でもずっと売れ続けています。

一方、SPY×FAMILYの累計発行部数は2023年2月時点で2900万部とアナウンスされています。
既に『ちびまる子ちゃん』に迫る数字で、早くも国民的アニメの資格ありと言える部数を残していますが、SPY×FAMILYの凄さは累計だけに留まりません。
驚異的なスピードで部数が伸び続けている点がポイントです。

振り返ってみると、SPY×FAMILYは連載1話目から数々の記録を樹立してきました。

ジャンプ+で2019年3月25日に掲載された第1話は早々にトレンド入りし、ジャンプラ史上最高記録のコメント数となる2000超をマーク。
今も連載開始直後のマンガがトレンド入りするのは珍しい事ですが、この頃は殆ど前例がなく、これだけ一瞬でマンガファンの心を掴んだ作品は史上初と言って良いでしょう。

その後も順調に読者を増やし続け、7月に発売されたコミックス第1巻は発売から僅か3週間で30万部を発行する異例のヒットになります。
以降もその勢いは全く衰えず、アニメ化が発表される前の段階で初版100万部、累計1500万部を達成しました。

・『SPY×FAMILY』累計発行部数推移

2019年07月 0030万部(1巻発売の22日後)
2019年10月 0080万部(2巻発売)
2019年11月 0100万部(2巻発売翌月)
2020年01月 0200万部(3巻発売)
2020年05月 0300万部(4巻発売)
2020年09月 0600万部(5巻発売)
2020年12月 0800万部(6巻発売)
2021年06月 1000万部(7巻発売)
2021年11月 1250万部(8巻発売、アニメ化決定)
2022年04月 1500万部(9巻発売、アニメ1クール目スタート)
2022年04月 1700万部(アニメ化効果で部数UP)
2022年05月 2100万部(アニメ化効果で部数UP)
2022年08月 2500万部(アニメ化効果で部数UP、アニメ2クール目スタート)
2022年10月 2700万部(10巻発売)
2022年12月 2900万部(アニメ化効果で部数UP)

現時点で巻平均(巻割)は290万部。
つまり、単純計算で290万人がコミックスを購入した事になります。
ONE PIECEがこの水準に達したのは累計1億部を超えてからで、如何にSPY×FAMILYが驚異的なスピードでファンを増やしているかがわかります。

本作が連載を始めた当時、既にWEBマンガは一定のポジションを築いていましたが、どうしてもジャンプ本誌をはじめとした紙媒体で連載している作品の方が格上感はありました。
しかしこのSPY×FAMILYの驚異的なスピードでの普及は、更新と同時にファンが一斉に一つの作品を読み、そして感想を言い合えるWEB媒体ならではの盛り上がりがあってこそ。
このSPY×FAMILYがWEBマンガの地位を上昇させ、マンガそのものの在り方に一石を投じたと言っても過言ではありません。

そういう意味では、本作は社会現象級のヒットと言え、国民的アニメの資格十分と言える作品です。

「アニメは配信の時代」を象徴する令和最強コンテンツに


(画像引用 : Amazon)

WEBマンガの歴史を変えたSPY×FAMILYですが、アニメに関しても同様の特徴を示したと言えます。

SPY×FAMILYのアニメは古橋一浩監督の指揮の下、CloverWorksとWIT STUDIOが共同で制作し、2022年4月に放送をスタートしました。
前述した推移表からもわかるように、このアニメによってSPY×FAMILYの原作コミックスの売上は大幅に増えており、巻割は167万部から290万部と倍近く伸びています。
つまり100万人以上のファンを増やしており、アニメ化は大成功でした。

ただ、Blu-ray・DVD(円盤)の売上はそこまで派手な数字を残している訳ではありません。

2022年7月に発売された第1巻の初週売上(初動)は約8000枚
その後も目立った伸びはなく、2巻以降もほぼ同じ数字で推移しています。
よって累計平均は1万枚前後と予想されます。

