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Jun
【BanG Dream! It’s MyGO!!!!!】長崎そよの変化と成長を考察! 名言「なんで春日影やったの!?」はどうやって生まれた?
「なんで春日影やったの!?」は如何にして生まれたか
(画像引用 : アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』公式サイト https://anime.bang-dream.com/mygo/)
MyGOを結成して以降のそよは、メンバーに対して常に優しく振る舞い、愛音のギターが上達している事に対しても人一倍称賛を送っていました。
それはまさに学校での彼女と同じ。
常に柔和な顔で穏やかにしていますが、何処か張り付いたような笑顔で、いわゆる「暗黒微笑」のような印象を受けてしまいます。
演奏に関しても立希から「前より下手になってる」と言われ、特に気にする様子もありません。
本腰を入れていないのは明らかで、一応真面目に練習には出ているものの心ここにあらずといった様子。
MyGOが本格的に始動して以降もそよの目的は一貫してCRYCHIC復活でしかなく、裏では祥子に話を付けるため彼女を追いかけ回していました。
しかし祥子は話を聞く気はないようで、待ち伏せするそよを回避し続けます。
とはいえ余りにしつこかった為さすがに観念し、睦と共にMyGOが初ライブを行う会場へ向かう事にしました。
そして初ライブ当日。
そよは他のメンバー同様サウンドチェックに臨みますが、なんとチューニングすらしていませんでした。
チューニングとは楽器を調律し、正しい音程で音を鳴らせるようにする事。
アニメでは『けいおん!』1期10話の合宿のシーンなどでおなじみですね。
ギターでもベースでも基本やり方は同じで、チューナーという音の高さを確認する為のメーターを用いて音を合わせます。
チューニングを行う頻度は人によって異なりますが、基本的には演奏を行う前に必ず行い、長めの練習の場合は休憩中にもう一度くらい行うケースが多いと思われます。
ライブ当日の場合はリハーサル前、本番前、そして本番中に数回行うのが基本。
サウンドチェックはリハーサルの際にセッティング(機材の配置)の次に行う作業なので、サウンドチェックの時点でチューニングをしていないのは通常あり得ません。
そよが余程の非常識人かド素人なら話は別ですが、彼女は当然どちらにも該当しません。
幾らMyGOに対して身が入らないとはいえ、チューニングを怠るのはミュージシャンとしてあり得ない事。
という事は、やる気がないというレベルの問題ではなく、わざとチューニングをしていなかったという判断に傾きます。
これに関しては明確な理由の描写はないので様々な解釈が可能ですが、「メンバーやスタッフに対しMyGOに本腰を入れていない事をアピールしておいた」というのが一番妥当でしょう。
そよはCRYCHICを元に戻す為に一時的にMyGOを立ち上げたつもりでいる為、MyGOに乗り気だと思われるのは後々困る筈。
あくまで自分の心はCRYCHICにあってMyGOにはないという証拠を残すつもりだったと思われます。
或いは自分自身にそう言い聞かせる目的もあったのかもしれません。
またメタ的な視点で言うと、気持ちがMyGOからズレているのを表現する為に描写したと考えられます。
音程のズレを直さない姿勢が、バンドに対する気持ちのズレのメタファーになっているという訳です。
そのような事態もあり、一体感など皆無という最悪の状況でMyGOの初ライブは始まりました。
いきなり愛音が失敗したり、燈の声が全然出なかったりと厳しいスタートとなりましたが、観客の中に祥子がいると気付いた事で燈は自分の歌声を取り戻します。
そして予定していた「碧天伴走」を演奏し終え、燈のMCに合わせてギターを弾いていた楽奈が突如「ある曲」のイントロをアドリブで奏で始めます。
愛音は慌てながら、立希は嬉しそうにそのギターに合わせ演奏を始めました。
