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Dec
ムギ、千夜、神原、さやか……アニメに「不人気認定」キャラは必要?
不人気認定されやすい理由
出典 : Amazon.co.jp
不人気認定されやすいキャラの特徴として、「作中で浮いているキャラ」が挙げられます。
その場合、例え不人気属性がなくても人気を得難いようです。
例えば『けいおん!』のムギも当てはまります。
お嬢様キャラであるムギは、他のメインキャラ4人と比べ、性格も設定も明らかに浮いています。
その上「眉太」「おっとり」という不人気属性もあったため、放送当時は人気面で遅れを取っていたと思われます。
『魔法少女まどか☆マギカ』の美樹さやか(みき さやか)もそうですね。
彼女はメイン5人の中で唯一異性に恋をしており、1人で思い悩んで、時に刺々しい態度を見せる等身大の女子中学生です。
アニメ特有の年齢不相応に達観したところがない分、余計に浮いている印象です。
作中で浮いているキャラは、その作品に没頭しているファンにとっては邪魔……とまではいかなくとも、やや取っつきにくいところがあると思われます。
けれど、もし放課後ティータイムにムギがいなければ、脳天気でムードメーカーな唯&律、真面目でしっかり者の澪&梓という比較的近いタイプのキャラ2組という構図になってしまいます。
そうすると、全体的に大味な印象が拭えません。
どちらにも属さず、どのキャラと絡んでもイメージが被らないムギが加わることで、キャラにコントラストが生まれるのです。
また、日常アニメは一人だけ騒がしいキャラがいると不人気認定されがちですが、彼女たちがいることで作品全体のカラーが明るくなり、テンポも良くなります。
おっとり系はその逆で、ゆるやかなテンポで喋るキャラがいると作品全体がまったりの方に傾きます。
どちらも作中では浮いてしまいがちですが、実は作品の方向性を決める舵取り役になっているケースが多いのです。
ミもフタもない言い方をすれば、「作品を整える役割を担ったキャラ」が不人気に陥りやすいと言えます。
でも、そのキャラたちがいなければ、作品のカラーは全く異なるものになるでしょう。
その意味でも、不人気キャラは決して不必要ではありません。
不人気を跳ね返したキャラたち
出典 : Amazon.co.jp
人気というものはどれだけ優秀なクリエイターでも狙って得られるものではなく、それはキャラ人気も同じです。
黒髪ロングや巨乳などの人気属性を付けていれば人気が出るというものではありませんし、逆もまた然りです。
事実、不人気属性を持ちながらも人気者になったキャラはたくさんいます。
不人気属性の筆頭として挙げられるメガネキャラも例外ではありません。
『らき☆すた』の高良みゆきは、メガネをかけていても作中屈指の人気キャラとして定着。
『デュラララ!!』の園原杏里も女性陣の中ではトップクラスの人気を得ています。
「おでこを出す髪型」も不人気属性の代表格ですが、近年は作者がおでこに異様なこだわりを持つ『からかい上手の高木さん』のヒットによって、その印象はやや薄れてきています。
また、「褐色肌」に関しても『イジらないで、長瀞さん』のような褐色肌ヒロインの漫画が一定の人気を得ていることから、風向きが変わりつつあるような印象です。
元々は不人気認定されていたキャラが、徐々に人気を得ていくケースも稀ながらあります。
『Fate/stay night』の間桐桜は第1回の人気投票で6位に終わり、当時は不人気ヒロイン扱いを受けていましたが、2回目の人気投票では5位にランクアップ。
更にTYPE-MOON10周年記念のオールキャラクター人気投票は8位(Fate/stay nightのキャラでは4位)と着実に順位を上げており、彼女のルートを映像化した劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』も大ヒットするなど結果を残し、今や人気キャラの1人に数えられています。
男キャラでは『スラムダンク』の三井寿がその筆頭ですね。
当初はバスケ部をぶっ潰すと意気込んでいた悪役キャラだったので不人気でしたが、バスケ部に入部して以降は一転して作中屈指の人気キャラになりました。
逆に、時代の流れによってトップの座から転落する残酷なケースもあります。
『WORKING!!』の伊波まひるは、アニメ化前に作者・高津カリノ先生のWebページで実施された人気投票では1位でしたが、暴力系ヒロインが嫌われるようになったアニメ後半の頃には女性陣の中でもぽぷら、山田の次くらいの位置に落ち着いていました。
『らんま1/2』のメインヒロイン・天道あかねもアニメ放送時は女性陣でダントツの人気キャラでしたが、2019年に実施された「全るーみっくアニメ大投票」ではシャンプーに遅れを取っています。
人気はふとしたきっかけで変動するもの。
不人気認定を受けているキャラがいつしか人気キャラになることも、あり得ない訳ではないのです。
まとめ
不人気認定はイジりに近い感覚で行われることが多く、ネタ的な意味合いも強いと思われます。
でも、そのキャラが好きな人にとってはあまり面白い話ではありませんよね。
例え本当に不人気だとしても、作品に貢献しているキャラであれば存在意義は確かにあるのですから、何ひとつ恥じることなくそのキャラが好きだと声高に叫ぶべきです!