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20

Dec

「シャミ子が悪いんだよ」「うるさいですね……」「今日も一日がんばるぞい」ネットで流行ったセリフを徹底検証

出典 : Amazon.co.jp

2019年のアニメ流行語大賞で銀賞を受賞した「シャミ子が悪いんだよ」をはじめ、ネット上で自然発生的に流行ったセリフを徹底検証!
そのセリフが受けた背景や発端となった出来事、その後の影響などをまとめました!

本人たちは一度も言っていない「シャミ子が悪いんだよ」「うるさいですね……」

出典 : Amazon.co.jp

2019年7月に放送を開始したアニメ『まちカドまぞく』は、3クール振りとなるきらら系アニメとして日常アニメ好きから期待される一方、放送開始当時は作品知名度が高くなかったため、アニメファン全体における注目度はあまり高くありませんでした。
しかし放送が後半に差し掛かる頃には夏クールを代表するくらいの勢いを見せ、Blu-ray・DVD(円盤)も平均5000枚を越えるヒットを記録。
イベントも大盛況、グッズも完売するなど、今や2期も有力視される人気作となりました。

この勢いの一助となったのが、ネット上で流行った「シャミ子が悪いんだよ」という千代田桃(ちよだ もも)のセリフ。
作中では一度も使われていないTwitter上のファンの創作でありながらネットミームと化し、2019年9月にはニコニコ大百科やpixiv百科事典で記事化され、まちカドまぞくを観ていない人の目にも届くようになり、作品の知名度向上に大きく貢献しました。

ここまでこのセリフが流行った背景には、幾つかの要素が重なり合っています。

「シャミ子が悪いんだよ」というセリフは、桃が実際に言っていてもなんら不思議ではない絶妙な言い回しで、ファンの間では「たまたま原作で言っている場面を描いていないだけ」が定説になっているほど。
また、まちカドまぞくの単行本が全国的に品切れ状態になった時も「芳文社が悪いんだよ」というネタが横行したように、「○○○が悪いんだよ」何でも応用が利く汎用性の高さも流行の理由と言えるでしょう。

この「シャミ子が悪いんだよ」のように、作中で使われていないセリフがネット上で流行るケースは他にもあります。
有名なのは、『ご注文はうさぎですか?』チノによる「うるさいですね……」というセリフ。
元ネタはファンが創作した名状し難い文章の中のセリフですが、このセリフも汎用性がやたら高く、チノが実際に言っていてもなんら不思議ではない(「ティッピーうるさいです」など似たセリフは言ってる)ため、一時の流行に留まらず完全に定着しました。

ただ、この2つのセリフには若干の違いがあります。
「うるさいですね……」はチノのセリフという印象が強いのに対し、「シャミ子が悪いんだよ」は桃のセリフというより、まちカドまぞくという作品そのものを象徴するセリフと捉えられているように感じられます。
これは、流行ったタイミングの違いが影響しているのでしょう。

「うるさいですね……」はごちうさが既に人気作品として定着した後の流行ですが、「シャミ子が悪いんだよ」はアニメ放送中、それもシャミ子と桃の距離が縮まり百合的な方面で盛り上がっていた頃に投下された創作セリフ。
ちょうど百合好きの人たちがまちカドまぞくに関心を持ったタイミングだったため、このセリフで本作を知った人も多く、「まちカドまぞく=シャミ子が悪いんだよ」というイメージを持っている人が多いと思われます。

ちなみに、この2つとは逆に「このキャラがそんなセリフを言うわけない」というギャップで流行ったセリフもあります。
『ひだまりスケッチ』ゆのっちがハイライトの消えた目で言っている「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」です。
これは元々『少女ファイト』の式島滋のセリフを引用したコラでしたが、使い勝手の良さと前述したギャップが受けて一時期大流行し、現在もたまに使用されています。

ネタ的な要素も強い「本人言ってないシリーズ」ですが、ピークが過ぎてからも意外と長く愛用されているようです。

「今日も一日がんばるぞい」「止まるんじゃねぇぞ……」の共通点とは?

出典 : Amazon.co.jp

ネット上で流行ったセリフと言えば、「今日も一日がんばるぞい」「止まるんじゃねぇぞ……」の2つも外せません。

「今日も一日がんばるぞい」は、『NEW GAME!』の主人公・涼風青葉(すずかぜ あおば)のセリフ。
2016年にアニメ流行語大賞の銅賞を受賞していますが、実際に流行ったのはその2年前の2014年です。
特別なきっかけがあった訳ではなく、しかもアニメ化されていない新作漫画のセリフが、雑誌掲載時や単行本発売時ではなくその数ヶ月後からジワジワ広がっていくという、珍しい流行り方をしました。

「止まるんじゃねぇぞ……」『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第48話で、オルガ・イツカが仲間を庇って絶命した際の遺言として発した言葉です。
放送された直後は、メインキャラの死亡という衝撃的なシーンであったこと、またサタデーナイトフィーバー的なポーズをはじめツッコミ所の多い死に様だったことから、セリフよりもシーンそのものが話題になっていましたが、翌月辺りからセリフが一人歩きし始め、猛烈な勢いで普及していきました。

この2つの流行語、一見すると全く違うタイプのような印象を受けますが、実際には大きな共通点があります。
制作サイドの困惑を生んだ流行語という点です。

「ぞい」の方は、作者および編集が全く予期していない、全然力を入れて書いた訳でもないコマがバズったため、この流行に乗るのか、距離を置くのかでかなり話し合いが行われたようです。
結果としては、宣伝では便乗するものの作中では二度と使用しない(元々再利用する予定もなかった)という距離感で落ち着いたらしく、アニメでも特別な演出なく普通のシーンとして流れました。

「止まるんじゃねぇぞ」の方も、制作サイドとしては極めてシリアスなシーンだったためネタ的な盛り上がりは想定しておらず、特にオルガの声を担当した細谷佳正(ほそや よしまさ)さんにはオルガ及びこのセリフのイメージが定着してしまい、毎年多数のメインキャラを演じる売れっ子でありながら「団長の人」と言われる状態が長らく続いていました。
ただ、その細谷さんもスタッフも嫌だった訳ではないらしく、度々ネタとして扱ってもいました。

どちらのセリフも作品を象徴するものですが、その後のネット上での存在感は対照的です。
「ぞい」の方は作中で長らく使用されていないこともあり、イメージとしては大分薄れていて、ファン以外の人がNEW GAMEの別称として「ぞい」を用いるくらいに留まっています。
一方、「止まるんじゃねぇぞ」は現在も鉄血の代名詞として頻繁に使われており、ネタとして用いる人もまだまだ多く見受けられます。

今後も連載が続いていくNEW GAMEとしては、「ぞい」のイメージにばかり引っ張られるのは好ましくなく、既に完結している鉄血としては爪痕を残すという意味で「止まるんじゃねぇぞ」がずっと残るのは好ましい状態。
どちらも作品にとっては良い着地点に落ち着いたのも、共通項と言えるでしょう。

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