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【決定版】鉄血のオルフェンズの人気な部分7選!! 戦闘シーンは高評価!?
2015年10月から1期が、2016年10月からは2期が放映されたのですが、2期は酷評されることが多いです(その理由についてはこちらで網羅しています)
しかし『鉄オル』という作品自体は今でも人気があり、『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ ウルズハント』というスマホゲームも鋭意開発中(2022年リリース予定)ですし、NHK BSの特番『発表 全ガンダム大投票』ではアムロやシャアといった、歴代ガンダムシリーズのレジェンドを抜かして、オルガが人気投票1位となりました。
この記事では今なおオルフェンズが愛され、根強いファンがいる理由を完全にまとめています。ぜひ最後までお読みください!
男の意地(鉄血のオルフェンズの人気な部分①)
2期OPテーマ『RAGE OF DUST』に”無力なままでは終われない、だから君は行くんだよ”というフレーズがあるのですが、まさにオルフェンズを体現しています。
孤児の集まりである鉄華団の面々はもちろん、同じく孤児であり貧困層出身のマクギリス。
友に裏切られどん底まで落とされたガエリオなど、みんな己の意地のために戦場に出ます。
マクギリスは生まれや所属による差別のない世界を目指し、ガエリオは自分と妹を欺き、世界までもその手にかけようとするマクギリスを討つため。
三日月や昭弘は仲間を安全圏へ逃がすため、死ぬ寸前まで戦い続けます。
オルフェンズは孤児が大量に発生し、人権すら持てない世界です。
そんな彼らが怒りを宿し、逆境に抗い続けるという熱いストーリーでした。
真新しさ(鉄血のオルフェンズの人気な部分②)
『機動戦士ガンダムAGE』という作品がありました。2011年から一年間テレビ放送したのですが、まあ人気がなかったです。
子供向けに制作したのに、全世代の視聴者から無視されるという散々な結果となりました。
その雪辱を晴らすかのように、2014年までは『機動戦士ガンダムUC』が一大ムーブメントとなりました。宇宙世紀という、ガンダムの正史ともいえる世界で、往年のファンを完璧に納得させる出来でガンダム事業の大黒柱となりました。
『鉄血のオルフェンズ』はそんな『ガンダムUC』の劇場公開が終了した後に放送されたのですが、非常にスタートダッシュが良かったです。理由は『①ガンダムらしく面白いこと』に加えて『②真新しかった』からです。
戦争という題材、少年兵、容赦なく登場人物が死ぬ展開など、歴代ガンダムの魅力をしっかり抑えたことに加え新鮮さがあったのです。具体的には
①新しい世界観
②若者世代の搾取
③打撃戦
④今までにない主人公像
です。ここでは①と②について書いていきます。
オルフェンズは火星のテラフォーミングが完了した世界が舞台です。歴代ガンダムで火星といえば『ガンダムW』が最終回で少々扱った程度でしたので、初の火星圏が舞台のガンダムアニメとなりました。
ショッキングだったのは主人公たち、少年兵の扱いでしょう。
今までのガンダムは『戦争だから大人は戦わないといけない。でも子供たちも戦場に駆り出される』というストーリーでした。
しかしオルフェンズは『子供は大人の捨て駒』という構図です。
特権階級が私腹を肥やすための若者世代の搾取、そして低賃金の派遣労働などの社会情勢が反映されています。
当時の若者には歴代の宇宙世紀シリーズより刺さるストーリーだったかもしれません。
初期のオルフェンズは『若者であってもひたすら働かないと幸せになれない』という現代社会の写し鏡でした。
『軍隊に所属しない』というのも珍しかったです。
鉄華団のメンバーは『○○軍の所属』ではなくヤクザの傘下となります。『ガンダムW』、『ガンダム00』もフリーランス的な活動形態でしたが、極道主人公というのは衝撃でした。
