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7

Aug

祝!連載開始から20周年目! 鋼の錬金術師(ハガレン)の魅力徹底解説!!

出典:Amazon.co.jp

主人公が特殊能力で無双状態にならない

これは本当にすごいと思いました。主人公、エドワードの父であるホーエンハイムは『人を超えている人』です。ハガレンの世界には『賢者の石』という術法増幅器があるのですが(等価交換の法則は守られています)、ホーエンハイムは体内に大量の賢者の石がある、もはや『人型の賢者の石』といっていいほどの超強力キャラクターです。

劇中では主人公サイドのぶっちぎり最強キャラになります。そんなホーエンハイムは、無敵の体になったあとにトリシャという女性と子供を作ります。これがエドワードと弟のアルフォンスです。つまりエドワードは生まれからしてかなり特別なのですが、劇中で遺伝による特殊能力が発現する場面はひとつもありません。

他のキャラクター同様に、世界の法則にのっとった錬金術と格闘で戦います。『ピンチになると秘めたる力が発揮される』というのは少年漫画のお約束パターンですが、ハガレンにはそれが一切ありません。

間違いなく、作者も狙ってのことだと思います。主人公が急に特殊能力を使えるようになれば、見栄えもいいですし『ピンチからの逆転劇』は大いに盛り上がります。しかしあくまでただの人間として、最終回まで戦い続ける。ストーリーのテーマと連動した強いこだわりです。

最終回へと集束するストーリー

ハガレンのストーリーは計算され尽くされています。どのキャラクターにも意味があり、回収されない伏線もありません。漫画は連載している限り収益が発生するので”ゴールを決めずに、長く連載することが目標”という作家もいると思いますし、それはそれで正しいと思いますが、ハガレンはラストに向かってひたすら突き進んでいく作品でした。

この最終回を目指して進んでいく作風は、近年では『進撃の巨人』がありますが、『進撃の巨人』は未回収の伏線や謎が多々あります。しかしハガレンはこれ以上ないほどきれいに終わりました。どのキャラクターも学び、変わり、何かを手にします。

ハガレンよりも緊張感のある作品、ハガレンよりも泣ける感動的な作品は世の中にあると思います。しかしハガレン以上に、主人公たちがラストへと向かって、力強く進んでいく作品はありません。話としても違和感がなく、本当に良くやったと、キャラクターたちに声をかけてあげたくなるような終わり方です。

作者からのメッセージ

『痛みを伴わない教訓には意義がない。人は何かの犠牲なしに何も得る事などできないのだから。しかしそれを乗り越え自分のものにした時…人は何にも代えがたい鋼の心を手に入れるだろう』 これは最終話で作者によって書かれた文章です。

『鋼の錬金術師』の総括といいますか、この作品の『核』のような文章で、前半は1話にも書かれていました。『絶望や挫折からも、自分の足で立ち上がれ』という力強いメッセージは、我々読者へのエールのようにもとれます。2人の主人公、エドワードとアルフォンスはまさにこの通りに冒険し、大切な人の待つ故郷へ帰っていったのです。

ただ単に面白い、暇を潰せる娯楽ではなく、読者に「これを伝えたい」という熱い情熱のこもった作品。それがハガレンです。ストーリーを見渡してみても自分の信念に沿った生き方をしているキャラばかりなので、非常に名言が多いです。読むことで何か人生にプラスになる。そう思わせてくれる漫画なのです。

出典:Amazon.co.jp

まとめ

ハガレンは20周年を迎えますが、例え100年経っても色褪せない作品だと思います。色んな人の『人生』が詰まっているからです。敵味方問わず、ハガレンのキャラクターたちの『死』には意味があります。皆何かを成して、学んで死んでいきます。

だからこそ賛否両論の話題作ではなく、誰からも認められる名作として語り継がれているのではないでしょうか。

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