12
Jul
マーベルキャラ屈指のダークヒーローである裏切りの王子 ロキについて解説!
マイティ・ソーの義弟にして宿敵のロキ。変身能力や騙し討ちを得意とする小物じみた振る舞いながら、一貫した意志もあるのでどこか憎めない名キャラクターです。ソーとは兄弟として育てられてきた過去から、「実は仲良しなのでは?」と絆の深さを窺わせる描写もあります。
MCUではヴィランからダークヒーローに立場が変わり、より多くのファンを獲得する事に成功しました。今回はロキのキャラクター概要や出演作といった情報に加え、彼を演じた俳優についても詳しくまとめてみました。
ロキのキャラクター概要
ロキは北欧神話に登場する同名の神をモチーフとしたヴィランです。1963年9月に刊行されたマーベルコミック『The Avengers』でアベンジャーズ結成のきっかけを作っており、MCUでもこの点は踏襲されました。そのためアベンジャーズを語る上では欠かせない人物でもあります。
元々はヨトゥンヘイムに住む氷の巨人族の王・ラウフェイの息子であり、アスガルドのオーディン王がローフェイを倒した後に拾われました。この時ロキは体が小さかったために寺院に捨てられており、オーディンとは命の恩人にして一族の仇という複雑な関係にあります。
アスガルドの王宮ではオーディンの息子・ソーと一緒に王子として育てられ、ソーが力に優れる一方でロキは魔術により才能を発揮していきます。また義母のフリッガから魔術を学んでいたお陰で、自分の幻影を見せたり他人の記憶を読み取ったりできるようになりました。
ソーを兄と慕いますが、内心はアスガルド人ではない事へのコンプレックスに満ちており、成人後に邪神となってからはアスガルドの支配者となるべく、ソーを追い出そうとします。
一度は成功したもの反撃に遭って自身がアスガルドから追放されてしまい、以降はターゲットを地球に変え、その度にソーやアベンジャーズと戦いを繰り広げます。
ロキの出演作及び主な活躍
ロキはMCUだと『マイティ・ソー』三部作と『アベンジャーズ』シリーズ、そして自身が主役のドラマシリーズを含めた計7本に出演しています。
特に『マイティ・ソー』三部作はソーや両親といった家族との交流も多く、普段イタズラばかりしているひねくれ者なロキの人間らしい一面が見られる良い機会です。家族との絆を深めて成長していく彼の様子は、模範的ではないにせよヒーローと呼べるものでしょう。
『アベンジャーズ』シリーズでは、最初の戦いで地球を支配しようと宇宙からチタウリを呼び寄せるも敗北し、持っていたスペースストーン(四次元キューブ)が原因でサノスが地球を襲う原因を作ってしまったりと、トラブルメーカー的な扱いが強いです。ここでは各作品ごとに、ロキの主な活躍を振り返っていこうと思います。
マイティ・ソー
MCU初登場となる本作では、ヴィランとして悪の限りを尽くしました。
まずアスガルドの戴冠式でソーに王位を継がせまいと氷の巨人達と密約し、彼らを宮殿の武器庫から侵入させて式典を台無しにします。更にソーを唆してヨトゥンヘイムを襲撃させ、オーディンの怒りを買う事で能力とムジョルニアを奪い、地球に追放させる事に成功。
その後オーディンが眠りにつくと穴埋めとしてアスガルドの王位に就き、国民の信頼を完全に得ようと氷の巨人達を利用する事を思いつき、ヨトゥンヘイムでラウフェイと密約しました。
ソーがウォーリアーズ・スリーと合流した事を知ると、彼らを抹殺すべく人型兵器「デストロイヤー」を送り込みます。しかし、ソーは自分を犠牲にして仲間を救おうとする姿から罪を許され、力を取り戻した事で反撃を許してしまいます。
デストロイヤーを破壊したソーはアスガルドに帰還。ロキの陰謀を暴露し、氷の巨人族への復讐に燃えるロキは虹の架け橋「ビフレスト」でヨトゥンヘイムを攻撃します。ソーの攻撃でビフレストは破壊され、宇宙に上がった両者は目覚めたオーディンに救われますが、ロキはその手を振り払って宇宙の彼方に消えていきました。
アベンジャーズ
宇宙を漂流していた時に出会ったチタウリと結託し、ソーへの復讐と地球の支配者になるという目的のため、地球侵略を企みます。
ワームホール発生装置に必要なスペースストーン(四次元キューブ)を狙い、杖の力で操ったホークアイとセルウィグ博士の協力もあってNASAの研究施設から容易く奪ってみせます。装置を完成させたロキはスタークタワーに赴き、そこで開いたワームホールからチタウリの大軍を出現させる事に成功しました。
駆け付けたアベンジャーズと交戦し、チタウリの飛行馬車に乗りながら圧倒しますが、ホークアイの爆弾付きの矢で吹き飛ばされてしまい、チタウリも全滅させられて完全敗北となりました。その後、囚われの身となったロキはソーと共にスペースストーンを操作し、アスガルドまで連行される姿で物語の終わりを迎えます。
マイティ・ソー/ダーク・ワールド
本作のロキはトリックスターとしての描写が目立つ一方で母親想いな点も強調され、ダークヒーローへの転機を迎える事にもなりました。
過去に犯した罪からアスガルドの牢獄に幽閉されるロキですが、ダークエルフに王宮への脱出経路を教えたせいでフリッガが命を落としてしまいます。我が子同然に愛してくれた彼女の死にはロキも強く動揺し、仇を討つべくソーに同行します。
道中では無駄口を叩きながらもダークエルフの世界に案内し、演技と幻術を駆使してソーの勝利に貢献しました。ラストではオーディンに化けたまま地球で暮らす決意を固めたソーを送り出し、彼の「ロキが本来持っていた心こそ王の器」という言葉に感謝する、兄弟の絆を感じさせる締めくくり方でした。