アニメ・漫画・ゲーム・コスプレなどの気になるコンテンツ情報が盛りだくさん!

MENU

26

Feb

ジャンプのラブコメ・恋愛マンガの成功条件とは? 『アオのハコ』『ニセコイ』など過去のヒット作をもとに徹底検証


(画像引用 : Amazon)

週刊少年ジャンプでは、1980年代から2020年代まで定期的にラブコメ作品が掲載され、紙上に華を添えてきました。
その中でも人気を博した作品を抽出し、共通点を分析。ジャンプのラブコメや恋愛作品が成功する条件を検証します!

ジャンプラブコメの歴史


(画像引用 : Amazon)

ラブコメディ、すなわち「ラブコメ」はエンターテイメントにおいて常に人気のジャンルとして幅広い世代に支持されてきました。
定義は比較的アバウトで、主人公とヒロインとの恋愛関係をメインに描いた作品の内、明るい作風のものは全般的にラブコメに分類される事が多いようです。

ラブコメという表現が使われるようになったのは1970年代頃からと言われています。
1969~1970年に週刊マーガレットで連載された『おくさまは18歳』がドラマ化され、爆発的なヒットを記録した事で注目を集めると、この作品のテンポの良いドタバタ劇とラブストーリーの共存がエンターテイメントの一形式として定着。
その後、1978~1981年に週刊少年マガジンで連載された『翔んだカップル』、1978~1987年に週刊少年サンデーで一時代を築いた『うる星やつら』などの大ヒットによって、ラブコメという言葉は広く浸透しました。

一方、週刊少年ジャンプは「努力・友情・勝利」という有名なスローガンに代表されるように、スポ根をはじめとした男臭い作品が主流でした。
そのためラブコメに関しては他の少年誌よりも後れを取っており、本格的に取り組んだのは1982~1983年連載の『キックオフ』が初めてと思われます。
(1981~1983年連載の『ストップ!! ひばりくん!』の方が先ですが、こちらは「女装した男の子が主人公かつヒロイン」であり、世のラブコメブームに対するアンチテーゼとしての側面が強く、その後に続くラブコメの流れとは一線を画した存在と言えるでしょう)

最初にジャンプで大ヒットしたのは、1984~1987年に連載された『きまぐれオレンジ☆ロード』です。
主人公の春日恭介が超能力を使えるという点は異質ですが、ミステリアスな黒髪ロングの同級生・鮎川まどかと自分を慕う天真爛漫な後輩・檜山ひかるとの間で織り成す三角関係を描いたストーリーは時にお色気あり、時に修羅場ありと起伏に富み、当時の読者を虜にしました。
シリーズ累計2000万部を記録した本作ですが、特にヒロインのまどかは当時のアニメファンの間で絶大な人気を誇り、数多くのアニメ雑誌の人気投票で1位となっていました。

この『きまオレ』以降、ジャンプではラブコメのヒット作が中々生まれず、1990年代に入って恋愛ストーリーの『電影少女』『I”s』がヒットを記録します。
作者は1980年代に『ウイングマン』を手掛けた桂正和先生。
当時からお色気要素を交えた描写が人気を博していましたが、『電影少女』『I”s』はその路線を継承しつつもコメディ要素は排除し成功を収めています。

『電影少女』『I”s』が受けた背景としては、桂先生の圧倒的画力で描かれる緻密な絵の魅力と少年誌の限界を引き上げたとされる性描写が有名ですが、それ以外にもリアルさを追求した細かい心情描写があります。
単純な女性キャラの肌の露出だけではなく、そこに至るまでの過程と各キャラの心理をじっくり描く事で生々しさが生まれ、過去のラブコメにはない刺激を読者に与えました。
男性読者の人気が高い事は想像に難くない二作品ですが、実は女性からも支持されていたのです。

一方で、その生々しい部分を継承しつつ、少年誌のラブコメらしい部分を強調したのが2002~2005年の『いちご100%』です。
マガジンの『ラブひな』など、ハーレムものが台頭してきた時代とあって本作も複数のヒロインを配置。
最終的にメインヒロインとして描かれていた東城綾ではなく西野つかさが主人公と結ばれるという、ラブコメとしては異例の結末を迎えました。

