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【鬼滅の刃】我妻善逸はなぜ人気?ヘタレだけど強くて面白い奇跡のキャラ【解説・考察】
善逸の過去と成長
善逸は鬼との戦いを通じて成長して頼りがいのある少年となり、気絶しなくても起きたまま戦えるようになっていきました。最終巻では禰豆子と結婚して炭治郎と同居することになります。
女の子大好きだった善逸が、意外と一途に禰豆子への想いを遂げているのは驚きです。善逸が炭治郎と出会ったときのヘタレエピソードは、アニメ1期11話『鼓の屋敷』でチュン太郎によって炭治郎に語られていて、チュン太郎の証言をまとめると次のようになります。
【善逸の行状】
・鬼殺隊の仕事に行きたがらない
・女の子にすぐちょっかいを出す
・いびきがうるさい
出会った当初に通りすがりの女性をナンパしていたこともあり、炭治郎にも異次元の生物を見るような目で見られていました。善逸の過去についてアニメ1期範囲を、さらに振り返ってみましょう。
女に騙されてじいちゃんとの特訓が始まる
善逸は育手(そだて)の、過去に柱だった桑島慈悟郎に助けられて訓練され、鬼殺隊の入隊試験を受けることになりました。善逸と慈悟郎の出会いは、善逸が女に金を貢いで逃げられて借金を背負い、慈悟郎に拾われたところから始まります。
善逸は慈悟郎に恩を返したいと考えていて一生懸命に訓練をしますが、不器用な善逸は基本の型「壱ノ型・霹靂一閃」しか覚えることが出来ませんでした。
「ひとつの事を極めろ」と刀を鍛えるようにポコポコと殴りながら語るじいちゃん。善逸は自分には才能が無いのではないかとコンプレックスを抱きます。
兄弟子への劣等感とじいちゃんへの恩返し
兄弟子の獪岳(かいがく)は「壱ノ型・霹靂一閃」しか使えない善逸をイジメていました。残りの5つの型を器用に使えるのに基本の「壱ノ型」が出来ないことや、慈悟郎が善逸にかかりきりで、自分をないがしろにしていると考えていた獪岳。
善逸はダメな自分を自覚していましたが、慈悟郎への恩返しだと思って「たくさん人の役に立つ」という夢に向けて、絶望的な状況でも諦めずに戦うことを覚えていきます。
慈悟郎は善逸の中に不器用だけどひとつの事をやり遂げられる愚直さに、本当の強さというものを見出していたのかもしれません。
善逸が人気である理由は臆病でおバカな面もあるけれど、そんな残念な過去を乗り越えていくところにカッコよさがあるのではないでしょうか。
善逸の本質と愛される理由
結論として登場時の善逸が臆病で不器用でヘタレだったけれど、意外な強さを発揮するキャラに成長していくことが、週刊少年ジャンプの読者に受け入れられたということになるのでしょう。
善逸の強さを裏付ける過去に関する描写は秀逸で、じいちゃんに対する尊敬や兄弟子へのコンプレックスに対して、愚直に修行していた事で克服した努力家な一面があるのがわかります。
かつてのジャンプ黄金期のキャッチフレーズ「友情・努力・勝利」という3つのテーマは、令和になった現在でもいろんな世代のファンの心を捉えているのでしょう。
ジャンプには歴史的に見ても、現在もTVアニメとしてリメイクされて人気となっている『ダイの大冒険』のポップという前例があります。
ダメだった少年が成長していく過程を応援したくなるのは、いつの時代も変わらないものだと考えられます。
まとめ
我妻善逸がなぜ人気があるのかを、そのキャラクター性や強さ、過去の背景から考察してきました。2021年10月からはTVアニメとして編集された『無限列車編』が開始され、TVアニメ1期で少しずつ成長してきた善逸が、12月から開始される2期『遊郭編』でどのような活躍を見せてくれるかが楽しみです。