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Oct

なろう作品のアニメ化、2期決定の条件とは? 配信好調がカギ

配信で激強! なろうアニメのストロングポイントはここ

出典 : Amazon.co.jp

今や円盤セールス以上に2期を占う上で重要なポイントになっているのが配信です。
アニメの配信自体は昔から行われていましたが、2010年代半ば主に「ニコニコ」「dアニメストア」「GYAO!」くらいだったのに対し、近年は「ABEMA」「Amazon Prime Video」「Netflix」など20を超えるプラットフォームがあり、それぞれで視聴者層が微妙に異なっていたりするので、特定の配信サイトの順位だけで強い弱いを判断することはできません。

そこで、各配信サイトの順位でポイントを算出しているサイト「ランキングストーカー(仮)」を参考に、各クール内においてどれくらいの位置にいたかを見ていきます。
なお、2017年以前の作品はデータがないので、2期以降の順位を参考にしています。

なろうアニメのクール内配信順位

23位 ログホラ(3期)
*4位 劣等生(2期)
*3位 ダンまち(2期)
*2位 オバロ(3期)
**位 このすば(データなし)
*1位 リゼロ(2期)
**位 異世界食堂(データなし)
*1位 転スラ
*1位 盾の勇者
*2位 ありふれ
*5位 本好き
*2位 防振り
*4位 はめふら
*2位 魔王学院
*5位 神拾
10位 くま
*1位 ツキミチ

配信サイトが少ないログホラを除けば、ほとんどの作品が各クールで5位以内。
2018年以降にテレビ放送がないためデータなしの『このすば』も、ニコニコ動画で200万再生を突破し、dアニメストアでも累計で歴代上位を記録するなど、非常に好調な数字を残しています。
『異世界食堂』もdアニメストアで歴代50位以内に入っており、かなり強かったことがわかります。

このように、なろうアニメは配信で圧倒的な成績を収めています。
なろうアニメの2期が非常に多いのは、配信で抜群の強さを誇っているからと言えるでしょう。

一方、近年のアニメでよく見られる、特定の配信サイトのみで配信が行われる「独占配信」に関しては、なろうアニメは少なめ。
『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』がU-NEXT独占、『現実主義勇者の王国再建記』がFOD独占で配信されましたが、独占配信だと有利と言えるほどのデータはまだ蓄積されていない段階です。

出版社や制作会社の意向は?

出典 : Amazon.co.jp

アニメの続編を予想する上でもう一つ重視すべき指標は、原作売上です。
アニメ化効果で原作売上が大幅に伸びた場合、或いは原作売上自体が圧倒的な作品の場合は、高確率で2期が作られます。
ただ、なろうアニメの場合は必然的にラノベが原作となるため、例えばジャンプアニメのように原作売上だけで続編確定と言えるほどの売上を記録している作品はほとんどありません。

とはいえ原作セールスの伸びが良ければ、出版社が続編に前向きになるのは当然のこと。
特にコミカライズに関しては、原作ラノベよりも部数が大きいケースが多いので、ここが伸びると続編に繋がりやすいと思われます。

そこで、各作品のシリーズ累計発行部数の伸びを見ていきます。

なろう作品のシリーズ累計発行部数(アニメ化決定時→放送1年後)

*70万部 → **70万部 ログホラ(現在 160万部)
290万部 → *675万部 劣等生(現在 2000万部)
100万部 → *400万部 ダンまち(現在 1200万部)
*40万部 → *300万部 オバロ(現在 800万部)
*40万部 → *300万部 このすば(現在 900万部)
*30万部 → *310万部 リゼロ(現在 700万部)
*25万部 → **75万部 異世界食堂(現在 110万部)
450万部 → 1800万部 転スラ(現在 2500万部)
120万部 → *780万部 盾の勇者
*70万部 → *400万部 ありふれ(現在 500万部)
100万部 → *350万部 本好き(現在 500万部)
*25万部 → *120万部 防振り(現在 160万部)
*60万部 → *400万部 はめふら(現在 500万部)
*85万部 → *180万部 魔王学院
100万部 → *250万部 神拾
*60万部 → *200万部 くま
140万部 → *200万部 ツキミチ

このように、多くの作品がアニメ化を契機に飛躍的に部数を伸ばしています。
アニメによる宣伝効果が絶大だった作品は、優先的に続編が作られていると言えるでしょう。

一方で、260万部からアニメ放送1年で480万部(現在は650万部)に伸びた『賢者の孫』は続編の気配がありません。
劣等生のように円盤も原作も売れてるのに2期に時間がかかった作品もあるので、出版社や制作会社の意向もある程度は影響していると思われます。
ただ、特定のレーベルで2期が多いということは特になく、「2期が来やすいレーベル」というのは存在しないようです。

制作会社に目を向けると、なろう作品を積極的にアニメ化しているSILVER LINK.は2期も比較的多め。
SILVER LINK.は有名な会社ですが、なろうアニメは大手以外の会社が手掛けるケースが多く、そういった会社は確実に利益が出る作品を手掛ける必要があるため、配信で手堅く黒字を出せるなろう作品と末永く付き合って行こうという意向が強いのでしょう。

海外人気は?

出典 : Amazon.co.jp

なろう作品は海外で人気が高いと言われており、特に中国の動画共有サイト「ビリビリ動画」で好結果を出している作品が目立ちます。
最も顕著なのが『オバロ』で、1~3期のトータル再生数は脅威の10億超え
それ以外も『リゼロ』『転スラ』『盾の勇者』『防振り』といった作品は1期が1億再生を超えています。

『異世界食堂』5000万再生を記録しており、この海外での好調さが2期の決め手となった可能性があります。

とはいえ、ビリビリ動画はいつの間にか作品が削除されているケースも多く、1億再生に達した作品であっても例外ではないので、指標としては扱い辛い面があります。
それでも、海外人気が高い作品は比較的2期が作られやすいのは確かです。

まとめ

なろうアニメの2期を予想する上では、やはり配信での強さが一番参考になります。
クール内で5位に入っていればチャンスあり、3位以内なら濃厚、といった感じです。
円盤売上が好調でかつ配信もそこそこ上位、という場合も十分に期待が持てます。

もちろん、円盤売上が好調ならそれに越した事はありませんが、今後円盤セールスが好調な作品はあまり出て来ないでしょう。
そういう意味でも、今は配信のランキングが一番信用できる指標と言えそうです。

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