2006年に連載がスタートした『To LOVEる -とらぶる-』は、ハーレムとお色気に特化したジャンプ史上最もラブコメらしいラブコメ。
絵の魅力と過激さという点では『電影少女』『I”s』と共通していますが、それ以外は寧ろ真逆の作風で、ファンタジー要素による奇想天外な展開で主人公の結城リトがたくさんのヒロインの痴態に遭遇します。
この一連の描写は「ラッキースケベ」と呼ばれ、広く普及しました。

2010年代に入ると『ニセコイ』『ゆらぎ荘の幽奈さん』『ぼくたちは勉強ができない』といった作品がアニメ化を果たしています。
いずれもハーレム系の作品で、複数のヒロインを配置している点が共通しています。
そして2020年代には青春ストーリー『アオのハコ』が人気を博し、2024年よりアニメが放送されています。

「ラブコメ」と「恋愛ストーリー」では読者層が違う?


(画像引用 : Amazon)

前項でも軽く触れましたが、ラブコメは恋愛を扱う作品の中でも明るい作風の物語をカテゴライズする言葉として普及しています。
コメディという言葉を用いてはいるものの、必ずしもギャグなどの笑える要素が入っている必要はなく、どちらかというと恋愛に対する作品としてのアプローチの方向性が重要で、キャラ描写よりも恋愛そのものの描写を軸にしている作品はラブコメと分類されない傾向が見受けられます。

例えば『アオのハコ』は、軽妙なやり取りやデフォルメ描写も多く、その点だけを見ればラブコメと言えなくもない作品です。
しかし本作はラブコメとカテゴライズされる事もあるとはいえ、全体として見ると「恋愛もの」とする傾向が強く見受けられます。
実際、本作を読み進めていくとラブコメというよりは恋愛ものという方がしっくりきます。

その理由を考えてみると、やはり主人公の猪股大喜の恋愛に対するアプローチが主因だと感じます。

彼は物語冒頭から先輩の鹿野千夏に恋しており、そんな千夏先輩が突然実家に居候するところからストーリーは始まります。
この導入部だけを見れば、寧ろ古典的なラブコメの印象さえ受けますが、その後は大喜が千夏先輩の人間性にひたすらフォーカスしていく描写が続きます。
昔ながらのラブコメなら、同じ屋根の下にいるヒロインと風呂場で遭遇するなどのお約束なラッキースケベがあったりしますが、本作ではそのようなシーンは一切描かれず、いわゆる男性読者に対するサービスシーンは皆無です。

少年誌のラブコメの場合、恋愛を軸として描くというよりは「ヒロインを如何に可愛く魅力的に描くか」が軸になっている作品が目立ちます。
まずヒロインが見た目や行動で読者を魅了し、それを主人公が讃える事で読者の共感を得るという構図ですね。
それに対し、非ラブコメの恋愛ものは恋愛そのものが軸になっていて、「この作品の恋愛哲学はこうだ!」という内容を作品全体、或いは主人公から伝える手法になっていると感じます。

ジャンプにおいては特にこの傾向を強く感じます。
2000年以降のヒット作の中でラブコメに分類されるのは『いちご100%』『To LOVEる -とらぶる-』『ニセコイ』『ぼくたちは勉強ができない』などですが、これらの作品は全てキャラありき、ヒロインありきのマンガと言えます。
実際、いずれの作品も連載中、或いは連載終了後において「どんなヒロインがいるか」「どのキャラが人気か」に注目が集まっていました。

これはジャンプに限った話ではありませんが、ラブコメと非ラブコメの恋愛ストーリーでは、読者層が異なると思われます。
前者は魅力的なキャラを見たい、そういうキャラの新たな一面や可愛い部分を読ませて欲しいという読者が多く、後者は各キャラの心情に触れたい、胸がキュンキュンするシチュエーションが見たいという読者が多い筈です。

ただ、ジャンプに関してはラブコメも恋愛ストーリーも含めた全てのヒット作に共通する点があります。
ここからは、その共通点を踏まえた上で成功するための条件を検証していきます。

ジャンプ人気恋愛作品の主人公の共通点


(画像引用 : Amazon)

