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Jun

【防振り】3期の可能性を徹底検証! 数度の延期があった2期の評判・人気は?


(画像引用 : Amazon)

2023年冬にアニメ2期が放送され、多くのファンを楽しませた『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』の続編が作られる可能性を徹底検証!
2期の売上や評価、他のなろう作品の傾向などから、3期が制作されるかどうかを予想します!

【1期は配信で大ヒット! 2期は?】


(画像引用 : Amazon)

1期の放送終了直後に2期が決定した“防振り”こと『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』ですが、当初から2期が決まっていた所謂「分割2クール」だった訳ではありません
というのも、2期の放送は1期から3年後とかなり時間が空いているからです。
通常、分割2クールではここまで期間を空ける事はありません。

ならば当然、2期を勝ち取った理由は人気の高さにあります。
ただ、防振り1期のBlu-ray・DVD(円盤)の売上はそれほど高くはなく、全巻平均で約3000枚でした。
なろうアニメの中では高い方ですが、2期に即ゴーサインが出せるほど決定的な数字ではありません。

では何が優れていたのかというと、配信での強さです。

防振り1期は配信で視聴した人がかなり多く、各配信サイトの順位でポイントを算出しているサイト「ランキングストーカー(仮)」によると、2020年冬クール全体で2位にランクイン。
1位の『ハイキュー!! TO THE TOP』は2クールの合計なので、実質的にはトップの成績を残しています。
また海外での人気も高く、中国の動画共有サイト「ビリビリ動画」では脅威の2.7億再生を記録しています。

よって、3期が制作されるかどうかは2期の配信での強さがカギになります。

結論から言えば、2期は1期ほどダントツの強さは見せていませんが、2023年冬クールにおいてはトップクラスの成績を収めています。
延期によって放送が4月まで伸びている為、純粋に1~3月における集計では10位前後の順位ですが、4月分まで含めるとdアニメストアではクール内トップ、アニメ放題(SoftBank)、UNEXT、HuluではTOP3に入る数字を残しているようです。

また、ビリビリ動画でも9700万再生以上を記録しており、1億突破は確実。
1期には及ばないものの、近年はビリビリ動画で1億を超える作品はそう多くない為、かなりの健闘と言える数字です。
ちなみに円盤のセールスは1巻が1100枚だったものの2巻は2000枚弱を記録し、こちらも1期より落としてはいるものの悪くない結果を残しています。

もう一つの指標として、原作やコミカライズの売上への影響も見ていきましょう。
アニメ化は原作の宣伝という意味合いも強く、アニメ放送後に原作売上の伸びが良い作品は「アニメ効果が出やすい作品」と見なされ、自然と続編も作られる事が多くなる為、非常に重要な指標です。

防振りの1期放送前、2019年12月の時点でシリーズ累計発行部数(原作小説、コミカライズの合計)は40万部でした。
そして1期放送終了後の2020年4月には、70万部とアナウンスされました。
+30万部という数字は、アニメ効果としてはそれほど大きいとは言えません。

しかし、防振りのアニメ効果はここからが本番でした。

早々に2期制作が発表された事で「そんなに人気のアニメだったんだ」と興味を持ったアニメファンが多かったのか、放送終了後も原作・コミカライズの売上は伸び続け、2020年8月の段階でシリーズ累計は120万部まで増加。
その後も順調に伸び続け、2022年9月の段階でシリーズ累計210万部に達しています。
特にコミカライズの伸びが好調で、2023年2月の時点でコミカライズのみの発行部数が125万部と発表されました。

この伸びを見る限り、防振りはアニメ化効果がかなり出ていると判断できます。
これは、今後のアニメ化展開を占う上で大きなプラス材料と言えるでしょう。

【なろうアニメの3期はハードル高い?】


(画像引用 : Amazon)

防振りは2期でもまずまずの売上・配信実績を残しており、3期が制作される可能性は十分にあります。
ただ、3期は2期と比べハードルが高いのも確か。
そこで、なろうアニメに絞って3期が実現した作品をピックアップし、その状況をもとに3期が実現可能かどうかを分析していきます。

