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Jan
サイコパス、鬼滅の刃、カバネリ……「続きは劇場版で」はアリ? ナシ?
パターンB:2期いけそうなのに「続きは劇場版で」
出典 : Amazon.co.jp
未完からの劇場版ほど白ける訳ではありませんが、劇場版決定のニュースを素直に喜べないケースは他にもあります。
多くのファンが2期を期待している中での「続きは劇場版で」です。
アニメが話題になり、メディアでも取り上げられ、実際にBlu-ray・DVD(円盤)が売れた作品のファンは当然、まず2期を期待します。
1期を観たのと同じ環境で続きを観たいと願うのは、自然な感情ですよね。
そのため続きが劇場版だった場合、もちろん続編が観られて嬉しいという感情も強く持ちますが、一方で「お金払って映画館まで観に行くのはちょっとしんどい」と思ってしまう人がいるのも普通のことです。
劇場版を心から歓迎できない理由は他にもあります。
2期なら最低1クール、全12話前後の制作が確約されるのに対し、劇場版だと60分~120分くらいで終わってしまうという点です。
30分枠のアニメは、OPとED、途中のCMを除くと大体1話あたり24分前後で制作されます。
それが12話分なので、24分×12話=288分の映像化ということになりますね。
160分を越える『涼宮ハルヒの消失』のような例外もありますが、大抵は1クールの半分以下の公開時間で終わってしまうため、テレビでの続編と比較するとボリューム的に劣るのです。
もちろん、大迫力の巨大スクリーンでハイクオリティの映像を観られるメリットは決して小さくはありあせん。
劇場版の後にあらためてテレビで続編をやるのなら素直に喜べますが、どんな人気作品でもそれが実現する保証はないのです。
『ユーリ!!! on ICE』や『ノーゲーム・ノーライフ』が劇場版の制作をアナウンスした際、そのニュースを喜んだファンが大勢いる中で「できるならテレビでやって欲しかった」と落胆した人もいたと思われます。
一方、2期が微妙な情勢での「続きは劇場版で」は無条件で歓迎されます。
例えば『SHIROBAKO』のように、大ヒットしたものの続編の目処が立たないまま数年が経過し、もう続きは観られないと大多数のファンに思われていた場合は、満場一致で劇場版のニュースを喜ばれたことでしょう。
タイミングや時勢によって、「続きは劇場版で」の受け取り方は変わってくるのが実情です。
パターンC:「完結は劇場版で」
出典 : Amazon.co.jp
では、最も喜ばれる「続きは劇場版で」とは一体どういうケースでしょうか?
『ゆるキャン△』のように、2期と劇場版が同時に発表される場合は、不満に思う人は恐らくいないでしょう。
ただしこの場合、2期の方がどうしても印象が強くなってしまうので、劇場版の影が薄くなってしまいがちです。
最も盛り上がり、最もファンが歓喜するのは、完結編を劇場版で制作するケースではないかと思われます。
自分が好きなアニメのラストを最高のクオリティで観ることができるのは、ファンにとって至上の喜びと言えるでしょう。
もちろん「これが最後」とアナウンスされる訳ですから、寂しさもあります。
『ラブライブ!』はまさにこのパターンで、映画化が発表された際には歓喜する声と「これで完結かも」という寂寞の声が入り交じり、まさに悲喜交々といった状況でした。
とはいえ「仮にこれが最後でも劇場版で終われるのなら良いじゃないか」という声が圧倒的に多く、映画公開まで凄まじい盛り上がりが続きました。
その点で言うと、『冴えない彼女の育てかた』は原作が先に完結を迎えていた中での「映画でフィナーレ」だったので、ファンの中ではベストの展開だったことでしょう。
残りのエピソードの量を考慮すれば3期の制作も可能だったかもしれませんが、劇場版で完結したことでより思い出深い作品になったファンも多かったはずです。
実際、原作完結から2年が経過していたにもかかわらず、多くのファンが映画館に足を運んでいました。
昔と違い、今は日常アニメであっても当たり前のように劇場版が作られる時代になりました。
テレビシリーズとあまり変わらない作画クオリティの作品もあり、以前ほどテレビと映画の格差はないように思います。
しかしそれでも劇場版がアニメファンにとって特別なものなのは変わりなく、だからこそ安直に「続きは劇場版で」をやって欲しくないのです。
まとめ
「劇場版」というと特別な響きがありますけど、それだけに映画化された時点で「この作品の最後のアニメ化になるんじゃないだろうか?」と思ってしまいますよね。
その心理もあって、もちろん続編が作られるのは嬉しいんですけど、2期決定と比べると心の底から喜べない人もいるかと思います。
できれば、心から喜べるタイミングで劇場版を作って欲しいですよね!