ジャンプの恋愛作品には、共通する幾つかの要素があります。
まずは主人公
実は主人公が最も共通点が多く見受けられます。

まず、主人公が設定上イケメンではなく血統にモテ要素がない事
少女漫画ではイケメンである事がほぼ必須、青年誌でもイケメン主人公の恋愛作品は多数ありますが、少年誌は昔からラブコメにおいては外見的特徴の少ない主人公を描いており、ジャンプは特にそれを徹底しています。

ハーレム系ラブコメの場合、主人公が大勢の美少女にモテる設定上、主人公にモテ要素がなければ説得力に欠けそうなものですが、その理由を外見にする事は決してありません。
バトルマンガの場合は主人公の強さに説得力を持たせたりストーリー上の広がりを意識したりしてか、主人公の大半が血統的に優れていますが、恋愛作品に関しては生まれ持った素質でモテ要素を表現する作品は皆無と言って良いでしょう。

また、近年は変わり者を主人公に据える恋愛作品が多く見受けられますが、ジャンプではその路線も避けています。
例えばジャンプ+の場合は「3次元の女に興味はない」と主人公が断言する『2.5次元の誘惑』などがありますが、ジャンプではほぼ皆無。
いわゆるフツメンと呼ばれるような主人公が大半を占めています。

これは、ジャンプが主人公への共感を第一に考えているからと思われます。
週刊少年ジャンプという雑誌は過去50年、ほとんどの時期でマンガ雑誌の発行部数1位を堅持しており、読者が最も多い雑誌です。
そのため読者層も大きな偏りがなく、平均的な男子や男性が最も多いと予想され、その読者層の共感を得るために出来るだけ平凡な主人公を設定しているのでしょう。

しかし、これがヒットしたラブコメになると少し違いが現れてきます。
テレポートなどの能力を使える『きまオレ』の春日恭介、学業はイマイチでも身体能力は高くラッキースケベを引き寄せる性質を持つ『To LOVEる』の結城リト、ラブコメの定番である難聴系主人公を極めた上、多くの問題発言で読者の反感を買った『ニセコイ』の一条楽など、人畜無害なようで意外とクセのある主人公が多く見受けられます。
共感する要素と、キャラが立っている事の両方が求められるようです。

逆に非ラブコメの恋愛作品の場合は、そういったクセはなく「冴えない男子」「競技に熱中するスポーツマン」くらいの、ごく普通の人物として描かれている作品ばかりです。
キャラよりも恋愛そのものが軸になっている作品においては、強すぎるクセはノイズになってしまい恋愛の邪魔になるという印象を持たれかねないため、この共通点は読者層を意識した結果と言えそうです。

同様に、主人公のスタンスに関してもラブコメと非ラブコメとでは傾向が異なります。
ラブコメの場合は複数のヒロインの間で揺れ動いたり、八方美人のように各ヒロインに優しくしたりする主人公ばかりです。
ジャンプラブコメの主人公は優柔不断、もしくは恋愛感情に対し極端に鈍い事が共通点としてあげられます。

逆に非ラブコメの恋愛ものは、恋愛に対しかなり積極的な主人公ばかりです。
『電影少女』の弄内洋太、『I”s』の瀬戸一貴、『アオのハコ』の猪股大喜はいずれも冒頭から特定の女性に想いを寄せています。
受け身の主人公が大半を占めるラブコメとは全く違い、これも読者層からの共感や好感度を意識した結果と思われます。

ヒロインの共通点


(画像引用 : Amazon)

ジャンプ作品で人気を博した恋愛ものには、「主人公に献身的に尽くすヒロイン」が必ずと言っていいほど一人はいるという共通点があります。
『きまオレ』の檜山ひかる、『てんで性悪キューピッド』の聖まりあ、『電影少女』の仁崎伸子、『いちご100%』の北大路さつき、『To LOVEる』のモモ、『ニセコイ』の橘万里花などが該当します。
『アオのハコ』の蝶野雛も、当初は悪友のようなポジションでしたが、次第に尽くすヒロインへと変貌していきました。

