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Oct
【旗揚!けものみち】シグレというちょうどいい感じのクズヒロイン
クズだけど常識人という謎ヒロイン
出典 : Amazon.co.jp
シグレは主要キャラの中でも源蔵の次にクレジットされるキャラで、通常の作品ならヒロインポジションの女の子です。
でも彼女の場合、源蔵に対して色めき立つシーンは全くなく(他の女性キャラも同様ですが)、ヒロインという役割ではありません。
『旗揚!けものみち』の原作者・暁なつめ先生は『この素晴らしい世界に祝福を!』の作者としておなじみですが、シグレはこのすばの中で言えばアクア様に近いポジションです。
あの駄女神も最初はメインヒロインかと思われましたが、カズマに対して恋愛感情を抱くめぐみんやダクネスとは違い、恋や愛とは縁のない相棒ポジションを確立しています。
シグレもそのアクア様同様、源蔵のパートナー的な存在になっています。
そんなシグレの最大の特徴は、クズだけど常識人という奇妙な人間性です。
シグレが源蔵と最初に出会った際、身売りされそうになっていた理由の大半は彼女自身にありました。
金儲けのために金貸しに借金を依頼し、「期日までに返せない場合は体で払う」と自ら進言。
それで無利子無担保という条件を勝ち取り、一山当てようとしたものの上手く行かなかった……というのが真相です。
これくらいなら人間としてダメなヤツ程度ですが……シグレは他にも「源蔵が倒した人間の武器(伝説級の凄い剣とか)をしれっとかすめ取る」「しかもそれを売りさばいて店の資金や生活費の足しにする」といった、どこぞのクズマさんがやっていたようなことを平気でやってのけます。
普通にクズです。
ただ、彼女の場合は単なるクズヒロインではありません。
たまにそういった行為は見受けられるものの、基本的には常識人ポジション。
源蔵のイカれた行動、魔王配下四大侯爵家であるファフニール家の長女で同じ「けものみち」の従業員・花子(はなこ)やその従者のヴァンパイア、カミーラたちの不毛なやり取りに対しては冷静にツッコみます。
そしてなんといっても、源蔵たちは「けものみち」の経営に関して全くの役立たずなので、店の切り盛りは彼女が一人で行っています。
ペットの数がかさみ食費がヤバくなっても、大食いの花子が遠慮せず食べまくって食費がヤバくなっても、どうにか「けものみち」が潰れずに済んでいるのは、シグレがポイントポイントで危機感を煽っているから。
彼女がいなければ店が立ち行かないのは間違いないでしょう。
そういう意味では、シグレは作中で最もまともな存在とも言えます。
ただ、面倒なことには極力関わりたくないらしく、源蔵が珍しく思い悩んでいる時でも深入りを避けようとすることもあります。
人格が破綻しない程度にクズな彼女は、読者や視聴者を不快にさせない、ちょうどいい感じのクズヒロインなのです。
まとめ
アニメでは大分原作の設定を変えている『旗揚!けものみち』ですが、シグレもその変更が行なわれている1人ですね。
「ご主人様」呼びよりも「源蔵さん」呼びの方がシグレっぽい感じもするので、これはこれでそこはかとなく良い感じです!