なろうアニメは2期が作られる確率がかなり高い事で有名です。
2022年までに放送されたなろうアニメは全部で60作品ありますが、そのうち2期の制作が決まったのは28作品。
ほぼ50%の確率で2期が作られている、非常に強力なコンテンツとなっています。

ただし、3期まで制作されたケースとなると10作品まで減ります。
2020年以降にアニメ化された作品に関しては、まだ1例もありません。
もっとも、これは単純に2期が放送されて間もない、若しくは放送が終わっていない作品が大半だからで、今後3期作品が増えて行く可能性は十分にあります。

ちなみに、3期まで制作されているなろうアニメは以下の通りです。

ログ・ホライズン(2013、2014、2021年に放送)
魔法科高校の劣等生(2014、2020、未定)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(2015、2019、2020、2022)
オーバーロード(2015、2018、2018、2022)
この素晴らしい世界に祝福を!(2016、2017、未定)
Re:ゼロから始める異世界生活(2016、2020、未定)
転生したらスライムだった件(2018、2021、2024)
盾の勇者の成り上がり(2019、2022、2023)
ありふれた職業で世界最強(2019、2022、未定)
本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません(2019、2020、2022)

この中で、比較的防振りと近い状況にあるのは『盾の勇者の成り上がり』と『ありふれた職業で世界最強』です。
そこで、この2作と防振りのデータを比較してみます。

・盾の勇者の成り上がり
1期 2019年放送 円盤売上 2200枚  国内配信クール内1位 ビリビリ動画 2.9億再生 シリーズ累計発行部数 *620万部(放送終了直後)
2期 2022年放送 円盤売上 *800枚  国内配信クール内8位 ビリビリ動画 0.8億再生 シリーズ累計発行部数 1100万部

・ありふれた職業で世界最強
1期 2019年放送 円盤売上 3200枚  国内配信クール内1位 ビリビリ動画 1.6億再生 シリーズ累計発行部数 *250万部
2期 2022年放送 円盤売上 1800枚  国内配信クール内4位 ビリビリ動画 *.*億再生 シリーズ累計発行部数 *550万部

・痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。
1期 2020年放送 円盤売上 2900枚  国内配信クール内2位 ビリビリ動画 2.7億再生 シリーズ累計発行部数 **70万部
2期 2023年放送 円盤売上 1500枚  国内配信クール内2位 ビリビリ動画 0.9億再生 シリーズ累計発行部数 *210万部

アニメの円盤セールス、配信の再生実績に関しては、他の2作品と比べても決して見劣りしません。
唯一大きな差が付いているのは原作・コミカライズのシリーズ累計発行部数ですが、防振りはまだ2期が放送を終了して間もないので、これから伸びていく可能性はあります。
その伸び次第では3期も十分に狙える位置にいると言って良いでしょう。

【ストックは十分! コミカライズの状況は?】


(画像引用 : Amazon)

防振り2期は、原作小説の9巻までを映像化しました。
1期が4巻までだったので、1クールで4~5巻の消化という事になります。
これは、小説原作のアニメとしてはかなり消化スピードが早い部類に入ります。

とはいえ、防振りの原作小説は2023年6月現在、既に15巻まで発売済み。
よって原作のストックは十分に溜まっている状態です。

一方、コミカライズの方は7巻まで発売されています。
この7巻でちょうどアニメ1期の範囲が全部描かれました。

基本的に、小説のコミカライズとアニメは直接的な相関関係はなく、コミカライズはコミカライズ、アニメはアニメでそれぞれのペースを設け進行していきます。
ただ、作品によってはアニメによる販促効果がコミカライズに最も出やすい形にするため、進行の足並みをある程度揃える場合があります。
例えばアニメ2期が決まった場合、コミカライズで2期の範囲に突入したタイミングで放送が始まるような日程を組む……などです。

ただし防振りに関しては、アニメ3期がコミカライズの進行待ちで遅れる……という事はないようです。
というのも、コミカライズ7巻のあとがきで「立場的には原作コミカライズなので(アニメの進行とは)関係ないです」という(恐らく)編集部の声が書かれています。
よって、3期に関してコミカライズの状況が影響する事はありません。