その曲こそが「春日影」だったのです。
前述したように、春日影はCRYCHIC初めてのオリジナル曲。
しかし、それだけではありません。
燈の書いたその歌詞を見た祥子が涙を流しながら「春日影は私たちの歌ですのね」と呟いたように、この楽曲は単にCRYCHICの持ち歌という訳ではなく、燈が祥子と出会いCRYCHICが誕生するまでの経緯と心情を綴ったと解釈できる歌なのです。
そよにとっても春日影は特別な曲であり、CRYCHICを象徴する一曲。
CRYCHICの一員として楽しい日々を過ごした頃の思い出でもあります。
その春日影をMyGOとして演奏するのは、単にカバーするというだけの意味合いではありません。
CRYCHICが解散した状態で春日影をMyGOの曲として公に発表する以上、春日影はMyGOの曲だと宣言するに等しいのです。
それはつまり春日影がCRYCHICの曲ではなくなる、そしてCRYCHICというバンドをMyGOで上書きするという意思表示になってしまいます。
それはすなわち、CRYCHICへの決別を意味します。
CRYCHICに対して今尚強いこだわりを持ち、復活を望んで水面下で動いてきたそよにとって、MyGOのメンバーで春日影を演奏するのは自身を全否定するようなもの。
当然困惑するそよですが、ステージにいる以上演奏を拒否する訳にはいかず強張った顔でベースを鳴らします。
しかし一番のサビが終わった直後、彼女は泣きながら走り去っていく祥子を見てしまいました。
「CRYCHICは終わった」というメッセージを祥子に突きつけてしまった。
その事実にそよは愕然とし、それでも最後まで演奏を続けました。
曲が終わり、ステージから掃けた後も興奮冷めやらぬ愛音と立希、そして燈に対し、そよの怒りは頂点に達します。
そして鬼の形相で「なんで春日影やったの!?」と叫んだのです。
長崎そよの本性と変化
(画像引用 : アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』公式サイト https://anime.bang-dream.com/mygo/)
最悪の形で終わった初ライブの後、そよは祥子と会い弁明しますが……完全拒絶された挙げ句「あなた、ご自分の事ばかりですのね」と核心を突かれてしまいます。
そのショックもあって、そよは練習に顔を見せなくなりました。
これからバンドをどうするつもりだと立希に詰められるとついに本性を現し、今までCRYCHIC復活の為だけにやっていたと暴露。
愛音と楽奈に関しても「使えるから優しくしたけどCRYCHICには要らないよね。2人とも」と冷めた顔と声で切り捨てました。
そよの本心を聞き、「一生一緒にバンドやって欲しい」という燈の願いも裏切っていたとわかった事で立希は彼女を見限ります。
更に、その件を知った愛音も自分が最初から誰にも必要とされていなかったと察し、バンドから離れていきました。
壊滅状態となってしまったMyGOですが……その後、燈が奮起し一人でライブ(朗読劇)を行い、必死になって愛音も説得します。
CRYCHICではなくMyGOの5人でバンドをやりたいという彼女の想いに愛音は応え、そよを説得すべく接触を図りました。
一旦は無視したそよですが、ずっと付いてくる愛音に諦めたかのように自分の家にあげ、話をする事に。
愛音からバンドを続けていく覚悟を聞いたそよは、「だったら私が終わらせてあげる」と宣戦布告しライブ会場に乗り込みます。
彼女なりに、何かしらの形で落とし前を付けるつもりだったのでしょう。
そんなそよをステージ上から見つけた燈は一切躊躇せずフロアへ飛び込み、嫌がるそよの手を引いて無理やりステージへと上げました。
そよにとってMyGOはもう何の思い入れもないバンドだった筈ですが、ベースを渡され演奏が始まると、その音に合わせて自分も弾き始めます。
演奏は完全なアドリブで、燈はポエトリーリーディングで自分の想いを吐露。