このタイプのヒロインが非常に多いのは、ジャンプに限らず少年誌のラブコメあるあると言えますが、ジャンプに関しては特に目立っていて、ほとんどの恋愛作品で一人はこのポジションのヒロインがいます。
その背景にはあるのは、昔から続く少年誌の伝統です。

今でこそ女性がほとんど登場しないマンガは沢山ありますが、まだWEBマンガが普及していなかった2010年頃までは、ラブコメ要素があまり必要ないスポーツマンガやバトルマンガであっても、男性主人公に対しヒロインを配置するのが鉄則でした。
そして、昔ながらのバトルマンガやスポーツマンガは主人公が勝ち気な性格ばかりだったため、その対比もあってヒロインはそんな主人公を一途に支える女子というパターンが非常に多く見られました。
単純に、こううったタイプのヒロインが男性読者に受けやすいという事情もあったと思われます。

その後、時代は移り変わり様々なタイプのヒロインが生まれ、ツンデレやクーデレ、無口など様々な属性のヒロインが誕生しました。
ジャンプでもそういったヒロインは様々な作品で登場しており、ヒロインの多いハーレム系ラブコメは特に多種多様なヒロインが配置されるようになりました。
それでも、尽くすタイプのヒロインは大抵の恋愛作品に登場し続けています。

伝統と少年誌らしさを守り続けているジャンプならではの特徴と言えるかもしれません。

そしてもう一つ、ジャンプの恋愛作品でよく見られる現象があります。
ヒロインの格差問題です。

これはどの雑誌、どのマンガにも言える事ですが、ヒットする条件の一つとして「人気キャラの輩出」があります。
ストーリーが好評を博すよりも、画力が際立つよりも、とにかく読者に圧倒的支持を得るキャラを一人作る方が圧倒的に売れやすい。
だからこそキャラクタービジネスが成り立っているとも言えます。

ジャンプは特にキャラクターの人気が前面に出る雑誌です。
誌上では大抵の人気作品が公式人気投票を行い、その結果で更に各キャラの人気を煽るといった手法で作品人気を肥大化させてきました。
近年でも『僕のヒーローアカデミア』が9回+全世界投票1回、『呪術廻戦』が4回の公式人気投票を実施しています。

そしてこの傾向は、恋愛作品においても顕著です。
前述したように『きまオレ』は鮎川まどかの人気が爆発した事で大ヒット作となり、『いちご100%』は西野つかさ、『ニセコイ』は小野寺小咲、『ぼく勉』は真冬先生こと桐須真冬の人気が作品を牽引しました。
『アオのハコ』は千夏先輩もそうですが、彼女たちのような一つ突き抜けた人気ヒロインの存在がジャンプの恋愛ものでヒットする条件の一つと言えるでしょう。

その中にあって、異彩を放っているのが『To Loveる』です。
この作品はジャンプ史上最も多くのヒロインが登場する作品で、その多さもあって人気は分散傾向にあります。
ネット上ではヤミこと金色の闇、古手川唯、リトの妹の美柑、モモの人気が際立っていますが、人気投票ではララ、春菜の人気も高く、黒咲芽亜や籾岡里紗のようにコアなファンから絶大な支持を得ているヒロインもいます。

ただ、この作品が生まれた背景には、当時『魔法先生ネギま!』のようにヒロインを大勢出す事を前提としたハーレムラブコメが全盛時を迎えていた事は無視できません。
ジャンプは流行に対して非常に敏感な雑誌で、そもそもラブコメ参入自体が他誌のヒットによるラブコメブームあってこそ。
そういう意味では、一対一ラブコメのブーム以降ヒロインの数を絞る傾向にある近年、『To Loveる』のような作品が誕生する可能性は低いと思われます。

ギスギスは排除が必須?


