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13

Oct

【九龍ジェネリックロマンス】『恋は雨上りのように』の作者が描くSFラブストーリー

出典:Amazon.co.jp


このマンガがすごい!2021のオトコ編第3位に選ばれ、注目を集めている『九龍ジェネリックロマンス』をご存じでしょうか。週刊ヤングジャンプ2019年49号より連載中の漫画で、2021年6月までに5巻が発売されています。作者は眉月じゅん先生。眉月先生は、映画化を果たした『恋は雨上がりのように』の作者でもあります。

人気作品の長期連載をへて、画力、構成力ともにレベルアップした眉月先生が描く『九龍ジェネリックロマンス』の舞台は、中国の九龍(クーロン)城塞をモデルにした架空の街。作中ではクーロン(九龍)の掛け言葉であるクローン(複製)が重要なモチーフになっており、切ない恋愛描写にSF要素を巧みに織り込んだ新感覚のラブストーリーです。

この記事では、本作の魅力をストーリーに沿って解説して行きます。主人公の鯨井玲子にそっくりな女性「鯨井B」の正体や、作中の最大の謎「ジェネリックテラ計画」についても考察していますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

『九龍ジェネリックロマンス』のストーリー・あらすじ

どこか懐かしさの漂う街・九龍(クーロン)城塞。この街の上空には巨大な正八面体が浮かんでおり、テクノロジーによってもう一つの地球を作ろうという「ジェネリックテラ計画」が進められています。

九龍の不動産会社「旺来地產公司」に勤める鯨井玲子(くじらい・れいこ)は、サボり魔の先輩、工藤発(くどう・はじめ)にからかわれる日々を送っていました。

工藤は口が悪く、一見するとだらしない社会人に見えますが、麻雀仲間である老人たちのことを気にかけて家まで様子を見に行くなど、 面倒見は人一倍あります。そんな工藤に、 鯨井はいつの間にか心惹かれるようになっていました。

ある日、鯨井が昼寝中の工藤の顔を覗き込んでいると、だしぬけに起き上がった工藤にキスをされます。心穏やかでない鯨井に、工藤は寝ぼけてやった、とそっけない態度をとります。モヤモヤを抱えたまま日々の仕事に勤しむ鯨井。そんな折、工藤の机から、鯨井にそっくりの女性と工藤が一緒に映っている写真を発見します。

以前、工藤に誘われて訪れた喫茶店「金魚茶館」のボーイ、グエンに話を聞いたところ、その写真は工藤と鯨井の婚約祝いに撮られたものだというのです。実は鯨井には、昔の記憶がありませんでした。鯨井は自分は偽物ではないかと不安に襲われます。

混乱した彼女は、友人の楊明(ヨウメイ)に相談。楊明から偽物も本物も関係ないという話を聞かされ、立ち直ります。そして鯨井は、工藤に「今の自分」を見てもらおうと改めて決意するのでした。また、工藤の恋人であったと言うもう1人の自分を「鯨井B」と名付け、彼女の正体を探るべく調査を始めます。

鯨井 = クローン?

ストーリーが進行していくうちに、現在の鯨井玲子(鯨井 A)と鯨井Bの違いを浮き彫りにする描写がいくつも登場します。

年齢
鯨井Bは工藤の2歳年上であるのに対し、鯨井Aは2歳年下です。

ピアス穴
鯨井Bの耳にはピアスの跡がありましたが、鯨井Aにはありませんでした。

シワ
2巻から登場する製薬会社の社長、蛇沼が鯨井Aの顔をなでて、「歴史のないシワ」だと表しています。

趣味嗜好
鯨井Bは出不精でずっと九龍にいたいと発言していますが、鯨井Aは海外旅行に興味を示しています。また鯨井Bが失望したくないという理由で読まなかった小説の下巻を、鯨井Aは読みたいと発言していました。

以上のことから、鯨井Aと鯨井Bは同一人物ではなく、オリジナルとクローンではないかと推測されます。

工藤は鯨井Bのことを深く愛していたようで、彼女と鯨井Aの違いを発見するたびに意味深な表情を浮かべています。そのことに気づいて、密かに傷つく主人公(鯨井A)。本作は、そんな二人のすれ違いが大きな読みどころとなっています。

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