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Oct
『海月姫』『主に泣いてます』『東京タラレバ娘』『偽装不倫』『美食探偵 明智五郎』と名作揃い!!東村アキコ作品まるっと紹介
2011年~2021年
・かくかくしかじか
『Cocohana』2012年1月号から 2015年3月号まで掲載され、コミックスは全5巻で完結しています。
この作品も本当に大好きな作品です!
東村アキコ先生の半生を描いた作品で、恩師となった絵画教室の先生がメインのお話です。
漫画を好きな人にもおすすめしたいし、何より漫画家を目指している人、絵画の道に進みたい人、美大受験を考えている人には特に読んで欲しい!
2015年、第8回マンガ大賞および第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞しています。
東村先生は、記憶力が人一倍よく、出来事や人物を明確に映像として覚えているらしく、恩師である日高先生のことは脚色せずに描かれているそうです。
この漫画のテーマは以下のよう紹介されています。
“どうやって「美大に合格したか」、「漫画家になれたか」と、東村は、よく若い子に聞かれるが、絵を描くということは、ただ手を動かし「描くこと」、「どれだけ手を動かしたか」が全てだ。日高教室で同じものを何回も何十回も強制的に描かされた。それがよかったと思う。楽しくだけでない押しつけるような、きつい先生に出会うこともだいじだ。大学で描けなくなったのは、「何を描くか」、「自分の描きたいものは」と考えたからだ。根気のない子や頑張れない子、逃げで描く子は無理だ。絵を描くことに生活で一番集中してないと。しかし、口で言うと偉そうだし、若い子には伝わらないので漫画で表そうとした。若い子は、ある日何か降りてきて、いつかすっと描けるようになると思っている。それは違って、しんどいが想念の海の中から無理やり、何か掴んで引きずり降ろすしかない”
と述べられているように、ひたすら描いています。
何があっても「描け」と言い続けていた日高先生。
竹刀をもち言葉数は少ないけど、伝わる先生の教えに涙なくては読めない漫画です。
終始日高先生へ語り掛ける口調で描かれているのが余計に涙腺に来ます。
最終回は東村先生もアシスタントも泣きながら仕上げた漫画だそうです。
東村作品といえば、独特のテンポがあると思うのですが、この漫画でもそのテンポは健在です。
しかし、日高先生の語り掛けるシーンなどはすごく「静」が感じられます。静と動の緩急がすごい!
余計に引き込まれるし、静の部分がすごく協調される。
とにかく大好きな作品です!
ぜひ読んで欲しい。
日高先生のような人に出会い深く関われたことってすごく人生の宝物だなと感じる作品です。
・メロポンだし!
『モーニング』2013年26号 から2014年46号に掲載され、LINEマンガで配信もされていました。
コミックスは全7巻で完結しています。
原宿で便利屋を営む悟のもとへ芸能人になりたいという夢をもつ異星人のメロポンが転がり込んできた。
メロポンが芸能人になるために巻き起こるトラブルに回りの人が巻き込まれていくギャグコメディです。
登場人物
・メロポン
宇宙の「グリーゼ581」と呼ばれる場所から地球へとやって来たイプシロン星人の男の子。
地球には芸能人になりたいという夢をもってやってきた。そのため、地球の芸能界事情に地球人より詳しい。
語尾に「だし」とつけるのが特徴だが、これは子役として活躍するための自己演出の一つ。
忠村圭一郎という偽名を使ってオーディションを受けている。
・悟 (さとる)
原宿で便利屋「SOSメン」で働くイケメン。ビルの屋上で偶然メロポンと出会い、メロポンの父親役にされてしまい、次々とトラブルに巻き込まれる。
母親は宇宙神を信仰するカルト教団「大宇宙神スペース真会」の教祖であり、そのことが原因で母親との関係にひびが入っている。