(画像引用 : Amazon)

その昔、恋愛作品にはギスギスやすれ違いが付きものでした。
特に三角関係を描いた作品ではどうしても避けられない展開で、ジャンプでも『きまオレ』の最終盤ではそのような展開がありました。
ただ、それが当たり前だった当時でも決して好評とは言えず、もしかしたらその時の評判が、以降しばらくジャンプからラブコメが消える原因の一つだったのかもしれません。

このギスギスへの拒絶反応は、恋愛マンガが大半を占める少女マンガにおいても例外ではなかったようで、近年の少女マンガはギスギス展開をできるだけ少なく、抑えて描く傾向が見られます。
当然、少年誌のラブコメはそれ以上に顕著で、ギスギス排除運動が盛んになった事もあって『からかい上手の高木さん』のような平和なラブコメが大ヒットし、一対一ラブコメブーム到来へと繋がったのかもしれません。

読者の望むものに敏感なジャンプも当然例外ではなく、『いちご100%』ではギスギスやすれ違いが多分に描かれましたが、以降のラブコメではほとんど見なくなりました。
ラブコメではなく恋愛ストーリーの『アオのハコ』ですら、三角関係に発展してもおかしくない構図でありながらギスギスを極力避けるような展開になっています。

特に印象的だったのが『ぼく勉』のマルチルート方式です。
本作は、当初第三のヒロインとして登場した武元うるかが主人公の唯我成幸と結ばれるかという展開でしたが、その後ヒロイン全員のルートを描く事が発表されたのです。
各ヒロインのファン全員に満足して貰いたいという意向だったと思われますが、まるでギャルゲーのようだと異を唱える読者も多く、物議を醸しました。

この試みが成功したかと言えば、YESともNOとも言えません。
賛否両論という言葉が最も相応しいように思われます。
読者が見たい物を見せる「読者誌上主義」とも言えるジャンプらしい決断でしたが、各ヒロインのファンの中には「唯一の勝者になって欲しかった」と思う人も少なからずいた筈です。

恋愛のギスギスを忌避する傾向は現在も余り変わっていません。
ただ、「ジャンプの恋愛ものはギスギス回避が絶対条件」とまでは言えないと思われます。

現在連載中のラブコメがヒットする可能性は?


(画像引用 : Amazon)

2025年2月現在、ジャンプで連載している恋愛作品は『アオのハコ』『ひまてん!』『シド・クラフトの最終推理』の3作品です。
『鵺の陰陽師』もヒロインを複数配置するなど恋愛要素が強めですが、あくまでメインはバトルファンタジーなのでラブコメとカテゴライズするのは難しいでしょう。

アニメ化も果たし、累計発行部数700万部を突破している『アオのハコ』は既に大ヒット作ですが、他の2作品は2024年に始まったばかり。
この2作品が今後ヒット作に育っていくかどうか、これまで検証してきた条件から予想していきます。

『ひまてん!』の主人公、家守殿一は高校生でありながら大学進学分の資金を稼ぐため家事代行の仕事をしている好青年です。
ただ、好青年以外の特徴はほとんどなく、現状ではフツメンの域を脱していない印象です。
過去にヒットしたジャンプラブコメの主人公と比べると、もう少しクセがあった方が良いかもしれません。

対照的に『シド・クラフトの最終推理』の主人公、シド・クラフトは、片思いした女性が犯人になりがちという不幸属性。
周囲からの人望も厚い名探偵ですが、中々クセのある人物でもあり、ヒットの条件を満たしています。

ヒロイン候補はどちらの作品も複数登場していますが、今のところ突出した人気を獲得しているヒロインはいないと思われます。
ただ『ひまてん!』の第三のヒロインとして登場した愛澤カンナは、初対面から家守に好意を抱き「尽くすヒロイン」の素質アリで、今後人気ヒロインになっていく可能性を感じさせます。
『シド・クラフトの最終推理』は怪盗「霧猫」の七代目を継ぐルル・シャノワールが同作者の『ぼく勉』の真冬先生を髣髴とさせるキャラとして注目を集めており、こちらも化ける可能性がありそうです。

ジャンプのラブコメは連載開始当初から爆発するケースは滅多になく、ヒロインが出揃ってから掘り下げていくまでの過程で徐々にファンを増やしていくケースが大半を占めています。
そういう意味では、両作品がヒットする可能性は十分にあると言えるでしょう。

まとめ

ジャンプは他のジャンルだと尖った作品をどんどん出していますが、恋愛ものに関しては保守的な傾向が強く、その中からヒットが生まれている印象です。
今後爆発的なヒットのラブコメ作品が生まれるとすれば、そんなジャンプの長年にわたる守りの姿勢をブチ壊すような破天荒な作品かもしれません。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です