「僕はあきらめたくない」「こんなふうに離れたくなかった」という燈の心の叫びに呼応するように立希、そして愛音が涙する中、そよもまたCRYCHICというバンドがもう存在しない事、そして自分の中に新しい音が芽吹き始めているのを自覚し、人目も憚らず号泣しながら最高の演奏をしてしまいました。
長崎そよという人物は、腹黒く猫かぶりで独り善がりで酷い事も平気でする悪女かもしれません。
しかしそれは、子供の頃からずっと本心を隠さなければならない環境で生きてきた彼女が身に付けざるを得なかった本性、とも言えます。
CRYCHICへの愛執も、解散の経緯が到底納得できるものではなく、それ故に想いが成仏できていなかったからなのです。
仮に祥子が脱退する理由を明言していたとすれば、そよも落ち込みはしたでしょうが、いずれは踏ん切りを付け新たな道を歩む事が出来たでしょう。
そういう意味では同情すべき点も多々あります。
根が真面目で純粋だからこそ他の誰よりCRYCHICに固執し、なりふり構わず僅かな可能性に賭け1人で最後まで足掻いていたのです。
そんな彼女の未練は、MyGOで演奏する事で生まれた「音楽での繋がり」によってようやく薄まりました。
以降、そよはメンバーに対して本性を隠す事をやめ、ローテンションで毒づく素の自分を曝け出すようになります。
決してメンバーに対して友情を抱いた訳ではなく、寧ろ愛音の言動や楽奈の奔放さにイライラを募らせてばかりですが、ライブ中はMyGOの曲を笑顔で演奏し、燈には「離さないでくれてありがとう」と感謝の言葉を告げました。
まだ完全に吹っ切れた訳ではないでしょうが、ようやく新たな一歩を踏み出したようです。
アニメ以外での活躍は?
(画像引用 : 『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』MyGO!!!!!特設サイト https://bang-dream.bushimo.jp/mygo/)
アニメ版の活躍と名言「なんで春日影やったの!?」で一気に有名キャラとなったそよ。
中国のアニメファンの間でも彼女はかなり話題になったようで、日本国内以上の盛り上がりを見せているようです。
そんな彼女の活躍はアニメ以外だと、バンドリの中心コンテンツであるスマホアプリ『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』、通称「ガルパ」で見る事が出来ます。
このゲームのジャンルはリズム&アドベンチャーゲームで、アドベンチャーパートではバンドリの各バンドおよびメンバーの物語が描かれていて、。MyGO!!!!!も2023年9月16日に実装済み。
バンドストーリーではアニメの内容をほぼ踏襲していますが、イベントストーリーではアニメとは違うストーリーを見る事ができ、特にイベント「雨粒に混ざる色」ではそよ本来の優しさを存分に堪能できます。
ガルパ以外では、Youtubeの「MyGO!!!!!」公式チャンネル内のミニアニメでもそよの勇姿が拝めます。
ギスギスばかりだったテレビアニメとは違い、こちらは比較的ユルめの雰囲気なので、まったり楽しみたい人にオススメです。
なお漫画に関しては、2024年6月現在MyGO単独のコミカライズはありませんが、ガルパの公式サイトで連載している『もっと!ガルパライフ』『ちょこっと!ガルパライフ』で時折MyGOのメンバーが登場しています。
月刊ブシロードが休刊してしまった為、新たなコミカライズが立ち上げられる可能性はあまり高くありませんが、今のMyGOの勢いならあり得るかもしれません。
まとめ
『It’s MyGO!!!!!』は1~3話を一挙放送する形でスタートしましたが、実はその頃から視聴者の間では「この長崎そよが一番闇が深い」と言われていました。
その指摘は見事に的中する事になりましたが、それでもあの「なんで春日影やったの!?」は衝撃的で、このシーンがあったからこそ本作は一躍人気アニメに踊り出たと言っても過言ではありません。
つまり、そよはMyGO躍進の立役者なんです。
今後も彼女の活躍から目が離せそうにありません!