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【宝石の国】2期の可能性を徹底検証! 鍵はアニメ放送後の原作人気にあり?
出展 : Amazon.co.jp
2017年秋に放送され、高い評価を得たフルCGアニメ『宝石の国』のアニメ2期が実現するかどうか徹底検証!
あの美しい映像作品がアニメ業界にもたらした功績を振り返りつつ、2期の可能性について考察していきます!
『宝石の国』概要
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『宝石の国』は、市川春子先生が月刊アフタヌーンで連載しているマンガ作品です。
2012年に連載を開始し、その翌年に単行本1巻が発売された際にはスタジオ雲雀制作によるフルアニメーションPVを公開。
「このマンガがすごい! 2014年」オトコ編第10位にランクインするなど、かなり早い段階で注目を集めました。
本作は、6度の流星襲来により「にんげん」が骨・肉・魂の3つに分かれた世界のお話。
その中の「骨」に該当すると言われている人型の体を持った宝石たちが、指導者である金剛(こんごう)先生と共に、宝石たちを連れ去ろうと月から来襲してくる月人(つきじん)たちと命がけで戦う日常が描かれています。
“フォス”の愛称で呼ばれる主人公のフォスフォフィライトは宝石の中で最も若く、硬度と靭性が低い上に色合いが月人の好みのため狙われやすく、戦闘にはまるで不向き。
あまり後先考えず行動するトラブルメーカーで他の宝石に迷惑をかけることも多く、それでいて口だけは達者なので自他共に「役立たず」と認識していました。
そんなフォスが、強力な上に制御不能な毒液を放出する性質のため他の宝石たちと一緒にはいられず「月人が現れない夜の見回り」という無意味な仕事に縋るしかなかったシンシャに「君にとって有意義な仕事を見つける」と約束したことで、物語は動き始めます。
本作のストーリーは神秘的な謎に満ちており、それでいてたくさんの挫折や仲間との離別など厳しい試練もあり、その中でフォスは何度も劇的な変化を遂げます。
そして、フォスと他の宝石たち、更には金剛先生との関係性も大きく変わっていきます。
2017年秋に放送されたテレビアニメでは、その変化の過程である原作コミックスの5巻までが映像化されました。
2018年12月現在、原作コミックスは9巻まで発売済。
10巻がリリースされる頃には、2期を制作できるだけのストックが溜まることになります。
ただし、アニメ化以降のストーリーは衝撃的な展開が多く、区切りを付けるのが難しい状況です。
ストック面で問題はなくとも、どこまでをアニメ化するかという点においては問題があると言えるかもしれません。
フルCGアニメのメリット
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『宝石の国』のテレビアニメはPVを作ったスタジオ雲雀ではなく、オレンジが制作しました。
オレンジはCGアニメの制作を行っている会社で、2013年に放送された動画工房との共同制作アニメ『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』より制作元請に進出。
単独での制作元請作品は『宝石の国』が初となります。
その本作の円盤売上は1巻が8000枚以上。
平均でも6000枚を上回っており、一般的に2期制作ラインと言われている5000枚を上回っています。
何より、オレンジ初の単独制作元請作品でありヒットも記録した本作は、制作サイドの思い入れがかなり強いと予想され、2期が制作される可能性は高いと言えるでしょう。
一方で、気になるのがコスト面の問題です。
フルCGアニメは近年増加傾向にあり決して珍しくはないのですが、まだまだその歴史は浅く新規の分野。
どれくらいのコストと時間がかかっているのかは不明瞭です。
映像作品を作る上で重要な要素の一つに採算ラインがあります。
商業作品である以上、採算が取れるか否かは最重要課題。
どれだけ高い評価を受け、高いセールスや興行収入を記録したとしても、それ以上に制作費用や宣伝費などの出費が嵩んでしまったら失敗作となってしまいます。
顕著な例が2001年に公開された映画『ファイナルファンタジー』ですね。
国民的RPGを映像化、しかも世界初となるフル3DCGによる映画ということで大きな注目を集めたこの作品は、全世界興行収入8513万ドル(当時の為替レートで98億円)を記録。
興行収入約100億円というと大ヒット映画のように思ってしまいますが……この映画には制作費が1億3700万ドル(157億円)かかっており、FFシリーズの制作会社であるスクウェアが傾きかける大赤字を出してしまいました。
では、『宝石の国』のコストはどれくらいかかったのでしょう。
実際にかかったコストは当然スタッフでなければわかりませんが、3DCGアニメにおけるコスト面の特徴を掘り下げることで、ある程度の状況が見えてきます。
『シン・ゴジラ』などで知られる樋口真嗣監督のインタビューによると、3DCGアニメと2Dアニメではコスト計算の方法が異なるようです。
2Dアニメは当然、作画枚数がそのままコストに直結しますが、3DCGアニメの場合はシーンとキャラクターの数が重要とのこと。
モデリングする対象が多いほどコストがかかるということですね。
『宝石の国』は一般的なアニメと比較し、キャラクターの数は明らかに多いです。
クオリティも高いため、コストはそれなりにかかったと予想されます。
しかし、CGアニメにはランニングコストにおける大きなメリットがあります。
一度モデリングした素材を使い回せるという点です。
よって、同じキャラクターが登場する2期以降を制作する場合、1期よりも制作費を抑えられるのです。
そのため『宝石の国』は同水準の利益を生んだ2Dアニメと比較すると、続編を作りやすい状況にあると予想されます。
制作時間に関しては、普通の作画より大幅に時間がかかったとのこと。
これはオレンジが初めて単独での元請を担ったため、まだ慣れていない部分があったからと京極監督がインタビューで見解を述べていました。
もし2期を制作することになれば、その点も大幅な改善が見込めそうです。