ちなみにそのコミカライズ、7巻のあとがきで「第1部完結」と書かれています。
その為、ここでコミカライズは一旦終了、もしくは作画を担当している おいもとじろう先生が降板するのでは……と不安を抱いているファンもいるようです。

しかし心配は無用。
本作を連載している月刊コンプエースで、既に7巻の続きが始まっています。
作画は勿論おいもとじろう先生が継続しており、順当にいけば来年にも8巻がリリースされるでしょう。

ただ、おいもとじろう先生は体調面で問題を抱えていて、1部連載時には耳が聞こえなくなるなどの症状に悩まされていたようです。
現在は耳のトラブルは改善したようですが、体調面は万全という訳ではないようです。

前述したように、防振りのコミカライズは売上好調で、おいもとじろう先生自身も自腹でのBlu-ray購入を行うほどの防振りファン。
その愛の深さもあってファンからの信頼も厚く、今後も体調以外の理由で降板する事はないと思われます。

【放送時期は2025年以降? 制作会社の現状は?】


(画像引用 : Amazon)

最後に、もし3期が放送される場合、いつ頃の放送になるのかを予想します。

防振りのアニメを制作しているのはSILVER LINK.ですが、もしかしたら制作体制は見直されるかもしれません。
というのも、2期では2度の放送延期があったからです。
原因は新型コロナウイルスの感染拡大の影響ですが、問題はそれだけではありません。

SILVER LINK.は2009年に元請制作を開始し、2010年に放送された『バカとテストと召喚獣』がヒットを記録。
それに伴い、ラノベ作品のアニメ化に注力するようになります。

2013年には『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』『のんのんびより』がヒット。
この2作のシリーズ化によって有名スタジオの仲間入りを果たし、アニメファンの間でも日常アニメ、ラノベアニメを得意とする制作会社と認知されるようになります。

その流れもあって、2017年の『異世界食堂』で初めてなろう作品のアニメ化を手掛けます。
以降は毎年のようになろうアニメを手掛けていましたが、2020年には防振りの他に『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』『魔王学院の不適合者』を手掛け、いずれもヒットを記録。
3作品とも続編の制作が決定し、手掛ける作品が一気に増えました。

その明らかなキャパオーバーの皺寄せが、2023年冬にくる事になります。
このクールでSILVER LINK.は防振り2期、魔王学院2期、更に『あやかしトライアングル』の3作品を同時に放送する事に。
海外のアニメーターの力でその難局を乗り切ろうとしていたようですが、その海外でコロナが流行った事で制作体制が一気に崩壊し、全作品が放送延期という最悪の状態になってしまいました。

防振り2期はどうにか4月で完結できましたが、他の2作品は夏クールであらためて放送する事が決定。
こうなってしまうと、業界内における信頼度はかなりダウンしたと予想されます。

よって、3期がもし実現した場合は、SILVER LINK.ではない会社が制作するか、或いは別会社との共同という形になる可能性が否定できません。
その場合は、また一からスタッフを集めての制作になる為、かなりの時間を要する事になるでしょう。
また、SILVER LINK.の続投となった場合も、上記2作の遅れに加え2024年に『夜桜さんちの大作戦』、更には『Lv1魔王とワンルーム勇者』『道産子ギャルはなまらめんこい』『ラグナクリムゾン』のアニメ化を控えている為、防振りにリソースを割くのが難しい状況です。

いずれにしても、2024年に3期が放送される可能性はかなり低いと推察されます。
早くても2025年、或いはもっと先になる事も覚悟しなければならないでしょう

【まとめ】

作画のクオリティ自体は全話文句なしの出来だっただけに、延期が相次いだのは残念でした。
日常アニメを得意とするシルリンらしい、ほのぼのとした癒やし空間で繰り広げられる可愛い掛け合い、それでいてバトルもかなり派手に描かれていて満足度の高いアニメ化だったので、もし3期があるならこのままの路線でお願いしたいですね。

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