一途で一本気な良い男

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ハルオの人格の半分を作ったのがゲームなら、もう半分を作ったのは彼の母親である矢口なみえ（やぐち なみえ）です。
父親はずっと単身赴任中で、作中に登場することはなく、ハルオはずっと母によって育てられました。

ハルオ母は勉学を強制せず、ゲームを止めるよう言うこともなく、ハルオをのびのびと育てました。
ただし単に甘やかすのではなく、成績が悪ければそれなりの制裁を加えるなど、シメるところはしっかりシメています。
友達のように接しつつも、しっかり保護者として彼の成長を見守り続けていました。

その結果、ハルオは自分がやりたいと思ったことは必ず貫き通す、一途で一本気のある人間になりました。
晶と同じ学校に通うためにゲームを封印してまで勉強に励み、ゲームを買うためなら早朝のバイトも苦にしません。

ハルオの人間的魅力の最たる部分は、やはりこの一途さでしょう。
そしてそれは、恋愛に対しても同様です。

自分の恋心に気付いていなかったとはいえ、ハルオは小学生の頃からずっと「晶と一緒に遊びたい」と想い続けてきました。
これは小春が現れて以降も、たったの一度として揺るいではいません。
小春から告白された後も、ラブホに誘われた時も、ハルオの中では晶だけが唯一の恋愛対象だったのです。

小春は「己の世界にまっすぐなハルオに惹かれた」と心中で語っていますが、それはつまり一途な彼だからこそ好きなったということ。
恐らく小春に気持ちが揺らぐようなハルオだったら、小春は彼を好きになってはいなかったでしょう。
だからこそ、小春は最初の段階で自分に勝ち目はないと悟っていたのだと思われます。

恋愛作品で三角関係が形成されると、ドロドロな展開になり各キャラの嫌な部分が見えてくるため、読者・視聴者に嫌われやすくなる傾向にあります。
しかし本作においてはそういったことは全くなく、ハルオも最後までファンから支持される主人公であり続けました。
それも、彼がずっと一途だったからでしょう。

実は天然の女たらし？

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根が素直で純粋なハルオですが、純朴なキャラという訳ではありません。
その純粋さ故に、場の空気に流されてしまう事もよくあります。

例えば小学生時代は、当時のゲーセン特有の荒々しい空気に染まり、ハルオ自身も大分底意地の悪いゲーマーになっていました。
また、高校生の時、渋谷のゲーセンに入り浸るようになってからは、すっかり渋谷の色に染まっていまい、ちょっとワルっぽい格好をしていました。
実はちょくちょく不良のようになっています。

この不良というのも、モテ男の要素の1つ。
ただ「良い人」というだけではモテないのは、多くの男性に心当たりがあると思われます。

また、相手を思いやる心をさりげなく行動に出せるところもあります。
家から出られない晶のために膨大な時間を使ってRPGツクールで「おおのけクエスト」を作ったのも、下心など一切なく、単純に晶を喜ばせたい一心でした。
アニメではその点を強調しているのか、晶の屋敷にムリヤリ連れて行かれて彼女と一晩過ごしたエピソードでは、さりげなく晶がお菓子を取りやすくするシーンがアニオリで追加されていました。

ハルオのこういった点は全てモテようと思ってやっている訳ではないのですが、結果的にモテる理由の1つになっています。
そういう意味では、ハルオは天然の女たらしなのかもしれませんね。

まとめ

ハルオがモテる理由はたくさんありますが、一番なのは「あの母親に育てられたから」だと思います！
そういう意味では、『ハイスコアガール』の真のMVPはハルオ母かもしれません。