7
Jan
【少女終末旅行】チトはユーリをどれだけ大切に思っている?最終話から検証しました!
2. 黙ったまま9秒間見つめ合う
出典 : Amazon.co.jp
地球の現状を聞き、巨大生物と別れたあと、ユーリが「ねぇチーちゃん。地球終わるんだって」と発します。その後、2人は黙ったまま9秒間見つめ合います。
ここで大事なのが、「9秒」という時間です。これは「アニメの世界の中で9秒経ったことが描写されている」ということではなく、2人が黙って見つめ合っている状態での「アニメの再生時間」が9秒ということです。
当然ながら、アニメには時間という制約があります。その中で、意図が伝わるだけ描写できてしまえばカットしても差し支えはありません。
しかしながら、2人が見つめ合っている状態を9秒間、映像として残すというのは、それだけ重要であるといえます。
本来、「見つめ合っている」ということだけを伝えるのであれば、9秒なくても事足ります。3~5秒もあれば、2人が見つめ合っていること、あるいは、2人が見つめ合う仲であることは十分に描写できます。
しかしながら、ここでは9秒間、セリフのないまま見つめ合っているのです。
改めて、このシーンを時系列で整理します。
まず、ユーリが「ねぇチーちゃん、地球終わるんだって」と発言。
それに対して、チトの「でも、世界が終わろうと、どうでもいいことだろう。私とユーがいれば、それでいい」というセリフが続きます。特筆すべきは、このセリフ内「でも」の後からです。
チトが「でも」と話しかけた事に対して、ユーリは顔を合わせ、小さく「うん」とうなづきます。そこから映像として9秒、ユーリはチトの次の言葉を待っています。そこには急かす様子もなければ、次の言葉を疑問に思う気持ちも描写されていません。むしろ、表情こそ変化させないものの、ユーリの顔からは「明確な言葉がすぐに出てなくても、どういったニュアンスの言葉が続くかわかりきっている」という安堵感すら見い出すことができます。もちろん、アニメにおいて、変化のない画面だけでは、そこに流れている雰囲気や人物の心情を読み取ることはできません。その部分はBGMがカバーしています。「黙ったまま微動だにせず見つめ合う2人」という、アニメーションとしては動きのないこのシーンにおいては、BGMをうまく利用し、2人の心情や空気を、幸福感や安堵感を感じさせるような、壮大で慈しみ深さを感じさせるBGMで作り出しているのです。
無言でありながら気まずいということもなく、「ユーリに話しかけるチト」と「チトの言葉を待つユーリ」。
2人の気持ちを表す言葉を答え合わせするかのように、丁寧に言葉の交換を行っている2人が描写されているのです。
さらに、「世界が終わろうと〜」とチトが発すると同時に、自らの手をユーリの手を寄せますが、まるで決まっていたかのように2人は自然と手を繋ぎ合わせ、さらに強く握り締めなおします。
その状態で、チトの「私とユーリがいれば、それでいい」が続きます。
さらに7秒の沈黙の後、ユーリがからかうように微笑みます。
沈黙というのは、高度なコミュニケーションです。2人の沈黙によって作られている空気は、一朝一夕のものではありませんね。
過ごした時間の分だけ、お互いが思い合っているというのが、セリフや、会話の間によって描写されているのです。
まとめ
チトはユーリのことをとても大切に思っていることがわかりました!
普段は照れや見栄があり、あまり口にはださないものの、ユーリのことをよく見て、考えているようですね!
2人がいつまでも一緒にいられますように!