15
Oct
アニメ化が決定した『大正オトメ御伽話』同作者の「昭和オトメ御伽話」とのつながりは?同じキャラは登場する?
2021年10月からアニメが放送される、桐岡さな先生による傑作ラブストーリー『大正処女御伽話』。本作には続編があるのをご存じでしょうか。その名も『昭和オトメ御伽話』。世界観は「大正~」と共有しており、ヒロインは変わっているものの、一部登場人物は共通しています。
昭和オトメ御伽話に引き続き登場するキャラは、まず、前作の主人公・珠彦の姉である志摩珠代(たまよ)。前作で兄の珠樹を毒殺した珠代ですが、本作でも羅刹(オニ)の本性をのぞかせます。そして珠彦の妹である珠子(たまこ)。本作ではすっかり大人の女性になり、念願だった医者の卵になっています。
前作のヒロインである夕月(ゆづき)も重要な役どころで登場します。また、珠彦と珠央、白鳥策もほんの少しだけ姿が見られます。この記事では「昭和オトメ御伽話」のストーリーを解説していきます。上記のキャラたちがどんな風に登場するかも紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
幼なじみの豹変
時は昭和3年。神戸の華族の家に生まれた黒崎常世(くろさき・とこよ)は義理の母にうとまれ、辛い日々を送っていました。そんな彼女には幼馴染がいました。幼馴染の少年・仁太郎は、いつもからたちの草むらのそばで泣いていた常世を「からたち姫」と呼び、常に彼女の悲しみに寄り添い、慰めていました。
実は仁太郎も、両親の浮気癖で孤独な日々を過ごしていたのです。二人は死ぬ時は一緒にいようと約束を交わします。そして共に逃げ出しようとしますが、失敗。仁太郎は遠くの家に引き取られて、二人は離れ離れになってしまいます。
それから3年後。意地悪な継母と意地の悪い義理の弟にひどい扱いを受け、相変わらず孤独な日々を送る常世の前に、成長した仁太郎が現れます。再会を喜ぶ常世でしたが、仁太郎は以前の優しさを失い、すっかり意地悪な性格になっていました。
その変わりように驚く常世でしたが、それでも優しかった頃の仁太郎を思い出し、何か理由があるはずだと彼の傍を離れようとしません。仁太郎はそんな常世を突き放そうとしますが、常世は諦めずに付きまといます。
そして常世が不注意で川に落ちてしまった時。仁太郎はとっさに川に飛び込んで自分の危険も顧みず代わりに常世を助けます。
その姿に、常世は仁太郎の心が昔から変わっていないことを確信。常世の熱意に仁太郎も俺、二人は一緒に暮らし始めます。そしてある晩、仁太郎は別れていた3年間で何があったのかを語り始めます。
仁太に何があったのか
常世と離れ離れになっている間。仁太郎は東京の財閥・志摩家の当主である珠代の元に養子として引き取られていました。しかし、彼女の義理の母となった珠代は、恐ろしい女性でした。
仁太郎の心を操るために彼と仲が良かった小間使いの少年を殺し、さらに女を教えようと自らの体で仁太郎の筆おろしをし、その様子をカメラに収めるなど、常軌を逸した行動をとります。
その扱いに耐え切れなくなった仁太郎は、ついに刀で珠代の腹を刺します。我に返り、自分も珠世と同じ羅刹(オニ)を心の中に飼っていることに恐れおののいた仁太郎は、自害することを決意。
しかし最期に幼なじみの常世に一目でも会いたいと思い、東京に戻ってきたのでした。常世に辛く当たったのは、自分が死んでも常世が1人で強く生きていけるように、との思いからでした。全てを知った常世は仁太郎を優しく抱きしめ、仁太郎はオニでも自分を守ってくれる優しいオニだと慰めます。
そして常世もまた、仁太郎のために優しくて強い鬼嫁になると誓うのでした。そんな時、 2人の友人であり、医者を目指す女性・珠子が常世にある女性を紹介します。その女性こそ、前作「大正処女御伽話」のヒロインである立花夕月でした。