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Jun
【SCP財団】発想の勝利!設定や仕掛けが面白いおすすめSCP3選!
読んでいると背筋が冷たくなる怖いものから、思わず顔がほころんでしまう可愛いもの。SCP財団には私たちを楽しませてくれる奇想天外なオブジェクトが、実にたくさんあります。
今回ご紹介したいのはただ怖かったりするのではく、設定やページの仕掛けが面白くアイデアで勝負しているSCP達。「なるほど!」と感心してしまう、筆者おすすめの珠玉の作品たちをご紹介していきますよ。
SCP-280-JP オブジェクトクラス: Safe
引用:googleusercontent.com
まず初めにご紹介するのは、SCP財団日本支部の中でも、トップクラスの支持率を得ているこちらのSCP。
オブジェクトクラスはSafeでも、安全かどうかはまた別の話なのがSCPの良いところ。
SCP-280-JPは直径0.7mの、球状の時空間異常。長野県のとある山の中にある、洞窟の中で発見されました。発見時の直径が1.1mで、物質、電磁波、音などのあらゆるものを触れた瞬間に消失させてしまいます。消失させたものの追跡調査は成功しておらず、何処に行ったかは不明。真っ黒な見た目といい、つまるところブラックホールと言ったところでしょうか。
SCP-280-JPには消失させたものの質量に応じて、サイズが小さくなるという特性があります。つまり何でもかんでもポイポイと投げ入れていれば、そのうちSCP-280-JP自体が消失してしまうということ。しかし財団の理念はオブジェクトの「確保、収容、保護」です。消すのではなく保護が最優先事項。
そこで財団はSCP-280-JPを現在のサイズで維持するために、真空で暗闇かつ電波暗室に閉じ込めました。消失させるものが無ければ、SCP-280-JPの状態は変わりませんからね。これでSCP-280-JPの収容は完了、晴れてオブジェクトクラスはSafeに。何も心配することはありませんね。
ところでこのSCP-280-JP、本家サイトに「縮小用廃棄物投入プロトコル」というものがあります。SCP-280-JPを縮小させるために、あなた自身が廃棄物を投入できるのです。ゴミを減らせるし、オブジェクトの管理にもなって一石二鳥!どんどんプロトコルを実行していきましょう!!
………何度かプロトコルを実行すると、SCP-280-JPの写真が変わっていることに気づくでしょうか。よく見ると説明文にある発見時のサイズなども細かく変わっています。最初は洞窟の中だったのに、滝の中、山の斜面、日本列島を覆う規模に。さらに進めると…。最後はどうなるか、もうお分かりですよね。
ネタバラシをするとSCP-280-JPは、消失させた分「過去のサイズが増える」というもの。その証拠に本家サイトで何度プロトコルを実行しても、増えるのは発見時のサイズだけ。財団の認識もプロトコルを実行したお陰で直径0.7mのサイズまで縮小できたという、誤った認識となっています。
サイトを開いた日付が発見時の日付となったり、プロトコルを進めていくと変化していくギミックが大変面白いSCPでした。
SCP-2521 オブジェクトクラス: Keter
SCP-2521は、まずは本家サイトを覗いてみてもらうのが一番でしょう。
いかがでしたでしょうか。感の良い人ならこの時点でも大方の察しが付いているかもしれませんね。
一切の文字による記載がなく、全てが記号や図で説明されているSCP、それがSCP-2521です。
これだけだとなんのことか全く分からないという人…大丈夫です、筆者も初めて見た時は頭にクエスチョンマークでしたから。では改めてSCP-2521の説明をしていきましょう。
SCP-2521は人間よりもやや大きいサイズの人型のオブジェクトで、手にはネバネバした触手が生えています。壁をすり抜けるなどのテレポートのような能力を持っており、収容が出来ないためKeterクラスに分類されています。
