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【鋼の錬金術師】ハガレン 人生に役立ちそうな名言・格言10選 【ネタバレあり】
⑥「真の王などこの世のどこにも在らぬ!!」(12巻46 話)
エドワードたちの国、アメストリスの最高権力者は『キング・ブラッドレイ』大総統です。隣国の『シン』には『リン・ヤオ』という皇子がいます。このブラッドレイとリンが対決しているときに、ブラッドレイが言ったセリフです。リンは傷ついた自分の部下を担ぎながら、ブラッドレイと切り結びます。
そんなリンにブラッドレイは「その荷物になっている者を捨てれば、君一人だけでも逃げ切れるだろうに、何故そうしない?」と聞きますが、リンは重症を負った部下を見捨てません。「王は民のために在る者、民なくして王は在りえなイ。キング・ブラッドレイ! 貴方は真の王にはなれなイ!!」と自論を展開します。
しかしブラッドレイは「『真の王』…と言ったな小僧。なんと青臭い唾棄すべき理想論か。真の王などこの世のどこにも在らぬ!!」と、リンの意見を正面から切り崩します。誰しもドキッとしてしまう、この世の核心を突いたセリフでした。
リンはこの時、まだ15歳の少年です。仕事や、役職に就くということは理想通りにいかない、夢では人の上に立てないという現実をしっかり突きつけるセリフでした。
⑦不自由であることと不幸であることはイコールじゃない(12巻47話)
アルフォンスが、対峙していた傷の男(スカー)に言ったセリフです。スカーは自分と同じ、イシュヴァールの民を虐殺した錬金術を憎んでいました。そんなスカーは肉体がなく、錬金術で鎧に魂だけつけられているアルフォンスを哀れみます。
しかしアルフォンスは「たしかにこの身体だと不自由な事はたくさんある。だけど不自由である事と不幸である事はイコールじゃない。哀れに思われるいわれは無いよ!」と言い返します。どんな状況でも人は幸福になれるし、強く生きられます。周りの環境、気の持ちよう、考え方で人の幸不幸は決まるのです。
⑧「自己犠牲なんて単なる自己満足だ!!」(16巻62話)
傷の男(スカー)の一族を大虐殺したイシュヴァール殲滅戦。加害者であったアメストリス国軍の兵士たちもまた、深い心の傷を負うことになりました。そして焔の錬金術師 ロイ・マスタング大佐とその側近リザ・ホークアイ中尉は、アメストリス国の政治を変える決意をします。
近い将来、アメストリスが軍事国家でなくなり、自分たちが戦犯として裁かれることになっても……。そんなホークアイ中尉にエドワードが言ったセリフです。しかし中尉はエドに優しく語りかけました。「自己犠牲じゃないわ。イシュヴァールを生き残った者としての、私達なりのケジメなのよ」 と。
エドワードのセリフによって、ホークアイ中尉の行動が何か変わることはありませんでした。しかし相手を思いやる、エドワードの優しさがうかがえるひと言でした。
⑨「さらばだ同志。ブリッグズの峰よりすこし高い所へ。先に…行ってるぞ…」(25巻100話)
アメストリス国最北のブリッグズ要塞に配属されていた、バッカニア大尉。チェーンソーを搭載した戦闘用機械鎧『クロコダイル』を身に着けた、熊のような兵士でして、最終決戦にてキング・ブラッドレイと激突します。この戦いは『神回』とも呼ばれる死闘でして、見事ブラッドレイに一撃を入れ、正門からの侵入を阻止しました。
しかしバッカニアは瀕死の重症を負い、倒れてしまいます……そして最後に発したのがこのセリフです。バッカニア大尉は笑って逝きました。その報は上官であるオリヴィエ・ミラ・アームストロングの耳朶を打ちます。オリヴィエは「奴が笑って逝ったのなら、我らが泣くわけにはいかん。
進もう」と力強く言い放ち、指揮をとります。これも男前な名言といわれていますが、やはり最後まで戦い抜き、前を向いて逝ったバッカニア大尉は、男の中の男ではないでしょうか。
⑩「俺が欲しかったのは、こいつらみたいな仲間だったんだ」(27巻107話)
「金も欲しい! 女も欲しい! 地位も! 名誉も!! この世の全てが欲しい!!!」というセリフで有名な人造人間(ホムンクルス)の『グリード』。強欲を体現する彼は世界の王にまでなろうとします。最終決戦で神の如き力を振るうホムンクルス達のボスを見て、その力が欲しい! と切望します。
しかしリンからかけられた言葉は「…あさましいなグリード。おまえの欲しいものはそうじゃない」です。グリードは何かに気づいたようでもありましたが、そのときはだまってろ、と言ってリンを無視します。しかし後にエドワードがホムンクルスのボスに立ち向かうと、周りの兵士や錬金術師たちは一斉にエドを応援します。
「もうわかってるんだろうグリード」 リンが再びグリードに語りかけます 「おまえが欲してやまなかったのはあれ(神の如き力)なんかじゃない」 グリードは、みんなから応援されるエドワードを見て、ついに気づきます 「ああそうだ。俺が欲しかったのは、こいつらみたいな仲間だったんだ」……人が生きる理由は幸福の追求という説があります。
そして素晴らしい友人、仲間に恵まれている人は皆幸福度が高いそうです。ホムンクルスにとっても、一番の財宝は気の合う仲間だったのです。
まとめ
ハガレンは非常にメッセージ性の強い作品です。登場人物たちは己の信念のままに生を全うします。キャラクターがリアルな世界観で力強く生きているからこそ、たくさんの名言が生まれ、人の心に残るのでしょう。ここで紹介しきれなかった名言もたくさんあるので、20周年を機に読み返してみてはいかがでしょうか。