史実における関係性は？

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アニメ1期を観た、競馬と縁のないウマ娘ファンおよびアニメファンは、この両者が史実でも終生のライバル関係だったと確信したことでしょう。
実は全然違います。
そもそも、史実のスペシャルウィークとサイレンススズカは一度も同じレースに出ていません。

史実のサイレンススズカは前述の負傷したレース、正確には1998年11月1日に開催された天皇賞秋で左前脚の手根骨粉砕骨折を発症し、予後不良と診断され安楽死となってしまいました。
馬は骨折してしまうと、体重の重さに対する脚の細さがネックとなり、他の脚にかかる負担が極めて大きく、ほぼ確実に炎症を起こし、状態が悪化すると痛みによるショック死や衰弱死を引き起こしてしまうのです。
寝かせても体重の重さから内臓が壊死してしまうため、いずれにせよ苦しみながら死にゆく運命にあり、残念ながら安楽死が骨折した馬にできる唯一のことなのです。

この悲しき一日は競馬ファンの間で「沈黙の日曜日」と呼ばれ、今尚その死が偲ばれています。
アニメ1期7話「約束」で描かれたように、この日のサイレンススズカは怪我する直前まで錚々たる他の競走馬を圧倒するレースを見せており、まさにこれから全盛期を迎えるという時期。
もしこの負傷がなければ、その後何度もスペシャルウィークとの対決が見られたはずですが、デビューが約1年違う両者が2年という短い期間において、同じレースで並び立つことはありませんでした。

ただしもちろん、無関係だった訳ではありません。
この両者は、共にサンデーサイレンスという史上最高の種牡馬を父馬にもつ異母兄弟なのです。
ただし競馬の世界では、母馬が同じでなければ兄弟と扱われることはあまりないので、それを反映してウマ娘の世界でも2人は血縁関係にはありません。

また、両者を語る上で欠かせないのが天皇賞秋。
前述した98年のサイレンススズカの痛ましい事故から1年、翌99年の天皇賞秋には同じ武豊騎手を乗せたスペシャルウィークが出馬し、このレースを制しました。
アニメでは1期10話「何度負けても」で描かれています。

レース前、スペシャルウィークは決して本調子ではなかったのですが、僅かの差で差しきって勝利。
その際に武騎手が「ゴールの瞬間、まるでサイレンススズカが後押しをしてくれたようでした」と語ったことで、スペシャルウィークはサイレンススズカの夢を継いだ馬となったのです。

一方で、結局見ることができなかったこの両者の直接対決は、競馬ファンの空想の中で幾度となく繰り返されています。
史実のスペシャルウィークとサイレンススズカは、ファンの夢そのものなのです。

まとめ

2期ではポンコツ＆出番ほぼなしのスペ＆スズカでしたが、1期ではとても熱く美しい友情を見せてくれています。
特にスズカの復活劇は感動もの！
仲良くなっていき、お互い影響され合っていく姿が丁寧に描写されているので、2期から入った人にはぜひ1期で2人の尊い関係性を堪能してください！

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