ジャンプのアニメと言えば、かつて円盤はそれほど売れないというのが通例でしたが、近年は『鬼滅の刃』『呪術廻戦』が大ヒットを記録。
これらの作品と比べても、SPY×FAMILYの円盤売上は大きく劣ります。
また、アニメ化前後で同じような部数の伸びを見せていた『進撃の巨人(1期)』と比べても同様で、これだけファンを増やしたアニメの割には円盤はあまり売れていません。

今は「円盤が売れない時代」と言われていますが、2022年は『リコリス・リコイル』や『ぼっち・ざ・ろっく!』といった作品が2万枚を超えるビッグセールスを記録しており、SPY×FAMILYの売上は2022年の円盤セールスランキングで10位前後
同年の作品と比較しても、トップクラスのセールスを記録している訳ではないのです。

では、このアニメが何処でヒットしたのかというと、ネット配信です。
近年はサブスクリプションサービスを利用して配信でアニメを観る人が急激に増えていますが、その配信でSPY×FAMILYは驚異的な再生数を記録しています。

ABEMAプレミアムやAmazonプライム・ビデオなど、18の定額制動画配信サービスの視聴者数を集計した、GEM Partnersによる「2022年の年間配信サービス視聴者数ランキング」において、2位の『鬼滅の刃』に約1.7倍もの差を付けて圧倒的1位を獲得。
1期が最終回を迎えた後も上位をキープし続けており、16週連続1位という凄まじいロングランを記録しています。

音楽業界ではサブスクが普及し、ヒット曲=再生数の高い曲という認識が定着してきましたが、映像部門に関してはまだそこまでではなく、「配信で動画視聴する時代」と言われつつもドラマに関しては視聴率、アニメにおいては円盤の売上が指標にされる傾向が続いていました。
しかし2022年、ドラマでは『silent』、アニメではこのSPY×FAMILYが配信分野でめざましい記録を樹立し大きな話題になりました。
従来の指標だけでは決して測れない、新時代のヒット作と言えます。

円盤による大ヒットは確かに大きな利益をもたらします。
一方で、数万枚売れたら大ヒットという、ある意味では閉鎖的な市場でもあります。
それに対し、配信は数百万規模の市場なので、ヒット作とそうでない作品の視聴者数の差は歴然としており、SNSなどの反響にもかなり大きな差が生じます。

昔、テレビアニメは視聴率20%を超える作品も沢山あって、特に『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』の全盛期は40%近い数字を記録しました。
そういう時代があったからこそ、これらの作品は国民的アニメとなったのです。
さすがにこの時代ほどの一般普及は困難ですが、それでも配信によって通常のヒットアニメより遥かに多くの人数に観られたSPY×FAMILYは、令和で最も国民的アニメに近いポジションにいます。

子供のアイドルとなったアーニャ


(画像引用 : Amazon)

国民的アニメに欠かせないのが「誰もが知るキャラクター」の存在です。

アニメは「作画」「ストーリー」「演出」「音楽」など様々な要素が重なり合って一つの作品になりますが、その中で「キャラクター」はやや特殊な要素と言えます。
というのも、作品の外で注目される事が多々あるからです。

例えば『ポケットモンスター』のピカチュウは、原作ゲーム内においては数あるポケモンの中の一匹に過ぎません。
しかしアニメだとメインキャラクターの一角を担うだけでなく、本作を象徴するマスコットキャラとして無数のキャラクターグッズが生産・販売されており、更に外伝作品への参加や他作品とのコラボなど、多岐にわたって活躍しています。
その為、ポケモンを観た事がなくてもピカチュウは知っているという人も非常に多く、作品の枠を越え世界的な知名度を誇っています。

こういったキャラが生まれると、その作品の知名度も当然、飛躍的に上昇します。
特に普段アニメを観ないお年寄りや、まだアニメをしっかり観る年齢に達していない幼児などについては、キャラクターから作品を知るケースが大半を占めていると思われ、「国民的アニメとは国民的キャラクターがいるアニメ」と言ってもいいくらいです。
実際、そのような調査結果も出ています。

