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22

Aug

【化物語】マンガ版が大人気! コミカライズが成功した理由をまとめてみた #化物語 #化物語漫画化

現代でも通用する青春怪異ストーリー&ヒロインズ

どれだけ優れたコミカライズでも、作り手と読み手の温度差があっては成功しないのが常です。

旬を過ぎた人気作を再アニメ化してもあまり受けが良くなかった。
大ヒットマンガの続編を当時以上のクオリティで描いても話題にならなかった。

そういうケースは残念ながら少なくありませんが、その成功しない理由の1つに時代性があります。

過去の名作を再び立ち上げる際、大抵はその作品を尊重し、当時の時代背景のままで描きます。
それ自体はファンも納得の処置ですが、当時を知らない世代にとってはまるで異世界のような疎外感を覚えることでしょう。
特に現代劇の場合、自分のリアルな生活と関連付けられる性質上、時代遅れ感はより顕著になります。

『化物語』も、シリーズとしてはまだ続いているとはいえ、エピソードとしては10年以上前に執筆されたもの。
10年前というと、まだスマホの国内普及率が10%未満だった時代です。
その当時のお話が現代に通用するかというと、普通ならまず通用しないでしょう。

しかし『化物語』は、現代劇ではあるものの会話劇が大半を占め、怪異と関わっていくというファンタジー性も手伝い、時代を感じさせる描写が極めて少ないため、あまり古臭さを感じない内容になっています。

一方で、ひたぎの攻撃性に関しては前時代的なヒロインと捉える人がいるかもしれません。
現代では、いわゆる「暴力ヒロイン」が敬遠される傾向にあり、ひたぎもその範疇に入るからです。

とはいえ彼女の場合、暴力というより「自衛」と「愛」に特化した攻撃性であり、どちらかというとヤンデレ属性に近いヒロインです。
彼女だけでなく、優等生の羽川翼(はねかわ つばさ)、ロリ枠の八九寺真宵(はちくじ まよい)、ボーイッシュな神原駿河(かんばる するが)、健気な千石撫子(せんごく なでこ)といった他のヒロイン勢も、一つや二つの属性・記号では表せない、一言で言えば「一筋縄ではいかない」存在ばかり。

その奥深さは、知れば知るほど魅力が溢れてくる底なしの宝箱。
彼女たちは現代でも全く問題なく通用するヒロインなのです。

コミカライズが受け入れられる条件とは?

コミカライズの主な目的は作品の宣伝です。
大抵はアニメ化やゲーム化、グッズ化などとセットになったメディアミックスプロジェクトの一環として行われ、原作の知名度をアップさせるために実施されます。
そのため、ビジネスという側面が強く出やすい企画でもあり、予算やスケジュール等の問題も多く、作品によっては「作画担当があまり作品を理解しようとしていない」「まだ画力が十分でない人に担当させている」「明らかに投げやり」といったケースも残念ながら見受けられます。

コミカライズが成功するのは大抵、そういったビジネス的な負の要素が前面に出ない場合です。

例えば『とらドラ!』のコミカライズは、原作終了から10年近くが経過した現在でも続いており、既に原作の宣伝という目的はほぼないに等しい状況です。
にもかかわらず続いているのは、マンガ版『とらドラ!』を最後まで描き切りたいという作者および編集の強い意向あってこそ。
その熱が、例え連載が途切れ途切れであっても読者が付いていく大きな理由になっているのではないでしょうか。

近年のコミカライズ成功例としては、『転生したらスライムだった件』『蜘蛛ですが、なにか?』が代表格でしょう。

この2作品のコミカライズに共通しているのは、作画を担当する方が「作品をどう魅せるか」をしっかりと考えている点です。
単純なマンガとしての巧さ、読みやすさはさることながら、「このキャラはこういう表情をするだろう」「この場面はこういうテンポだろう」と原作の読者がイメージしているポイントをしっかりと抑えています。
これもコミカライズにおいてはとても重要な部分ですね。

マンガ版『化物語』には、一つ大きなポイントがあります。
全体的にメリハリが利いた仕上がりになっている、という点です。

例えば本作における序盤のクライマックス、ひたぎが阿良々木に告白するシーン。
「I love you」とさり気なく伝える原作、それを踏襲しつつも若干見せ場らしくしていたアニメ版に対し、マンガ版はなんと見開き3連発というとんでもない演出で仰々しくこのシーンを描いていました。

これに関しては、ファンの間でも賛否があるかもしれません。
そうじゃない、あの告白はそういうことじゃない、と。

しかし大暮版化物語は、1話目から一貫して「マンガ版はエモーショナルな表現で」という描き方をしています。
告白シーン以外にも、各エピソードの見せ場ではかなり力の入った絵とコマ割りになっていますし、『化物語』の面白さをどう魅せるかという点においては明確なビジョンが示されています。

ある程度人を選ぶ表現・解釈なのは確かです。
しかしコンセプトやビジョンが明確なので、合うと判断した人は今後も間違いなく楽しめるでしょう。
優れたコミカライズとは、そういうものではないでしょうか。

まとめ

「化物語を大暮維人が描く」のインパクトも凄かったですけど、同様に「化物語がマガジンで連載される」のインパクトも凄まじいものがありましたよね。
かつては不良・ヤンキーマンガを数多く掲載していましたが、近年ではデスゲームや恋愛ものを多く取り扱っていますし、何気に三大少年誌の中では一番振り幅が大きいマンガ誌かもしれません。
特定のジャンルに偏る傾向がある雑誌でもあるので、今後人気作のコミカライズが増えていくかも?

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