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23

Jul

【彼方のアストラ】全5巻なのにアニメ化まで果たした人気SF【2019夏アニメ】

出典 : Amazon.co.jp

2019年夏放送のアニメ『彼方のアストラ』についてまとめました!
本作の基本情報や魅力について、そして全5巻と比較的短い連載期間で終了した本作がどうしてアニメ化に辿り着けたのか、その理由をお届けします!

『SKET DANCE』の作者による宇宙サバイバルSF

出典 : Amazon.co.jp

『彼方のアストラ』は、2016~2017年にWebコミック配信サイト「少年ジャンプ+」で連載されていたマンガ作品です。
作者は『SKET DANCE』で知られる篠原健太先生
週刊少年ジャンプで連載されたSKET DANCEは全32巻で発行部数1400万部を記録する人気作となり、テレビアニメ化も果たしました。

学園コメディとして大成功を収めたSKET DANCEの次回作として発表された彼方のアストラは、「SKET DANCEとは違うことをやろう」というコンセプトで生み出された作品で、ジャンルも全く異なる宇宙サバイバルSF
西暦2063年の近未来を舞台にした物語で、「他の惑星で5日間生徒だけで過ごす」という高校の特別課題に臨むべく、主人公のカナタ・ホシジマやヒロインのアリエス・スプリングをはじめとした総勢9名の面々が、居住する星から9光年離れた惑星マクパへと向かい、そこで謎の球体に吸い込まれ宇宙空間へと放り出されてしまう……というストーリーが描かれています。
SKET DANCEの頃を彷彿とさせる小ネタは随所で挟んでいるものの、至る所に伏線を張り巡らせたストーリー重視の物語になっています。

登場するメインキャラクターはみんな個性的です。

カナタは自らキャプテンに立候補する積極的で力強いリードオフマン。
アリエスはよく言葉を間違える一見天然系の女子です。
その2人に加え、IQ200の天才ザック・ウォーカー、褐色肌のツンデレ娘キトリー・ラファエリ、キトリーの義妹で10歳のフニシア・ラファエリ、愛想が良くて器用なルカ・エスポジト、生物の知識が豊富で風変わりなイケメンのシャルス・ラクロワ、無口で引っ込み思案だけど歌が抜群に上手いユンファ・ルー、常に斜に構えているウルガー・ツヴァイク、宇宙飛行士の女性ポリーナ・リヴィンスカヤが主要キャラとしてストーリーを盛り上げます。

ストーリー重視の作品ですが、キャラも全員しっかり立っていて、彼らの困難に立ち向かい成長していく姿がこの作品の大きな魅力となっています。
しかし、本作がアニメ化されるまでの道のりは必ずしも順風満帆とは言えませんでした。

「思ったより売れなかった」からのアニメ化

人気作を手がけた作者の次の作品は自然と大きな注目が集まるものですが、彼方のアストラに関しては、そこまで大きな話題にはなっていませんでした。
これには明確な理由があります。
連載誌が週刊少年ジャンプではなくジャンプ+だったからです。

ジャンプ+は2014年に立ち上げられたばかりのサイトで、花より男子の続編『花のち晴れ~花男 Next Season~』や『ファイアパンチ』などが話題になっていたものの、知名度は週刊少年ジャンプとは大きな開きがあります。
ジャンプでヒットを飛ばした作家の次回作がジャンプ+だったことで、都落ちのような印象を受けた人もいたようです。

ちなみに、ジャンプ+での連載は篠原先生自らが提案したとのこと。
当時、彼方のアストラは週刊少年ジャンプの企画会議で通らず全ボツになったため、それならとジャンプ+での連載を持ちかけたようです。

ただ、やはり掲載誌の知名度の差は大きかったのか、連載開始以降しばらく経ってもこの作品はあまり知名度を上げることができず、苦戦を強いられました。
篠原先生も本作に関しては「思ったより売れなかった」と2018年1月のインタビューで語っています。

その流れが少しずつ変わり始めたのは、4巻がリリースされる少し前の2017年7月。
第37話タイトルの真意が判明したところ、大きな反響を呼び、トレンド入りを果たしたことで一気に知名度が上昇しました。

更に彼方のアストラはそこから一気に畳みかけます。

それまで散りばめていた伏線を次々と回収し、宇宙サバイバルSFだったはずのストーリーはいつの間にか謎を解き明かすミステリーへと変貌していったのです。
仲間の中に通信機を破壊し生還を妨害する者がいることを示唆するなど、序盤からミステリー要素はありましたが、終盤はそれが最も前面に出た物語になっています。

これは突然の方向転換ではなく、当初から予定されていた通りだったようです。

彼方のアストラは全5巻と、比較的短い物語。
前作で32巻まで出した作者が次回作で全5巻……という結果だけを見ると、打ち切りになったとつい思いがちですが、この作品に関しては元々5巻で完結することを想定していたとのこと。
一度全ボツになった作品を長々とやるより、凝縮して面白い要素だけを出していく方が良いという判断だったようです。

つまり、4巻でタイトルの真意が判明し、5巻までに全ての謎が解き明かされるという構成は全て予定通り。
その結果、彼方のアストラは引き延ばしも一切なく上昇気流に乗ったまま最終回を迎え、最終巻となった第5巻の発売時には4巻発売時の倍の売上となったようです。

内容に対する評価も37話以降急激に上がり、2017年8月に発表された第3回「次にくるマンガ大賞」Webマンガ部門では5位を獲得。
ミステリー好きから絶賛されるなど、読者層の幅も広がりました。
すると連載終了後にも口コミで評判が広まり、重版がかかるなどジワジワとセールスを伸ばし続け、2018年12月に「このマンガがすごい!2019」オトコ編で3位、そして2019年3月には「マンガ大賞2019」で堂々の大賞受賞となりました。

そして2019年7月、「思ったより売れなかった」作品はついにテレビアニメが放送されるまでになったのです。

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