ねとらぼ調査隊調べ「国民的アニメキャラクター(2021年)」ランキング

1位 ドラえもん(ドラえもん)
2位 フグ田サザエ(サザエさん)
3位 孫悟空(ドラゴンボール)
4位 ピカチュウ(ポケットモンスター)
4位 野原しんのすけ(クレヨンしんちゃん)
6位 江戸川コナン(名探偵コナン)
7位 アンパンマン(それいけ!アンパンマン)
8位 モンキー・D・ルフィ(ONE PIECE)
9位 さくらももこ(ちびまる子ちゃん)
10位 磯野カツオ(サザエさん)

株式会社日本リサーチセンター調べ「第7回 NRC全国キャラクター調査 認知度ランキング」

1位 ドラえもん
2位 サザエさん
3位 それいけ!アンパンマン
4位 ちびまる子ちゃん
5位 ゲゲゲの鬼太郎
6位 クレヨンしんちゃん
7位 ルパン三世
8位 鉄腕アトム
9位 となりのトトロ
10位 アルプスの少女ハイジ

では、多くの人々に愛される「国民的キャラクター」とは、どのようなキャラがなれるのでしょうか。
大きく分けて三つに分類できます。

1. 外見が可愛いマスコットタイプ
2. シルエットだけで誰かわかる外見個性派タイプ
3. 性格や能力、喋り方が特徴的な内面個性派タイプ

ピカチュウやドラえもんといった世界的に圧倒的な知名度を誇るキャラは、この1~3全てを満たしています。
まだ言葉を多く理解できていない幼児や日本語がわからない外国人でも、その可愛さや個性に惹かれて興味を持ち、アニメの存在を知っていく……という流れが膨大に生まれる事で作品知名度は上昇し、ただの人気作から国民的アニメへと変貌していくのです。
よって国民的アニメには、国民的キャラクターという導き手の存在が極めて重要です。

そしてSPY×FAMILYには、国民的キャラクターになり得る逸材がいます。
御存知アーニャです。

アーニャは上記の1~3いずれも満たしています。
可愛らしさは言うまでもなく、大きな頭と左右のとんがり髪飾りによってシルエットだけでも誰かわかる造形で、悪巧みした時の目を細めた表情も印象的です。
喋り方に関しても、舌足らずで少し変わった言語・言葉遣いという点は特徴的ですし、相手の心を読めるという異能力も持っています。

実際、アーニャは既に子供の間でアイドル的人気を獲得しています。

進研ゼミ小学講座が実施した「小学生の憧れの人ランキング2022」で、アーニャは3位にランクイン。
1位が「友達」、2位が「お母さん」なので、キャラクターとしては1位です。
また、PGF生命調べ「今年のくらしを明るくしてくれたキャラクターランキング」でも2位のルフィに倍の差を付け1位になるなど、既にアーニャは国民的キャラクターへと着実に近付いています。

このアーニャが高齢層の間でも広く認知された時、SPY×FAMILYは国民的アニメと呼ばれる事になるでしょう。

映画化で「ドラえもん」「クレしん」「コナン」に続けるか


(画像引用 : Amazon)

これまで検証してきたように、SPY×FAMILYには国民的アニメとなり得るだけの下地が既に出来上がっている段階と言えます。
ただ、これから更に知名度を伸ばしていくには、継続性が非常に重要となってきます。

前述した通り、国民的アニメと呼ばれている作品は全て長期にわたってテレビ放送が行われてきました。
現在放送されていない『ルパン』と『ドラゴンボール』でもトータルでは10年以上の放送期間がありますし、何度も再放送されているため実際の放送期間は更に長いです。

・国民的アニメのテレビ放送期間

サザエさん   1969~現在
ルパン     1971~1972、1977~1980、1984~1985、2015~2016、2018、2021~2022 ※シリーズ放送以外も単発長編多数
ドラえもん   1973、1979~現在
ドラゴンボール 1986~1997、2015~2018
アンパンマン  1988~現在
ちびまる子   1990~1992、1995~現在
クレしん    1992~現在
コナン     1996~現在
ポケモン    1997~現在
ワンピ     1999~現在

