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23

Jul

【SCP財団】SCPの裏事情?読み応えのある傑作SCPtale作品のおすすめ3選

今回ご紹介するのは、SCPを題材にしたお話。Taleと呼ばれており、そのSCPをより深く楽しむことができるオマケ作品のようなものです。本家とはまた違う作者が書いてるものもありますが、どれもSCPの新しい世界観を楽しめるでしょう。Taleを存分に楽しむために、そのTaleの題材となったSCPも読んでおくのをおすすめします。

引用:wikidot.com

夏休みの偽装工作──SCP-228-JP隠蔽任務

http://scp-jp.wikidot.com/shinjimao02

こちらのTaleは、SCP-228-JPの隠蔽に頭を悩ませる財団職員のお話です。SCPは本来一般には知られてはいけないもののため、財団はその存在を隠そうと様々なカバーストーリーを用意しますよね。そんなカバーストーリーを作り出す、財団職員の苦悩が伺えますよ。

SCP-228-JP オブジェクトクラス: Keter 「霧の男」

題材となったSCP-228-JPは、KeterクラスのSCP-228-JP。SCP-228-JPは日本のとある公園に霧の日に出現するSCPで、接触した人物に「この公園内で殺人が行われるとしたらどうする?」と問いかけてきます。

その問いかけにSCP-228-JPが納得すれば、近日中に日本国内の公園で回答の例に沿った殺人が発生。SCP-228-JPが納得しない場合は、接触した対象が心臓麻痺で死亡してしまいます。SCP-228-JPは出現する公園は、都心部にあるため収容が困難。現在は霧の日にはレベル3職員が出動して、SCP-228-JPが誰かと話す前にSCP-228-JPを殺害することで無力化しています。殺害するとは言っても、また霧の日になればSCP-228-JPは復活するので一時しのぎなのですが…。

ここからがTaleの本題です。SCP-228-JPを管理するエリアを担当するエージェントマオは、虎屋博士からある噂が子どもたちの間で流行っていると聞かされます。その噂とは「ラジオ体操の会場が変更になったのは、霧じじいの仕業」というものです。

収容前にSCP-228-JPを目撃した子どもがいたのでしょうか。SCP-228-JPの脅威から民間人を遠ざけているのに、何も知らな市民はそれをまことしやかな噂として盛り上がっているのです。このままではSCP-228-JPが出現する公園に、流行りに乗って人が集まることも懸念されます。

人々の関心を「霧じじい」から逸らすための、新たなカバーストーリーの作成を求められたエージェントマオ。悩みながらも1つの妙案を思いつきます。それは別の「ミチザメ」なる噂を流すというものでした。「ミチザメ」は公道に出現するサメで、信憑性を高めるために財団職員も総出で近隣のアスファルトにサメの足跡をつけて回ったそうです。

結果子どもたちは新しい噂「ミチザメ」で持ちきりに。「霧じじい」なんて古い噂は忘れられていきました。普段はあまり語られない、財団職員の陰のお仕事が分かるお話でした。

進路相談


引用:scp-jp

http://scp-jp.wikidot.com/sinro-soudan

続いても日本支部から生まれたSCPのTale。題材となったのはSCP-544-JPです。

SCP-544-JP オブジェクトクラス: Euclid 「孤独な放送室」

SCP-544-JPは無人の5階建ての百貨店。SCP-544-JPに侵入すると、3分ごとに「お知らせです。[対象A]さん、[対象B]さんがお待ちでした」というアナウンスが女の子の声でかかり、対象Bに選ばれた人から対象Aの存在が忘れられていく…というもの。

1人の勇気あるDクラス職員「D-1104」が、全世界から忘れられながらもSCP-544-JPの最奥部へ到達。そこでアナウンスをしていた女の子の身代わりとなり、アナウンスをしていた女の子はSCP-544-JPから解放されて、無事財団に保護されることになりました。

こちらのTaleはそんな「D-1104」によって救い出された女の子のお話。財団に保護された女の子は元の家族に帰されるはずでしたが、既に両親はSCP-544-JPの影響で女の子を覚えていませんでした。

そこで女の子は、同じようにSCPの被害に遭った子どもが暮らす財団管理下の施設に、引き取られることになります。女の子が小学6年生の時には、近隣サイトで大規模収容違反が発生。それまで面倒を見てくれていた大人たちが不幸に遭い、女の子も世界の不条理さを痛感します。しかしそれと共に、何度でも不条理に立ち向かう人々の強い意思も学ぶのでした。

