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【デビルマンクライベイビー】賛否両論の問題作!ネタバレ解説と感想まとめ
エログロバイオレンスへの感想
そして本日はこのあともうひとつお知らせが…!#デビルマン#DEVILMAN#DEVILMANcrybaby pic.twitter.com/Ax1NgQwyWE
— 『DEVILMAN crybaby』公式◇Netflixにて配信中◇BDBOX発売中 (@DevilmanCryBaby) June 20, 2018
ネット配信作品ならではの容赦のなさ
『デビルマン クライベイビー』は漫画版『デビルマン』を初めてラストシーンまで映像化した作品です。
「ヒーロー」としての明(デビルマン)の活躍を強調した旧アニメ版とは違い、漫画版は人間の業や剥き出しの本能・欲望を過激な描写で表現しています。
テレビアニメとしてこの漫画版をアニメ化することは困難と言われてきましたが、webアニメとして製作された今作ではそれらの過激で残虐なシーンをしっかりと描くことで漫画版のテーマを受け継ぎ表現できている、という感想も見られました。
苦手な人にはオススメできない作品?
しかし、そういった過激な描写はそもそも「見る人を選ぶ」表現方法であるため、「面白いと感じても薦めにくい作品」という理由のひとつになってしまっています。
容赦のない暴力的・性的なシーンに生理的嫌悪感を抱き、先が見られなかったという感想も少なくないようです。
裏返せば、「人間が、時に目を背けたくなるような本能」がこの作品のテーマに込められ、視聴者に作用しているとも言えます。
原作からのアレンジへの感想
https://twitter.com/DevilmanCryBaby/status/1009364847643918341
現代の文化との融合
『デビルマン クライベイビー』の感想で賛否が分かれるポイントとして、「原作から改変された部分がストーリーに活かされているか?」というものが挙げられます。
その一例が「ネットを駆使する登場人物たち」です。
時代背景は今作が配信された2018年に合わせられ、登場人物はスマホを使い、SNSやネットニュースを利用しているシーンが多くあります。
現代社会の私刑
このことに関しては、好意的な感想も多く見られました。
美樹が明への愛を訴えた結果、魔女狩りにあうという悲劇の引き金になったというエピソードでも用いられたSNS。
「恐怖の伝播スピード」「歪んだ正義感」「根拠のないデマやネットリンチ」という現代社会の問題点に繋がる部分もあり、リアリティのある絶望が描けていたと評価する声もあります。
カットされた部分には不満も
全10話ということもあり、『デビルマン クライベイビー』はかなり展開が早く、説明不足だという感想も多数あります。
そのひとつが「悪魔と人間の合体」の設定です。
魂として存在する悪魔は本来「理性を保った人間」とは合体できません。
合体に失敗して両者が命を失うか、人間の理性に負ければ悪魔の意識(魂)は消滅してしまいます。
人間の理性が失われて初めて「悪魔が人間と合体する(人間を乗っ取る)」ことが可能となるのです。
これは後半、悪魔狩りを始めた人類が正気を失い「悪魔のような恐ろしい一面を露わにする」という展開のメタファーにもなっていきます。
原作ファンからの反応は?
「説明不足で共感できない」とされる部分は他にもあります。
了の行動原理に説得力がないことや、私刑を行っていた人間たちが次々と改心していく場面など、やや強引にストーリーが展開していく部分があることは否めない今作。
全5巻の原作内容をたった10話でまとめ、現代に適応した新たなテーマを盛り込むにあたって削られた描写があることは、かねてからの原作ファンには少し物足りなかった部分もあったのかもしれません。
まとめ
『デビルマン クライベイビー』には原作漫画と同じく奥深いテーマが盛り込まれています。賛否の意見がぶつかりあうエネルギーに満ちた今作を、ぜひ隅々まで味わってみてください。