SPY×FAMILYがこれらの作品と肩を並べるには、毎年何らかの形で新作を発表していく事が重要になってきます。
とはいえ、現代の制作体制で毎年テレビシリーズの新作を放送・配信するのは極めて困難です。

そこで注目されるのが、映画です。

上記の国民的アニメのうち、『ドラえもん』『アンパンマン』『クレしん』『コナン』『ポケモン』はコロナ禍の時期を除き毎年必ず映画を公開しています。
毎年ではないものの、『ドラゴンボール』は20作以上、『ワンピ』も15作以上が制作されており、国民的アニメは映画にも注力されている事がわかります。

特にドラえもん、クレしん、コナンの3作は、映画によって国民的アニメになったと言っても過言ではありません。
ドラえもん、クレしんはテレビシリーズではやらないシリアスな長編ストーリーを映画でやる事で、作品のイメージを変革させる事に成功しました。
コナンもテレビシリーズでは描けないスケールの大きな事件を扱い差別化に成功し、第22作目の『ゼロの執行人』以降は100億近い興行収入を毎年記録するお化けコンテンツになっています。

SPY×FAMILYは2期制作と同時に映画化も発表されており、作者の遠藤達哉先生が原作、監修、キャラクター原案を務める完全新作ストーリーで作られる事が決まっています。
本作が国民的アニメとなるには、この映画で大ヒットを記録するだけでなく、コナンのように毎年興収でトップ争いをするようなコンテンツになるのが一番の近道です。

近年はアニメ映画の需要が高まっていて、ワンピも2022年公開の『ONE PIECE FILM RED』が約200億円の興収を記録し、自己最高を3倍近く更新しました。
この流れに乗ってSPY×FAMILYの映画が成功を収める確率は極めて高く、そうなれば劇場版の続投は確実。
もし毎年映画が公開される形になれば、ドラえもんやコナンのようなファミリー層向けの定番映画として定着し、国民的アニメとなるのにそう時間はかからないでしょう。

連載スピードの低下をオリジナル回でカバーできる?


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これまでは肯定的な見解のみを記してきましたが、SPY×FAMILYが国民的アニメとなる為の壁も幾つかあります。
最も懸念されるのは、原作の連載スピードの低下です。

本作を掲載しているジャンプラは週刊連載が基本ですが、作品によっては隔週の場合もあります。
SPY×FAMILYは当初から隔週連載、つまり2週に1度の掲載です。
ただ、1話ごとのページ数は通常の週刊連載より多い25ページ前後なので、コミックスのリリースペースは3~4ヶ月に1冊と順調でした。

しかし2022年頃からこのペースに乱れが生じます。
アニメが始まった影響でマンガ以外の仕事が増え、休載せざるを得ない週が増えてきたのが大きな原因と考えられます。
コミックスのリリースペースも5~6ヶ月に1冊となっており、今後は更に映画の仕事も増えるのでペースが落ちる事はあっても復活するのは考え難く、中々ストックが溜まっていかない状態になっています。

・『SPY×FAMILY』年間掲載数

2019年3月~2020年2月 22話
2020年3月~2021年2月 19話
2021年3月~2022年2月 19話
2022年3月~2023年2月 15話

アニメ1期(2クール)で既に38話目まで映像化されているので、2023年放送予定の2期が1期同様2クールだった場合、現在のストックをほぼ使い切る事になるでしょう。
そうなると、3期の放送に必要なストックが溜まるのは早くても2年後……となってしまいます。
これでは「継続性」という点で難しくなってきます。

そこで鍵を握るのが「オリジナル展開」です。
本編のストックが足りないのなら、オリジナルストーリーで埋めるしかありません。
その場合、監督の技量が問われる事になります。

