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【甲鉄城のカバネリ】2期の可能性を徹底検証! 鍵を握るのは配信とソシャゲ?
2016年に放送され、多くのアニメファンを魅了したオリジナルアニメ『甲鉄城のカバネリ』の2期が制作される可能性は果たしてあるのか?
円盤売上やその後の展開、配信状況やゲームなど、様々な角度から徹底検証します!
豪華スタッフによるスチームパンク&ダークファンタジー
『甲鉄城のカバネリ』の情報が最初に公開されたのは、2014年11月に行われたイベント「ノイタミナプロジェクト発表会2015」で、『冴えない彼女の育て方』『パンチライン』『乱歩奇譚 Game of Laplace』『すべてがFになる』と共に発表されています。
この時は2015年内に放送されると思われましたが、ノイタミナ枠は2015年4月以降、2枠だった放送枠を1枠に変更したため、その影響もあってか2016年春の放送となりました。
そのため、放送の1年以上も前から発表されたタイトルとなり、かなり間が空きましたが、それでも放送が始まるまで期待が萎むことはありませんでした。
というのも、このアニメの制作にはかなり豪華なスタッフが名を連ねていたからです。
アニメーション制作はWIT STUDIOで、指揮を執ることになったのは荒木哲郎監督。
この組み合わせは、アニメファンなら当然『進撃の巨人』を連想します。
しかも本作は進撃の巨人同様にダークファンタジーということもあって、発表時はかなり話題になりました。
更に注目集めたのは、キャラクター原案に美樹本晴彦さんの名前がクレジットされていたことです。
美樹本さんといえば、1980年代~90年初期の人気作『超時空要塞マクロス』『マクロス7』『トップをねらえ!』などを手がけ、当時最もアニメファンを湧かせていたキャラクターデザイナー。
つまり、大ベテランです。
通常なら「古臭い」「懐古主義」といった意見が多数を占めるところですが……美樹本さんによってデザインされたカバネリのキャラ達は、確かに往年の美樹本さんの絵柄を感じさせつつも現代風に仕上がっていて、若いアニメファンからも称賛の声が多数あがっていました。
また、シリーズ構成は『コードギアス 反逆のルルーシュ』の大河内一楼さんが担当。
それぞれ過去に大ヒット作を手がけた錚々たるメンバーが集結するオリジナルアニメとあって、多くの期待を寄せられた中で放送が始まりました。
そんな本作の内容は、蒸気機関が発達した極東の島国「日ノ本」を舞台に、噛んだ人間を感染させ同族にする吸血鬼のような習性を持った不死の怪物「カバネ」と人類の戦いを描いたスチームパンク&ダークファンタジー。
主人公・生駒(いこま)はかつて、妹がカバネに噛まれた際に恐怖から逃亡してしまったことがあり、弱い自分とカバネを強く忌み嫌っている青年。
彼が装甲蒸気機関車「甲鉄城」に搭乗する謎の少女・無名(むめい)と出会い、カバネに噛まれながらも人間性を保った「カバネリ」となりながらも、甲鉄城に乗る人々を守りながら幕府最大の要塞「金剛郭」を目指す物語が描かれています。
外見のイメージとは裏腹に直情的で強い執念を見せる熱い生駒、12歳とは思えない身体付きでカバネを圧倒する戦闘力を見せる無名のコンビが織り成す、迫力満点のバトルと王道のストーリーに多くのアニメファンが夢中になり、期待通りの話題作となりました。
セールス面では成功! 2期の可能性は?
甲鉄城のカバネリのBlu-ray・DVD(円盤)セールスは、全3巻で平均6000枚を越えるヒット作となりました。
2016年春クールは『マクロスΔ』『Re:ゼロから始める異世界生活』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』『ハイスクール・フリート』と話題作が多く、クールトップという訳にはいきませんでしたが、続編を制作するには十分な数字。
実際、放送が終わった直後の2016年7月には総集編を劇場公開することが発表されるなど、明らかに「次」を見据えた動きが早々に見られました。
そして2016年12月、新作の制作が決定したとのニュースが流れ、多くのファンが2期を期待しましたが……その後、2期ではなく中編の劇場版と判明。
それでも、『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』というタイトルで2019年5月に公開されたこの作品は、本編であまり描かれなかった無名の心情や想いにフォーカスした内容で、正統な続編でありつつ本編を強化する内容になっており、多くのファンから高評価を獲得しました。
ただ、本編放送から3年が経過していたこと、Amazonプライム・ビデオとNetflixで劇場公開と同時に配信されていたこともあって、2019年12月に発売された円盤は劇場版の割にあまり伸びず、4000~5000枚という結果に終わっています。
これらの結果を考慮した上で、カバネリの2期の可能性を模索していきます。
まずセールス面ですが、本編の円盤売上は2期ラインに十分届いています。
ただ、当時WIT STUDIOは進撃の巨人というビッグタイトルを抱えていたので、相当な作画カロリーのカバネリを1クール作るのは厳しかったと思われ、だからこそ新作は2期ではなく中編の劇場版という形になったと推察されます。
劇場版の円盤セールスに関しては、前述したように配信を早々に始めており、通常の劇場版と比べ売上面で不利だったのは否めず、参考記録と考えて良いでしょう。
次に配信。
カバネリはAmazonプライム・ビデオで非常に多くの評価が付けられていて、本編は400件以上、劇場版は500件以上を記録しています。
それだけ多くの人が配信で本作を観ていると予想されます。
ビリビリ動画では8000万再生以上を記録。
当時の作品としては十分高く、海外でも受けたと言える数字です。
これらの結果を見る限り、2期が来ないとおかしいレベル……とまでは言えませんが、2期を制作する価値は十分にある作品とは言えます。
特に配信に関しては、派手なバトルを繰り広げるダークファンタジーは海外で最も受けるジャンルの1つであり、配信市場の拡大を考慮すると1期以上の数字が見込めます。
では、制作環境はどうなのでしょうか。
劇場版までのアニメーション制作を行ったWIT STUDIOは、第4期から進撃の巨人の制作を離れています。
よって、他の大型企画を抱えていなければ、スケジュール面では以前よりは余裕があるかもしれません。