時は流れ女の子は成長して大学3年生に、そろそろ就職を考える時期です。財団に引き取られた子どもたちには、2つの道が用意されます。1つは記憶処理をされて普通の企業に就職される道。これまで経験してきた記憶は無くなります、もちろん助け出してくれた「D-1104」のことも…。

もう1つは財団に就職する道。しかしこちらを選ぶと、家族や恋人でも財団関係者以外に財団のことは一切話せません。女の子は大学に普通企業に就職する恋人がいました。2人の進道が違う以上、恋人には記憶処理が施されてしまいます。しかし女の子の意思は決まってました。どうやら恋人を財団に就職するように説得するそうです。そして財団に就職するにあたり、もう一度だけ「D-1104」に報告と覚悟をしに行きたいと考えていました。自分を救い出してくれた「D-1104」を覚えているのは、この世界で自分だけなのですから。

そして、ついにその日は来ました。2分だけ滞在できる許可を取り付けてSCP-544-JPに足を踏み入れた女の子は、自分がこれまで生きてきたこと、これから財団職員になることを、そして「D-1104」に助けられて感謝していることを、誰もいないはずのSCP-544-JP内部で涙ながらに報告します。それはまるで巣立つ子どもが、親へ送る感謝の言葉の様でした。

滞在可能時間が迫り、自己満足でも言えて良かったと外に出ようとしたとき、アナウンスのノイズの音がします。そして「…久しぶりだな、お嬢ちゃん」と声がしたのでした。

SCP-544-JPに関わったことで、全てに忘れられた女の子と「D-1104」。しかし怪異の中でもお互いの存在だけは、しっかりと忘れずに記憶していたのでしょうね。ちょっぴり切ないですが、新しい旅立ちの意味もあり読後が清々しいTaleでした。

静かな森

http://scp-jp.wikidot.com/silent-forest-ikuragunkan


引用:scp-jp

最後にご紹介するこちらのTaleは、文章ではなく漫画作品となっています。なのでまずはリンクからサイトに飛んで読んでもらうのが早いでしょう。

題材となっているのはSCP-2521。言わずと知れた有名なSCPですね。

SCP-2521 オブジェクトクラス: Keter 「●●|●●●●●|●●|●」

SCP-2521はテレポート能力を持ったSCPで、自身について言及したものに強い興味を示す性質があります。文字でも言葉でもSCP-2521について語ると、SCP-2521がやってきてどこかに連れ去ってしまいます。

SCP-2521言葉や文字は判別できますが、図や記号は認識できません、そのため報告書は文字ではなく、全て写真や記号で記載されている面白いSCPです。ちなみにSCP-2521は敵意はありません。自分に興味を持っているのが嬉し過ぎて、その人や物を拉致してしまうというちょっと可愛いSCPですね。まぁ連れ去れた方はどこにいくのか不明ですし、恐ろしいことに変わりはありませんが…。

では早速こちらのTale作品を読み解いていきましょう。何処かの森の中で1人の女の子がSCP-2521と遭遇します。女の子はSCP-2521に怯えつつも、地面に「Who are you?(あなたは誰?)」と書き、SCP-2521に訊ねるのでした。

女の子が書き終わり顔を上げると、SCP-2521は何処かに立ち去っていなくなっていました。SCP-2521がいなくなってしまい、途方にくれる女の子。しばらくすると背後から何かを記した用紙が舞い散り、肩を叩かれます。

振り返ると、そこには自身について記したであろうレポートを大量に携えたSCP-2521がいました。よく見ると人も背負っています、拉致してきたのでしょうね…。なぜSCP-2521は自分についての情報を集めているのか…、1つの解釈が用意されたTaleです。人外の存在と人との交流という、心惹かれるストーリーですね。

ただ気になるのが、レポートを読んでSCP-2521を理解したであろう女の子が、最後のシーンには消えてしまっている点。おそらく自身について知って語ったことでSCP-2521に連れ去られたのでしょうが、ほっこりと感動だけでは終わらせない、SCPの不気味さも味わる作品でした。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本家のSCPから派生したTale作品は、非公式ではありますが様々な解釈がされていて読み物として非常に面白いです。SCPに魅了されたファンによって毎日のように作られているので、時間を忘れてTaleも読み漁ってみてはいかがでしょうか。

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