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9

May

【デレマス】夢見りあむという炎上を人気に換える劇薬アイドル

登場間もなく称賛と批判が飛び交う「劇薬アイドル」に

りあむの支持層は多種多様です。

まだ登場して間もないため物見遊山気分で支持する人も多いですが、彼女の自虐やアイドル軽視発言に心の闇を感じ、その闇の部分が気に入ったと明言する人も大勢います。
言動の裏を読み、りあむの家庭環境や心の機微を考察し、その過程で好きになる人も少なからずいる模様。
中には、総選挙におけるガチャブーストをはじめ近年の状況に不満を抱いていて「りあむに選挙を滅茶苦茶にして欲しい」と願うP(プロデューサー)も少数ながら見受けられ、トリックスター的な存在として期待を寄せられているパターンもあるようです。

pixivやTwitterなどのファンアートから興味を持った人も多いみたいですね。
病み属性&パンクなファッションピンク髪&巨乳の相性の良さ、そして何よりノーマルのあのドヤ顔が多くの絵師の琴線に触れたらしく、登場直後から膨大な数のファンアートが投稿され続けています。
登場直後のアイドルがここまでの人気を獲得するのは異例です。

しかし、一方で不支持層も相当数います
まだ出てきたばかりの時期にもかかわらず不支持層の意見が苛烈を極め、ブログやSNSで長文の投稿を行う人が続出する異様な事態になっているのです。
これまで大勢の人気キャラ、人気アイドルを生み出してきたデレマスですが、このような極端に賛否が分かれたアイドルは恐らく初めてと思われます。

デレマスは2011年より配信を開始した人気ソーシャルゲームで、その母体でもあるアイマスも含めると15年近く続くロングランシリーズです。
デレマスだけでも約8年もの歴史があり、その間たくさんの人がこの作品に触れ、様々な個性を持つアイドルたちの中から自分にとって特別な存在を見つけ、そのアイドルのプロデュースに情熱を注いできました。
2015年以降はデレステも大成功を収めており、シリーズ規模はより拡大しています。

これだけ長く続いているコンテンツでありながら、CDは現在も毎年20タイトル以上がリリースされ、いずれも好調な売上を記録。
リアルイベントの規模は年々大きくなり、2018年には初の単独ドームツアーも行い成功を収めています。
日本全国のPにとってデレマスは終わることのないサクセスストーリーでもあり、自分の推しているアイドルはもちろん、デレマスのアイドルたちが躍動する姿を見守ることで、自身も昇っていく感覚や多幸感を得られるのです。

そして、コンテンツが長く続けば続くほどP本人にも歴史が生まれます。
推しメンが選挙で高順位になれば歓喜し、期待に届かなければ落胆する。
その一喜一憂全てがPにとって推しメンと苦楽を共にしてきた大切な思い出となり、何ものにも代え難い宝物になっているのは間違いありません。

しかし、長期にわたって続くコンテンツには例外なく弊害が生まれるのも、動かし難い事実です。

毎年数多くのアイドルが新たに登場し、その人数が増えれば増えるほど既存アイドルの存在感は少しずつ薄れていきます
新しいアイドルに注目が集まるのは当然であり、そうでなければ新陳代謝が悪くなり、コンテンツそのものが停滞してしまうので仕方がない……と割り切ろうとしても、ずっと推してきたアイドルのスポットライトを浴びる機会が減り、大勢の中の1人と認識されていくようになるのは辛いもの。
デレマスそのものが盛り上がる喜びと、推しメンの脚光を浴びる機会が減っていく悲しみを両方抱えながら、古参Pはデレマスと日々向き合っていると思われます。

また、定番ソシャゲとして完全に定着している以上、ある種の閉塞感も生じます。
アイマス全体の市場規模はどんどん拡大してきましたが、ゲームとしての鮮度、アイドルコンテンツとしての瑞々しさはどうしても目減りしていきます。
ユーザー以外の人たちにとっては既に「もう語り尽くされたコンテンツ」となっているため、大きな話題にはなり難い段階になっているのです。

それはユーザーであるPであっても例外ではありません。
新規アイドルの登場に湧き、期間限定ガチャに一喜一憂し、デレラジに耳を傾け、CDの発売日にワクワクし、総選挙の結果に恐々とし、ライブに熱狂する……その時その時は楽しくても、どこか予定調和の日々になってしまっていると感じるPも少なからずいることでしょう。

そんな時期に登場したりあむは、デレマスおよびデレマスを愛するPにとって劇薬と言うべき存在となりました。

りあむが登場して以降、デレマスの話題の多くは彼女が牽引し、特にSNSで取り上げられる頻度は過去に類を見ないほどの勢い。
各まとめサイトでも毎日のように「夢見りあむ」の名前を目にするようになって、デレマスに無関心だった層や興味が薄れつつあったPさえも引き付けるトピックになり、ロングランコンテンツ特有の閉塞感は完全に吹き飛びました。

新アイドルの評判が良く「新星が現れた!」と話題になるのは、可能性の高低はともかく十分にあり得ることです。
しかし、それだけでは中々ファン以外にまで波及しません
りあむの場合、彼女に対する各Pの応援の声と拒絶反応があまりにも大きく、それが起爆剤になって作品の枠の外にまで届いたのでしょう。

夢見りあむは登場から僅か数ヶ月で、歴史に名を刻むアイドルになりました。

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