17
Apr
女子高生が南極を目指すアニメ『宇宙よりも遠い場所』は笑いと感動の宝庫
みんなの“温度計”三宅日向
明るく人懐っこくて空気も読める、なのに集団生活が苦手で高校も中退してしまった――――三宅日向(みやけ ひなた)はそういうアンバランスな女の子です。
勿論、それには理由があります。
その理由から解き放たれる為、真っ白な大地と自分を目指して日向はキマリたちと一緒に南極へ向かう事を決めました。
彼女は学歴こそ中卒ですが、利発で聡明。
他人がどういう意図でその発言をしたのか、どう思っているのか的確に理解し、キマリや報瀬に教えるシーンが随所に見られます。
冗談やボケで場の空気を和ませるのも得意。
その場の温度を正しく測定して報せる温度計のような存在と言えます。
もし日向がいなければ、キマリたちの旅は何度も躓きギスギスしていた事でしょう。
ただ、そういった長所が時として短所にもなるのが厄介なところ。
空気を読め過ぎるからこそのギスギスというのも、この世にはあるんです。
担当声優は井口裕香さん。
ムードメーカーならではの明るい声をキャッチーに、何処か張り詰めたような弱々しさを繊細に演じていました。
みんなの“ヘッドランプ”白石結月
タレントとして幼少期から仕事をしている白石結月(しらいし ゆづき)にとって、「友達」は遠い存在でした。
仕事の都合であまり学校に行けない為クラスに溶け込めず、意を決して「友達になってください」と話し掛けてもタレント扱いされ、一緒に遊ぶ時間もないまま疎遠になっていく。
そんな彼女の転機となったのが、「南極に行くお仕事」でした。
キマリたちにとって、結月は南極への道を照らすヘッドライト。
同時に、嘘をすぐに見抜く感度抜群のライトでもあります。
大人たちに囲まれて生きてきた彼女ならではの特技なのかもしれません。
しかしそのライトは、「友達のつくりかた」は照らしてくれません。
なぜなら、結月自身がそれを見つけられないからです。
結月の南極への旅は、お仕事というだけでなく「友達」を見つける為の旅でもあります。
愛想良く笑顔を振りまくタレントとしてではなく、少し疑り深くて子供っぽい一面もある等身大の女子高生として向き合える友達と、その意味を。
担当声優は早見沙織さん。
「軽く死ねます」という彼女の口癖を可愛く思えるのは、間違いなくこの方の声質の恩恵だと思います。