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Jun
【ウマ娘 プリティーダービー】なぜ、スペシャルウィークとサイレンススズカなのか【アニメ考察】 #umamusume #ウマ娘
理想の主人公・スペシャルウィーク
モデルとなった90年代を代表する名馬・スペシャルウィーク。
『天皇賞(秋)』や日本最大級のGⅠの一つ『日本ダービー』、そして『ジャパンカップ』と、数々の重賞レースを勝利したスペシャルウィークですが、いわゆる「圧倒的なヒーロー」というわけではありませんでした。
戦績は17戦して10勝7敗。連勝が続かずに負けることもしばしば、といった印象が強く、アニメでもそれは強く反映されていました。
この勝敗のバランスが「負ける悔しさ」と「強くなるための努力」、そして「勝つことの喜び」を描きやすかったのではないでしょうか?
トウカイテイオーや、無敗の三冠馬だったシンボリルドルフが主人公だったらこうはいかなかったでしょう。
「喜び」と「悔しさ」を与えてくれるスペシャルウィークは、「雑草魂」を持った「理想のスポ根主人公」だったと言えるでしょう。
悲劇のヒロイン・サイレンススズカ
スペシャルウィークとは違い、圧倒的な強さを見せていたのがサイレンススズカ。
戦績は16戦9勝と、一見スペシャルウィークとあまり変わらないように見えますが、負けが続いていたのはデビューした1997年で、翌年からは驚異的な強さを見せました。
大逃げと呼ばれる走りは次々と勝利をを重ね、多くの競馬ファンを魅了しました。
しかし、天皇賞(秋)でのレース中に故障し競争中止、そのまま予後不良と診断され、サイレンススズカはその人生を終えてしまいました。
この圧倒的な実力を持ちながらも、悲運の最期を迎えたサイレンススズカに「悲劇のヒロイン」を感じずにはいられません。
ライバルの多い1998年
スペシャルウィークとサイレンススズカの活躍した1998年は、ライバルとなる名馬が多くいた年でもありました。
皐月賞と菊花賞でスペシャルウィークと争ったセイウンスカイ、その2頭と名勝負をしたキングヘイロー、宝塚記念でスペシャルウィークを下したグラスワンダー、そして当時の国内最強と呼ばれ、凱旋門賞に挑戦したエルコンドルパサー。
これだけの顔ぶれを見れば、スペシャルウィークの戦績も納得いってしまいますね。
そして、国内最強だったエルコンドルパサーを国内で唯一破ったサイレンススズカにしても、その実力がどれほどのものだったかがわかります。
このような名馬が揃っていた年は滅多になく、2人の熱戦を描きやすいことが選ばれた理由の一つだったのかもしれません。