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Dec
【最果てのパラディン】マリーはかわいい母親?アンデッドになった理由やウィリアムとの関係を解説!
ウィリアムとの関係性
ウィリアムを育てるにあたり、3人のアンデッドはウィリアムにそれぞれの得意分野を教育します。ブラッドは戦闘方法と「筋肉の暴力」、ガスからは魔法と「お金の大切さ」、そしてマリーはこの世界の成り立ちに関する知識と日常の生活知識や「神の愛」をウィリアムに残します。
マリーの信仰心は、灯の女神グレイスフィールの恩寵を受けた騎士となるウィリアムの思考に影響を与えました。
誓いと裏切りとパン
上王の封印された神殿に放置されたウィリアムを養育することを決めたマリーは、ウィリアムに食事を与えるために、聖餐(パン)を地母神の加護「祝禱術」によって出現させます。不死王スタグネイトの配下になった事でマリーは地母神を裏切る結果となり、聖餐を出す度にその身を炎に焼かれる事になりました。
作中では不死者となった後も朝晩の礼拝を欠かさなかったマリーにとっては、聖餐はオマケのようなものだったように語られていますが、地母神やウィリアムへの愛情が伺えます。
マリーの着替えとウィリアムの目覚め
成人直前にブラッドに悪い遊び「賭博・酒・女性」を教えられたウィリアムは、敬虔な神官のマリーによって叱られます。
立派な人物にしたいという意味ではマリーの気持も分からないではないのですが、個人的に清濁を併せ持つ人としてのバランス感覚を教えようとした、ブラッドやガスの方に感情移入できました。
ブラッドにそそのかされたウィリアムが、マリーの着替えを覗いた次の朝にパンツを汚してしまった事件から察するに、マリーが転生後のウィリアムにとっては母親であるのと同時に初めて意識した異性なのかもしれないのが面白い関係です。
まとめ
この記事では『最果てのパラディン』の作品の概観と、主人公ウィリアムとマリーの関係性について紹介しました。この作品に対しては様々な意見があり「ウィリアムが異世界に転生した設定が余分で、無くても成立する」という意見を目にすることがあります。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
「前世での人生への絶望を抱えた主人公」という設定は、ウィリアムとマリーの関係性から初めて家族や神の愛を知るという設定の裏付けになっていると思います。
『最果てのパラディン』は異世界転生による恩寵を得た主人公が、新しい人生で家族や神の恩寵で愛を知り「どう生きて行くのか?」という問いを自問する物語なのかもしれません。
小説家になろうから生まれた物語でありながら『最果てのパラディン』はなろう作品の枠組みにははまらない物語であり、原作の更新は現在のところ停止中ですが続きが気になる作品です。