6
Jun
【ハイスコアガール】SNK事件から4年……ついに放送へ【2018年夏アニメ】 #ハイスコ #ハイスコアガール
出典 : Amazon.co.jp
2018年7月より始まるアニメ『ハイスコアガール』には、今に至るまで一言では語れないほどの紆余曲折がありました。
アニメ放送前に、その苦心惨憺の道のりを振り返ります。
「レトロ格ゲー」を題材とした青春ラブコメ
『ハイスコアガール』は月刊ビッグガンガンで押切蓮介先生が連載しているマンガ作品です。
時は1991年、湾岸戦争やバブル崩壊などの大きな出来事によって世の中が混沌としている最中、ゲーセンに通い詰め対戦型格闘ゲームに明け暮れる小学6年生の男子・矢口ハルオ(やぐち はるお)と天才ゲーマーでお嬢様のヒロイン・大野晶(おおの あきら)の出会いと日常を描いています。
当時は『ストリートファイターII』をはじめとした格ゲーが社会現象となるほどの一大ブームを築いている時代。
女性ゲーマーこそ少なかったものの、男は大人子供問わず日本中が『ストII』や『バーチャファイター』、『鉄拳』『サムライスピリッツ』『餓狼伝説』などの格ゲーに夢中になっていました。
本作ではそれらのゲームを実際のタイトル、プレイ画面、キャラクターで描き、プレイヤーの間で流行っていたテクニックや裏技なども細かく描かれています。
また、格ゲー以外にも当時人気のあったゲームやグッズ、世情など、当時学生だった世代にとっては懐かしくてたまらない描写が数多く登場し、ノスタルジーに浸れる作品としても人気を博しました。
人気上昇、アニメ化決定、そして……事件発覚
連載開始当初から反響の大きかった『ハイスコアガール』はたちまち人気作となり、次々と重版がかかります。
また「ブロスコミックアワード2012」で大賞、「このマンガがすごい!2013』オトコ編で2位に輝くなど、有識者の評価も上々。
勢いそのままに、2013年12月にはTVアニメ化が発表されます。
しかし、その僅か8ヶ月後にアニメ化どころか本作の存続さえも揺るがす大事件が勃発します。
アニメ化企画が進行する最中、『餓狼伝説』『ザ・キング・オブ・ファイターズ』『サムライスピリッツ』などの著作権者であるSNKプレイモアに許諾を得ないまま作中にゲームキャラクターを登場させていたことが発覚。
2014年8月5日、著作権侵害の疑いでコミックの発行元であるスクウェア・エニックス本社などが家宅捜索を受けたことが大きく報道されました。
そして同年11月17日、作者の押切先生を含む16名が書類送検されることになります。
尚、本作に登場する他のゲームのメーカーに関しては事前に承諾を得ているところもあれば、事後承諾だったところもあり、編集部の対応が杜撰だったことが窺えます。
ちなみに著作権の承諾は企業同士の契約であり、スクエニが出版する以上、承諾の確認はスクエニが全責任を負うのが当たり前。
「確認しない作者も悪い」という意見も当時ネット上にありましたが、的を射た発言ではないように思います。
この事件により、アニメ化プロジェクトは事実上の白紙に。
単行本は全て自主回収、連載も無期限休止状態となり、『ハイスコアガール』は絶体絶命の状況に追い込まれてしまいます。
絶望の淵から復活へ
出典 : Amazon.co.jp
著作権のトラブルが発覚後、長らく停滞期が続いていた『ハイスコアガール』でした…が、2015年8月24日付でスクウェア・エニックスとSNKプレイモア(とのその大株主)との間で和解が成立したことでようやく風向きが変わります。
この結果を受け、2016年7月より連載を再開。
更に自主回収されていた単行本は加筆修正し「ハイスコアガール CONTINUE」と改題され販売が再開されるなど、ようやくPAUSEが解けることになりました。
そして2018年3月24日、事件発覚から約4年が経過した同年7月よりテレビアニメの放送が正式に決定したとの告知が行われました。
アニメで実在ゲームはどう表現される?
— 押切蓮介 (@rereibara) 2018年3月23日
紆余曲折を経てアニメの放送までこぎ着けた本作ですが、例の事件もあり「アニメではKOFやサムスピはどう表現されるのか?」という心配の声も少なからず挙がっていると思われます。
この作品は“実名で”昔のゲームが扱われているところ、そして当時のゲームを取り巻く環境をそのまま再現しているのが大きな魅力なので、そこに偽名が混じったり有名タイトルが姿を消したりすると、どうしても興醒めしてしまいます。
しかしご安心を!
当たり前ですが、各ゲーム会社にしっかりと承諾を得た上でのアニメ放送となっており、メーカーからのお祝いコメントが公式サイトで掲載されています。
色々あったSNKも「全力でハイスコアガールを応援します!」と大人のコメントを出しており、どうやら問題なく実名で描写されそうです。
作品情報
・スタッフ
原作:押切蓮介(掲載 月刊「ビッグガンガン」スクウェア・エニックス刊)
監督:山川吉樹
シリーズ構成:浦畑達彦
キャラクターデザイン:桑波田満(SMDE)
アニメーション制作:J.C.STAFF
・キャスト
矢口春雄:天崎滉平
大野晶:鈴代紗弓
日高小春:広瀬ゆうき
山川吉樹監督は『キルミー』『リトバス』『ダンまち』で知られるヒットメーカーですね。
メインキャストはかなりフレッシュな顔ぶれです!
ヒロインの晶はほぼ喋りませんが、たまに「フンガー」とか言ってるのでセリフなしという事はないと思います。
まとめ
この作品が闇に葬り去られず本当によかった……
最近はゲームより恋愛の方に重きを置いていますが、それはそれで読み応えのあるストーリーになっていてオススメです!
公式PV