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【ヲタクに恋は難しい】2期の可能性を徹底検証! 原作1000万部パワーで実現へ
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2018年春に放送され、好評を博したテレビアニメ『ヲタクに恋は難しい』に2期の可能性があるのかを徹底検証!
円盤売上や配信人気、原作の伸び、実写映画の成績、ストックの有無など、様々な観点から2期を占ってみました!
Web漫画最大級のヒット作! ヲタクな社会人同士の恋愛コメディ
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『ヲタクに恋は難しい』は、Web漫画史上最も成功した作品の1つです。
この作品がpixivに投稿され始めた2014年は、Web漫画は既に定着し、HERO先生や高津カリノ先生などWeb出身の漫画家が人気者になるケースも増えていましたが、SNSに投稿された漫画がバズってデビューする流れが王道になった現在ほどは普及していなかった時代。
ふじた先生が手がけたこのヲタ恋は、そんな時期に彗星のように現れ、瞬く間に大ヒット作に上り詰めた作品です。
本作は、ゲームヲタクの二藤宏嵩(にふじ ひろたか)&腐女子でヲタクの桃瀬成海(ももせ なるみ)、隠れヲタクの樺倉太郎(かばくら たろう)&腐女子でコスプレイヤーの小柳花子(こやなぎ はなこ)の社会人カップル、更に宏嵩の弟でゲーム初心者の尚哉(なおや)&ゲームヲタクのボーイッシュなコミュ症・桜城光(さくらぎ こう)の大学生カップリングのそれぞれの恋愛を描いたラブコメディです。
今でこそラノベを中心に数多く描かれているヲタク同士の恋愛ですが、当時はまだ珍しく、しかも社会人カップルでヲタクの恋愛を描くという珍しさもあって注目を集め、各カップルの軽妙で初々しいやり取りに多くの読者がキュン死。
コミックスが発売されるや否や品切れが相次ぎ、「次にくるマンガ大賞『本にして欲しいWebマンガ部門』」1位、「このマンガがすごい!2016オンナ編」1位を獲得するなど、高い評価を得てアニメ化も果たしました。
円盤売上、配信は……
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ヲタ恋のBlu-ray・DVD売上は、全4巻で平均3000枚弱のセールスを記録しました。
この売上だけで2期確定……とまでは言えませんが、近年は3000枚前後の売上で2期が決まるアニメも結構あるので、資格は十分にあると言えるでしょう。
ただし、そのためには円盤売上以外での有力な資金源が必要となります。
その候補の筆頭となるのが配信です。
配信で好調な作品は、独占配信権の売却などによって多額の資金を得ることで2期制作を可能としたケースがままあります。
特に最近は、国外において配信が好調な作品は続編が作られやすい傾向にあるようです。
ヲタ恋の中国の動画共有サイト「ビリビリ動画」での再生数は5800万再生を記録。
これは同じラブコメで既に2期が発表された『理系が恋に落ちたので証明してみた。』の3600万再生を上回る数字で、十分に好成績と言える結果ではありますが、確実に2期が作られるとまでは言えません。
Amazonプライム・ビデオやNetflixといったプラットフォームにおいても、特別なヒットを記録したという話は出ていないようです。
また、ヲタ恋は2020年2月7日に実写映画が公開され、ヒットを記録しています。
新型コロナの影響で、2月下旬以降は映画館に足を運ぶ人が極端に少なくなったにもかかわらず興行収入13.1億円を記録し、2020年上半期8位に入りました。
このように、ヲタ恋は円盤売上・配信成績・実写映画の興行収入、いずれも決して不調ではなく、むしろ良い数字を残してはいるのですが……2期の決定打となるところまでは届いていない印象です。
原作売上は絶好調! 1000万部突破もアニメ化効果は……?
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ヲタ恋の原作漫画は非常に好調なセールスを記録していて、2020年8月の時点でシリーズ累計1000万部を突破しています。
これは9巻発売時点での数字で、小説版の部数も含まれている事を考慮しても、巻平均100万部以上は確実。
『五等分の花嫁』や『かぐや様は告らせたい』といった大人気ラブコメでも、ここまで巻平均は高くありません。
では、そんな原作の伸びにアニメはどれくらい貢献したのかを、発行部数の推移から確認してみましょう。
・『ヲタクに恋は難しい』累計発行部数の推移
2015年06月 **30万部(1巻)
2015年10月 **50万部(1巻)
2016年03月 *100万部(1巻)
2016年03月 *150万部(2巻)
2016年08月 *180万部(2巻)
2016年10月 *210万部(2巻)
2016年12月 *300万部(3巻)
2017年08月 *420万部(4巻)※アニメ化決定告知
2018年02月 *550万部(5巻)
アニメ放送(2018年4~6月)
2018年07月 *700万部(6巻)※実写映画化決定告知
2019年03月 *800万部(7巻)
2019年12月 *900万部(8巻)
2020年08月 1000万部(9巻)
ヲタ恋は元々pixivで火が点き、ネット上の口コミでどんどん広まっていき、1巻の時点で100万部に到達した稀有な作品です。
それ以降は大きな変化はなく、ずっと巻平均100万部強で推移しています。
この推移を見る限りにおいては、アニメ化によって大きく伸びたという事実は確認できませんでした。
アニメ化前は巻平均110万部だったのに対し、アニメ放送直後は約117万部になっているので、アニメ化効果自体が全くなかった訳ではありません。
ただ、10万部の作品が17万部になったのならともかく、100万部以上売れている作品の7万部は、顕著な効果アリとまでは言えないでしょう。
アニメ化される以前から、既に大半の読者層に行き届いていたようです。
目立った効果が見られた訳ではないので、出版社である一迅社がアニメ2期に対して積極的になるかどうかは微妙なところです。
2期をやらなくても十分過ぎるほど売れているし、2期をやってもそこまで劇的な伸びは期待できないから、OAD付き特装版を出すくらいに留めておこう……との判断が下されても、何ら不思議ではありません。
ただ、アニメ化は部数アップだけが目的ではありません。
ファン離れを防ぐ効果もありますし、投稿サイトのcomic POOLの活性化にも繋がります。
特にcomic POOLは、近年『うらみちお兄さん』『恋と呼ぶには気持ち悪い』が立て続けにアニメ化を果たすなど勢いを増しており、そこに看板作であるヲタ恋の2期が発表されれば、一気に活気付くことでしょう。
1000万部も売れた作品であれば、出版社が多めに出資することは可能なので、一迅社の意向次第で十分2期の実現はあり得ます。