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Sep
【熱帯魚は雪に焦がれる】友達以上百合未満の関係を繊細に描く注目の一作 #はにがれ #熱帯魚は雪に焦がれる
出展 : Amazon.co.jp
電撃マオウで連載されている『熱帯魚は雪に焦がれる』についてまとめてみました!
新進気鋭の百合作品として厚い支持を集め、「次にくるマンガ大賞2018」でもTOP10入りを果たすなど高い評価を得ている本作の魅力について語ります!
転校生の後輩と憧れの先輩による百合物語
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『熱帯魚は雪に焦がれる』は、萩埜まこと先生が電撃マオウで連載中のマンガ作品です。
2017年6月より連載を開始し、2018年には「次にくるマンガ大賞2018」にノミネートされ10位にランクインするなど注目を集めています。
2018年8月は、コミックス最新巻となる第3巻が刊行されました。
本作の内容紹介文には「マジメ系不器用先輩と強がり系不器用後輩のガールズシップ・ストーリー」とあります。
この「ガールズシップ」というのは、恐らく「friendship(友情)」、或いは「kinship(親戚関係)」といった接尾辞「ship」のニュアンスを含んでいると思われます。
つまり、「少女間の親愛の情」「少女同士の関係」といった意味ですね。
この紹介文が示すように、『熱帯魚は雪に焦がれる』は2人の少女の関係性を描いた百合物語です。
都会の学校から転校してきた女子高生・天野小夏(あまの こなつ)と、水族館部に所属する帆波小雪(ほなみ こゆき)の出会い、そして少しずつ育まれていく思慕の念が繊細に描かれています。
水族館部というとあまり聞き慣れない、架空の部活のように思われがちですが、なんと愛媛県立長浜高等学校に実在しています。
奇しくも作者の萩埜先生の出身県と同じだった縁もあって取材を行い、部員や顧問の水族館に対する情熱や姿勢に感動して、本作のテーマに「水族館部」を選んだ……と1巻のあとがきで語られています。
作中の高校名は「七浜高校」で、長浜高校をモチーフとしていることが一目でわかる高校名になっています。
ちなみに、長浜高校の水族館部は国内初となる「高校生が水族館を管理・運営する部」です。
長高水族館という名称で、高校内に存在するという世にも珍しい水族館になっています。
1巻の冒頭に登場する水槽のディスプレイは、この長高水族館を忠実に再現しているため、高校生による水族館のレアな風景を見られる資料的価値の高い作品とも言えます。
初見のイメージとは違う意外な関係性
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水族館部および水生動物に関してもしっかり描かれている『熱帯魚は雪に焦がれる』ですが、メインとなるのはやはり小夏&小雪の関係です。
小夏は当初、転校してきたばかりで不安も多く、ぼっち気質な印象を受ける女の子。
一方の小雪は男女問わず校内の生徒から一目置かれる存在で、告白してくる男子もいる人気者。
月に一度校内で開いている水族館をたまたま見にやって来た小夏に、水族館部唯一の部員である小雪が話しかけたことで縁が生まれ、小夏は水族館部へと入部することになります。
その出会いのシーンだけを見ると、「気弱な転校生を優しい先輩がエスコートする百合モノ」の予感を与えますが、その後の展開は全く違います。
小夏は意外と気さくな一面もあって、先輩である小雪に対して二度目の出会いの時点でタメ口だったりします。
そして小雪も完璧超人のような印象とは裏腹に、寂しがり屋で臆病な面もあり、むしろ小夏の方がリードするような関係性です。
百合に関しては、露骨にそれを描写する訳ではありませんが、結構しっかりと友情以上の感情であることが随所で示唆されています。
特に小雪→小夏に関しては百合成分が強めで、自身もそれを自覚しているようです。