古橋監督はかつてジャンプの看板作品だった『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の監督として知られ、その後も『HUNTER×HUNTER(1999年版)』『機動戦士ガンダムUC』『どろろ』などを手掛けているベテランです。
るろ剣の追憶編が顕著ですが、原作の世界観を膨らまし独自の物語を作る事に長けた監督で、その特徴はSPY×FAMILYにも存分に発揮されています。
SPY×FAMILYではシリーズ構成も務めており、本作のオリジナル回は古橋監督の手腕によって成り立っているのです。

何かと叩かれがちなオリジナル回ですが、本作は原作ファンからも好評を博しています。
オリジナル回を増やしてアニメの放送・配信ペースを維持できれば、ファンへの安定した提供が可能となり、知名度も更に伸びていくでしょう。

ヨルさんの暗殺者設定が足枷に?


(画像引用 : Amazon)

アニメ放送が始まって以降、SPY×FAMILYの話題は途切れる事がありませんが、中にはネガティブな話題もあります。
その中で最も多いのが、ヨルさんの職業に関してです。

ヨルさんは日中こそバーリント市役所の女性事務員として健全に働いていますが、その本職は暗殺組織ガーデンに所属する殺し屋。
「いばら姫」のコードネームで知られる一流の暗殺者です。
暗殺のターゲットは原則として悪人に限定されていますが、やはり人殺しであるという事実は重く、本作がハッピーエンドでは終われないと言われている所以でもあります。

そして、この設定はSPY×FAMILYが国民的アニメとなる為の足枷になるかもしれない、という見解もあります。
メインキャラの1人、しかも母親役が人殺しとなると、子供の教育上良くない……という意見にも一理あるところです。
特にSNS普及後は、一つの意見がクローズアップされて過度に問題化するケースも多々あり、こういった意見が主流のように扱われる事もあります。

ただ、これに関しては特に問題ではないと思われます。

その根拠は2つあって、1つは「最初から殺し屋と明言されている事」、そしてもう1つは「悪を挫く必殺仕事人のような存在である事」です。
人殺しは教育上よろしくない、というのは正論ですが、ルパンも悪党限定で殺しはしていますし、ドラゴンボールの悟空も同様。
ヨルさんが暗殺者である事と、国民的アニメである事は決して矛盾はしません。

また、直接手を下す生々しい描写はほとんどなく、コミカルな描写、或いはアクションシーンの一環として実際に絶命させたかどうか濁している描写に留めているので、子供の教育上悪いと感じる親御さんは殆どいないでしょう。

とはいえ、懸念材料がない訳ではありません。
前述したように、本作は2期以降のストックがまだなく、今後のアニメではオリジナル回が増えると予想されます。
その際、古橋監督がヨルさんをメインにしたストーリーを考案した場合、この問題が再燃する可能性はあります。

古橋監督はアクションシーンに定評があり、重厚で緻密な演出によってアニメファンの印象に残るシーンを幾つも生み出してきました。
特に、るろ剣追憶編の雪代巴に関する描写は非常に生々しく、古橋監督の名をアニメファンに知らしめた一因となっています。

もし、巴の描写と同じような方向性でヨルさんが描かれると、原作ではそれほど気にならなかった彼女の暗殺シーンが違う伝わり方になるかもしれません。

勿論、アニメは監督だけで作るものではないですし、全ての決定権が監督にある訳でもないので、監督の個性が強いからといって原作の雰囲気を変える描写が許される訳でもないでしょう。
1期を見る限りそういった傾向は全くなく、ファンが望むままのSPY×FAMILYを描いている印象なので、現時点ではこの懸念が現実になる可能性は限りなく低いです。

まとめ

SPY×FAMILYが国民的アニメになる一番の鍵は、やはりアーニャが国民的キャラクターの仲間入りを果たせるかどうか、そして映画がヒットするかどうかにかかっていると思います!
特に映画は、今後のSPY×FAMILYの方向性を左右する事になると思うので、今から楽しみですね!

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