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Apr
【俺ガイル】一色いろははあざとさと可愛さと素敵な何かで出来ている
戸部に見せる「素」は保身
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いろはが素を見せる数少ない1人の中に、同じサッカー部の戸部も含まれています。
となると、彼にも素を見せるメリットが存在している……といろはが考えていることになりますね。
一体何がメリットになるのでしょう。
戸部というキャラは、良く言えばノリの良いムードメーカー(葉山談)、悪く言えば騒々しいお調子者(雪乃談)。
本人の性格がチャラいため、周囲の扱いも自然とイジリキャラに対するそれになっていきます。
葉山グループはもちろん、サッカー部でも同じような扱いなのは想像に難くありません。
そのため、戸部に対してはイジるのが唯一の正解。
もし彼に対し、他の男子にするようなあざとさを見せれば、周囲から「特別扱いしている」と見なされる可能性が高いです。
よって、いろはが戸部に素を見せているのは、そうするメリットがあるというより、そうしないデメリットが大きいからと考えられます。
このことからも明らかですが、いろはは人間関係に関してはかなりクレバーで、八幡もそう解釈しています。
ですが、彼女はまだ高校1年生。
全ての言動において、自分の戦略を徹底できるかというと、どうやらそうではないようです。
葉山に告白したのは「終わらせて始めるため」
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いろはは葉山に対して好意を抱いていますが、これについては議論の余地があります。
すなわち「いろはは本当に葉山に異性として惹かれているのか?」という議題です。
葉山はクラス内どころか学年でも最も有名な男子生徒で、サッカー部ではエース、顔もイケメン、そして成績も良い優等生。
クラスの女王的存在の三浦優美子(みうら ゆみこ)をはじめ、男女問わず多くの生徒から慕われており、その名声は下の学年にまで響き渡っています。
ブランディングを重要視するいろはにとって、葉山が彼氏となれば最高のステータス。
よって「打算的な理由で葉山を彼氏にしたがっているのではないか」と感じているファンは少なくないでしょう。
しかし、どうもそうではないようです。
八幡が奉仕部の部室で雪乃と結衣に「本物が欲しい」と言ったのを扉越しに聞いていたいろははそれに感化され、葉山に告白しました。
彼女がどんな「本物」を欲しかったのかは、八幡をもってしても想像できなかったようです。
素直に考えれば、「本物の愛が欲しい」といったところでしょうか。
その上で葉山に告白したということは、葉山に本物の愛を求めている……と思わず考えてしまうところですが、それは恐らく違います。
いろはは告白してもOKが貰えないことはわかっていました。
その後に彼女は「八幡にあてられてつい勢いで告白した」と言っていましたが、十中八九そうではないでしょう。
いろはは「葉山に恋する自分」を自分自身に向けて演じているような感覚だったと思われます。
それは決してポーズではなかったのでしょうが、どこかに「一色いろはが恋をするなら葉山先輩が妥当」という俯瞰や打算も入っていたと思われます。
ならば当然本物とは言えないので、告白することで一旦終わらせたのです。
その後「この敗北は布石です」と言っているように、いろはは葉山のことを諦めていない……ように見せていますが、それは強がりですらないのでしょう。
直後に八幡の耳元で「責任、とってくださいね」と囁くあざとさ全開の彼女を見るに、葉山への幻想じみた恋を終わらせ「失恋した」という事実を使って、自分にとって「本物」である八幡にアプローチを始めたと考える方が、彼女の性格上自然です。
「葉山への恋が偽物だった」と八幡に見抜かれるのは、いろはにとって本意ではないはずなので、葉山への告白と失恋は絶対に必要だったのです。