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Sep
秋からアニメ放送開始!美大生を目指す少年少女の姿を描く『ブルーピリオド』の魅力を解説!
もうすぐ芸術の秋、ということで今回は10月からアニメ化が決定した『ブルーピリオド』の魅力を解説していきます。原作は山口つばさ先生の漫画。月間アフターヌーンにて2017年6月より連載中で既刊11巻。シリーズ累計300万部を突破する人気作品です。本作品のテーマはずばり『美術』。
高校生の矢口八虎(やぐち・やとら)が絵を描く喜びを目覚め、美術大学受験を目指すというストーリーになっています。作者の山口先生は東京藝術大学の出身で、作中に登場する作品はすべて美大の生徒やプロ作家が制作した作品が使われています。
藝大出身の作者だからこそ描ける美大受験生たちの苦悩や葛藤が読みどころとなっています。本記事ではストーリーをなぞる形で『ブルーピリオド』の面白さを語っていきます!
退屈な日常を変えた「青」の衝撃
主人公の矢口八虎はチョイ悪な高校生。悪友たちとつるんで夜遊びを繰り返していますが、学校の成績は至って良好。コミュニケーション能力にたけており、先生からの評判も上々。
恋人はいませんが、まさにリア充とも呼ぶべき学生生活を送っています。しかし八虎は日常に退屈を感じていました。友達と遊んでいても、テストでいい点をとっても、どこか満たされない。淡々と課題をこなすだけの日々。
そんな中、高校2年の進路相談の季節がやってきます。特にやりたいことのない八虎は志望欄の空白を埋めることができません。ただ、美術の時間に天使の絵を見て、その表現の奇抜さに胸のざわつきを覚えます。
そして友達と徹夜でサッカー観戦をした帰り道。八虎は早朝の渋谷の風景を見て「なんかいい」と感想をこぼすのですが、友人たちには笑われています。その日、八虎は先日胸のざわめきを覚えた天使の絵の作者である森と出会います。森に「渋谷の朝の風景が青く見えた」と話すと、森はその感性を笑うことなく受け止めます。
八虎は何かの衝動に突き動かされるように、美術の授業で「青い渋谷」を描きます。その絵の表現を友人たちに肯定されたことで、八虎は初めて絵を描く喜びに目覚めるのでした。そして八虎は、自分が初めて感じた「好き」を貫くため、東京藝術大学への入学を決意します。