漫画『クロスボーンガンダム』では宇宙海賊が主人公ですが、それにしても真新しかったです。
また、オルフェンズは初めて漢字という文化を取り入れたガンダムになります。
『ガンダム00』ではキャラクターネームに少し使われましたが、その程度。『Gガンダム』は日本人が主人公でしたが、漢字表記は使われませんでした。
オルフェンズは北欧神話を一部モチーフにしています。ギャラルホルン、ヴィダール、ダインスレイヴなどは全て北欧神話からの引用になります。
しかしそれらと『阿頼耶識システム』などの漢字が不自然にならないようにマッチしているのは本当に上手いと思いました。
ガンダムの名に使われるソロモン72柱は旧約聖書が出典ですので、ユダヤ教やキリスト教の用語になります。
男らしいキャラクター達(鉄血のオルフェンズの人気な部分③)
オルフェンズといえば、男、男、男! と言わんばかりに男臭いキャラクターがたくさん出てきます。
最高だったのがガンダムシリーズによくいるナヨっとした主人公がいないところ。
血の気の多いオラオラ系の少年たちが勝利をもぎ取る姿には、格闘技の試合を観戦しているかのような興奮がありました。
そして「お前らボディビルダーなん?」とつっこみたくなるくらい、みんな筋肉質な体つきをしています。
オルフェンズのモビルスーツ戦は打撃技主体ですので、コックピットに強い衝撃が入ります。
つまり『体を鍛えることが強さに直結する』という、マッチョ大肯定の世界なんですね。
そして阿頼耶識システムを使うために、上半身裸でモビルスーツに乗り込みます。
ここは男子校ですかと言わんばかりの光景は、多くのアニメファンのハートをつかみました。また、主人公の性格も挑戦的です。
ガンダムの主人公は優しい男の子が選ばれることが多いです。これは”ファースト”の主人公、アムロ・レイがそうだったからでしょう。
『ガンダムW』のヒイロ・ユイのような例外もありますが、21世紀に入ってからはキラ・ヤマト(SEED)、刹那・F・セイエイ(00)、バナージ・リンクス(UC)と基本的に不戦を望む性格の主人公が続きました。
しかし三日月は敵パイロットを容赦なく射殺しますし、不意打ち上等で相手に殴りかかります。
ストリート・チルドレンとして泥水をすすってきたことがバックボーンにあるからなのですが、非常に挑戦的な設定だと思いました。
世界観(鉄血のオルフェンズの人気な部分④)
オルフェンズの舞台は、厄祭戦という大戦争から300年が経過した遠未来。ガンダムシリーズの中でも異彩を放っています。
厄祭戦により全宇宙の人口の1/4が殺戮され、文明レベルも後退したため、オルフェンズの世界は『セブンスターズ』という貴族が統治しています。
つまり未来の話でありながら中世ヨーロッパのように、貴族の家柄が絶対的な地位として扱われる逆転現象が起こっているのです。
厄祭戦の原因は、天使の名を冠する殺戮兵器、モビルアーマーを生み出してしまったことです。そしてこのモビルアーマーを狩るために生み出されたのが人型兵器モビルスーツになります。
宇宙世紀ではモビルスーツの限界値を超えるため、人型からデザインを離れたモビルアーマーが開発されました。
オルフェンズはその逆、モビルスーツが後から生み出され、モビルアーマーよりも新しい技術が搭載されています。
ガンダム・フレームのモビルスーツには、旧約聖書の悪魔の名が冠せられています。
阿頼耶識システムにより人間の限界を超え、モビルアーマーすら狩ることができるようになることと、その代償としてパイロットの体に障害を残すことから、悪魔の名をつけることは実に相応しいと思えました。
三日月の体が人智を超えた暴力を振るうたび、徐々に動かなくなっていく様は、まさに悪魔との契約と呼べるでしょう。
打撃によるモビルスーツ戦(鉄血のオルフェンズの人気な部分⑤)
登場と同時にメイスを振るい、量産型モビルスーツを打ちのめしたのです。
「殴った!!!!!!」
そう、遠距離攻撃を排した打撃による近接戦闘こそ、鉄血のオルフェンズ最大の魅力です!!
