成長後の朱は嫌われやすいキャラ？

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キャラ人気について一概に「こういう外見・性格は好かれる」「この個性は嫌われる」と言い切れるものではありませんが、傾向的に好かれやすい・嫌われやすい性格や立場は存在します。
例えば、口ばかり達者でちっとも役に立たないキャラは嫌われやすいですね。
特に自己中心的で主張が激しく、自分の都合ばかりを口走り、それによって主人公周辺の空気を悪くするキャラは大抵煙たがられます。

急に主張を変えるキャラも余り好まれない印象です。
自分が弱い立場の時には媚び諂い、優位な立場になると横柄な態度をとるキャラは総じて嫌悪感を示されます。
優柔不断なキャラも好かれることはあまりなく、特にラブコメの主人公の場合はそれが顕著です。

逆に主張を一切変えないキャラの場合、描写次第で大きく変わります。
「ブレない」「一本芯が通っている」という描かれ方なら好かれるキャラになりやすく、「頑固で融通が利かない」「明らかに間違っているのに認めない」といった描かれ方だと嫌われやすいですね。
この場合、他者に迷惑をかけているかどうかが重要で、周囲に尻ぬぐいをさせているキャラの場合は例えブレていなくても読者・視聴者には良い印象を抱かれないでしょう。

尤も、これらの特徴は現実の人間でも嫌われる傾向にあり、嫌悪されて当然とも言える特徴です。
この他にも「卑怯・陰湿な手を使う」「自分の行動や策の責任を取らない」「常識知らずで他人を振り回す」「悪行三昧なのに報いを受けない」「何を言っても『天然』で許される」「過剰なお節介」「常に上から目線」「無駄に口数が多くウザい」などの現実で忌み嫌われる行動をとるキャラは当然、アニメやマンガでも嫌われます。
女性キャラの場合は「やたら媚びる」「集団で悪口を言う」「八方美人」「清純そうに見えてビッチ」などが嫌われる原因になりやすいと思われます。

一方、アニメやマンガなどの創作キャラの場合、現実とはリンクしない嫌われ方も存在します。

ここで重要なのは、「作中で嫌われるキャラ」と「読者・視聴者に嫌われるキャラ」は全く別次元の問題という点です。
作中で嫌われるキャラは、嫌われるのを前提に作られたキャラなので、上記のような如何にも他人に嫌がられることをするケースが多く、それは予定調和でもあります。
よって作中で幾ら嫌われていても、読者・視聴者目線ではしっかり役割をこなしている悪役の俳優のように映り、そこまで嫌悪感は抱かないものです。

逆に、作中で過剰に持ち上げられたり、作者やスタッフから贔屓されているように感じられるキャラは、どれだけ聖人であってもファンからは余り好かれません。
特にその贔屓キャラのしわ寄せで不遇な扱いになったキャラが人気者だった場合は、過剰なほど嫌われてしまうでしょう。
作中の扱いと実人気に大きなズレがあるキャラは槍玉に挙がりやすい傾向にあるようです。

そしてもう一つ、読者・視聴者から非常に嫌われやすい二次元キャラ特有の性質として「作品・ストーリーをつまらなくするキャラ」が挙げられます。
例えば「そのキャラがいれば1人でなんでも解決してしまう」といった万能キャラや、ラブコメ路線のために特に理由もなく大勢の異性に好かれるキャラ……などが該当します。
特に万能キャラの場合、それ以外にも「欠点がなく感情移入がし難い」「ポカをしないため可愛げがなく感情も平坦になりやすい」などもあり、主人公だと更に「ご都合主義的な展開になりやすく先が読める」というマイナス要素が加わるため、どうしても嫌われやすくなってしまうのです。

狡噛から多大な影響を受け、周囲から一目置かれる強キャラとなった朱は、必ずしも万能とまでは言えません。
しかし劇場版で再会した狡噛と互角に戦うほど強くなり、感情表現の平板化もあって、万能キャラにかなり近い人物になっています。
元々そういうキャラではなかったため、1期の朱が好きだった人の中には戸惑いを覚える人も少なくなかったと思われ、「可愛げがなくなって嫌いになった」という声が上がるようになりました。

しかし、その声が必ずしも多い訳ではありません。

朱の場合、辛い事件も含む様々な体験を経てそれを視聴者も共有しているため成長に説得力があり、いわゆる「ご都合主義」「チート」といった印象は受けません。
好みから外れたという理由以外で嫌いになった人はそれほどいないと思われます。
また、『PSYCHO-PASS』は女性ファンが多い作品なので、朱の強さに高揚感を抱くファンも少なからずいる筈です。