17
Apr
女子高生が南極を目指すアニメ『宇宙よりも遠い場所』は笑いと感動の宝庫
みんなの“コンパス”玉木マリ
何かをしたい、でも何もできない。だから漫然と日々を過ごしている。
“キマリ”こと玉木マリ(たまき マリ)は、そんなどこにでもいる普通の女子高生でした。
青春を謳歌したいけど、そのきっかけをどうしても見つけられなくて、モヤモヤした日々を送っていたのでしょう。
そんな彼女が、南極を目指す同級生・小淵沢報瀬(こぶちざわ しらせ)と出会う事で『宇宙よりも遠い場所』という物語は幕を開けます。
敢えてイジワルな解釈をすれば、報瀬の夢に乗っかったと言えるのかもしれません。
少なくとも物語当初の時点では、キマリの青春が南極である必要はなかった筈です。
でも彼女は南極を、報瀬を選んだ。それが“よりもい”の出発点であり根っこの部分なんです。
そんなキマリは、他の3人にとって道を示すコンパスのような存在だったのではないでしょうか。
担当声優は水瀬いのりさん。
好奇心旺盛で明るく感受性豊かなキマリの喜怒哀楽を、とても明朗に表現していましたね。
みんなの“ライター”小淵沢報瀬
行き先が南極でなければならない唯一の人物。
それが小淵沢報瀬(こぶちざわ しらせ)です。
報瀬の母親は南極観測隊員で、彼女が中学生の時に南極大陸で行方不明になりました。
調査は打ち切られ、安否は不明。
状況的に生存は絶望的であり、けれども死を確定させるものは何も届かない。
届かないのだから、どう受け入れて良いのかわからない。
報瀬はずっと、その自分自身とどう向き合えば良いのかわからずに生きてきました。
だから彼女は南極を目指します。
どれだけバカにされようと、笑われようと、辛いバイトの日々に耐え100万円という大金を貯めました。
その100万という金額には、何の根拠もないというのに。
その根拠のなさと直向きさが、報瀬そのものと言っても過言ではないでしょう。
外見は如何にもクールビューティーなエリート学生っぽいのに、実際の中身はポンコツで意地っ張りで直情型。
そんな彼女が心の中に点けた火は、他の3人の心にも燃え移り、やがて一つの大きな炎となって、やがて南極観測隊員全員を温める事になります。
担当声優は花澤香菜さん。
既にベテランの域に達しつつある豊富なキャリアは伊達じゃなく、報瀬の複雑かつ切実な感情を見事に演じ切っていました。