SCP-2521は、自身について言葉で言及したものに強い興味を持つのが最大の特徴。SCP-2521について文字で書いたり録音音声を残したりすると、どこからともなくテレポートでやってきて持ち去ってしまいます。もちろん言葉で話してもダメ、実験ではDクラス職員が連れ去られてしまいました。ちなみに連れ去られたものが、どこにいったのかは分かっていません。
言葉には強い興味を示す一方、SCP-2521は写真や絵、図や記号は興味を示しません。もしくは認識が出来ていないのか…。そのため財団はSCP-2521の報告書を、図や記号で表記しているのです。
認識したものの元にやってくるというと、かの有名な「SCP-096 シャイガイ」を想起させますね。ですがシャイガイは顔を見たものを殺そうとするのに対し、SCP-2521は自身に興味を抱いているものを好意的に捉えています。本家サイトの実験記録で、SCP-2521の顔がハートマークになっているのが可愛いですよね。誰かが自分について興味を持つことが嬉しいだけの、実はお茶目なSCPかもしれません。それでも連れていかれるのは勘弁ですが…。
ちなみにこちらのSCP-2521は、「Short Works Contest」というコンテストの優勝作品。コンテストの内容としては「500単語以内にまとめる」ルールだったのですが、まさかの文字を使わないという方法で、最優秀作品に選ばれたのです。
さて、ここまでSCP-2521のことを文字で書いてきました。もしかしたらこの記事も、そのうちSCP-2521に持っていかれるかもしれませんね。
SCP-8900 オブジェクトクラス: Keter
最後にご紹介するのは、設定が非常に秀逸なSCP-8900-EXです。末尾についてるEXとは「Explained」のことで、解明や説明と言った意味。現在の科学では解明できないのがSCPですが、EXはそれが解明できたというもの。もしくは問題が完全になくなって、SCPと呼べなくなったものです。
ではSCP-8900-EXの説明に入りましょう。
SCP-8900はEXに分類されるまでは、Keterクラスでした。つまり収容が困難、あるいは不可能なクラス。SCP-8900は1800年代中期から後期に、カラー写真技術の副産物として発生したSCPです。
SCP-8900は接触によって感染する、可視スペクトルに影響を与える複雑な知覚現象とのこと。分かりやすく言うと、私たちが目で見る色に何らかの影響を与え、変えてしまう現象系のSCPです。
触れるだけで感染してしまうこのオブジェクトの拡散を、財団は必死に喰いとめようとしました。しかし実在の感染症を考えれば分かるとおり、そんなものは到底無理な話です。世界中にこの現象は広がり、突如として見える色彩が変わった人々は大混乱。
打つ手がなくなった当時の財団は、最終手段である「アンニュイ・プロトコル」を実施しました。世界中に微細な記憶処理薬を散布して、「SCP-8900の影響を受ける前から、もともと世界はこのような色だった」と、財団を含めて全ての人の記憶を上書きしたのです。こうして当たり前のものとなったSCP-8900は、KeterからEXへとクラスを変更。SCP-8900に犯された世界こそが正常となったので、収容の必要がなくなったのです。
本家サイトでは、アンニュイ・プロトコルを実行した財団のトップである「O5-8」の手紙が読めます。そこには「諸君、我々は失敗した。」と、財団の敗北を認める旨と無念さがが書き残されていました。財団が敗北するという前代未聞のシナリオは非常に人気を博しており、筆者も特に好きなSCPの1つです。
副題である「青い、青い空」も秀逸。私たちは澄み渡る青空を見ると、よく美しいと言いますよね。しかしそれはSCP-8900によって歪められた、下品で不自然な色。昔の人はもっと鮮やかで美しい世界を見ていたのかもしれません。ロマンとも空虚感とも言える、何とも言えない気分を味あわせてくれるSCPです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。世界中の方が作っているSCPは、思わず唸ってしまう出来の作品が数多くあります。他にもおすすめの面白いSCPをご紹介するので、また別の記事も読んでみてくださいね。