ガンダムの代名詞ともいえるビームライフル、ビームサーベルは最終回まで一度も登場しません。
メイス、ハンマー、そして太刀による接近戦は、男たちの心を鷲掴みにしました。
モビルアーマーの主砲である光学兵器を無効化する、”ナノラミネートアーマー”。
”フレーム”という概念により、倒した相手のパーツをもぎ取り、段階的に進化するモビルスーツなど、オルフェンズは野心的で前衛的な要素を数多く採用していました。
21世紀に入ってからのガンダムシリーズはSEED、00、UCと、キラキラに輝くビーム兵器や、ニュータイプ的な感応波を前面に押し出した戦闘スタイルでした。
しかしそれら既存の”美形ガンダム”に対するアンチテーゼともとれる”パワーで殴り倒すガンダム”がついに登場。
大きな話題を呼びました。
また、よく聴いていただきたいのが戦闘中の打撃音です。
クライマックスの”ガンダムバエル VS キマリスヴィダール”が特に顕著なのですが、鋼と鋼がぶつかり合う硬質な音は、他のロボットアニメでもなかなか聴けません。
モビルスーツデザインも最高です。
「お前土木工事用の機械なの?」と言いたくなるような泥臭いデザイン(褒めてます)が作風にぴったりです。
キマリスヴィダールの二―ドリルなんて、まんま工事で使う電動ドリルですしね。
ガンプラの売り上げが好調だったことからも、オルフェンズのモビルスーツ戦がいかに魅力的だったか、分かっていただけると思います。
声優の演技力(鉄血のオルフェンズの人気な部分⑥)
やんちゃ坊主の集団を束ねるオルガ役の細谷佳正(ほそや よしまさ)さんは、オルガに相応しいワイルドさがありました。視聴者の誰もが「オルガにぴったり!」と思ったことでしょう。
マクギリス役の櫻井孝宏さんは、クールで知的なマクギリスから、終盤の野心むき出しかつサイコなマクギリスまで見事に演じてくれています。
ガエリオ役の松風 雅也(まつかぜ まさや)さんもすごかったです。温室育ちでおぼっちゃんなガエリオと、燃える餓狼のような後半のガエリオ、最終回の軽薄さが増したガエリオまで演じ分けていますね。
ユージン(梅原裕一郎さん)、シノ(村田太志さん)、チャド(石谷春貴さん)など、鉄華団の面々はキャラがかぶっていないのがすごいなと。
個人的に素晴らしいと思ったのがアイン・ダルトン役の内田 雄馬さんです。好青年だったアインは狂人と化してしまうのですが、凄まじい演技力で、ぞっとさせられたことを覚えています。
OP、EDを含む音楽(鉄血のオルフェンズの人気な部分⑦)
どれも世界観に本当にぴったりで、男たちのが熱い信念を持って突き進む、その背中を押してくれるような名曲たちです。
対照的にエンディングテーマはどれもバラードでしたね。
オープニングが炎だとすればエンディングテーマは氷や雪、といった印象の曲が多かったです。オルフェンズは味方サイドであっても容赦なく退場するドラマだったため、しっとりしたバラードも実に似合っています。
ただ、オルガの最後がネタ扱いされているせいで、4期エンディングテーマ『フリージア』もネタ扱いされています……。
しかしネタ扱いされても名曲には違いありません(オルガの最後がネタ扱いされている理由はこちらをご覧ください)
主題歌のなかでも3期OP『RAGE OF DUST』は特に最高で、主人公たちの生き様が歌詞と音楽に叩きつけられています。
まとめ(鉄血のオルフェンズの人気な部分)
楽曲、モビルスーツ戦、男らしいキャラクターたちなどは、アンチの方も納得するほどに魅力的なのではないでしょうか?
血で血を洗う、鋼鉄による打撃戦はまさに”鉄血”の名にふさわしく、アナザーガンダムの歴史に燦然と輝きます。