18
Dec
【ごちうさ】は本当に何も起こらないのか? 映画やOVAを徹底検証
ごちうさの何かは「成長」
出典 : Amazon.co.jp
アニメ1期の範囲では、ごちうさは何も起こらない物語でした。
そして同時に「何も起こさない」物語でした。
ココアとチノをはじめとしたメインキャラはみんな学生で、変わらない日々を楽しく過ごし、それが日常もののあるべき姿として完成していました。
しかし、ごちうさはいわゆるサザエさん時空ではなく、作中では確実に時間が流れています。
2期では季節が一巡し、みんな学年が1つ上がりました。
勿論、この変化をもって「何かが起こった」という訳ではありません。
起こった何かとは、チノの成長です。
ココアと出会った頃のチノは、引っ込み思案でちょっと素っ気ない女の子でした。
これは性格というより、まだ会って間もないのに距離をグイグイ縮めてくるココアに戸惑っていたためと思われます。
よって、1期の範疇でココアに少しずつ心を開いていったチノの変化は、成長ではなく本来の姿を見せ始めただけに過ぎません。
しかし2期以降、チノは明確に自分を変えようという意思を見せ始めます。
特に顕著なのは、『Sing For You』で見せた勇気です。
以前のチノであれば、ソロパートという目立つポジションは断っていたでしょう。
リゼも作中で、チノが引き受ける決心をしたことを「本当にびっくりした」と語っていました。
キャラの成長は、普通のアニメであればほとんどの視聴者が歓迎します。
しかし日常アニメの場合、キャラが変わる可能性があるため、必ずしも万人から支持される訳ではありません。
ポンコツキャラが成長して有能になった場合、ポンコツ好きな人からすれば魅力半減になってしまうのですから。
日常ものにおいてキャラの成長は英断であり、十分に「何かが起こった」と表現できる出来事です。
更に『Sing For You』以降の原作エピソードでは、マヤが進学について悩みながらも自分で答えを出すなど、チノ以外のキャラにも成長が見られます。
歩みは非常にゆっくりですが、ごちうさは「何かが起こるお話」になっているのです。
まとめ
最初は確かに「何も起こらない」という日常アニメの定石通りだったごちうさですが、今はそこから踏み出している印象です。
アニメ3期でも、何かが起こるごちうさを観ることができるでしょう。
その時にアニメ組の方々がどのような感想を抱くのかも楽しみです!